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マーケティングアジェンダ 高岡氏、足立氏によるキーノート3「イノベーションメソッドの根本に迫る」メモ #MA21

どうも、フクパンマンです。マーケティングアジェンダに参加中で、主にTwitterで実況しておりますが、キーノート#3のセッションがツイートでまとめられなかったのでこちらにメモを掲載します。

タイトル:キーノート #3 イノベーションメソッドの根本に迫る〜人のキモチの読み取り方〜

元ネスレ日本社長・ケイアンドカンパニー高岡氏、ファミリーマート足立氏による至極の、刺激的なセッションでした。

初めから究極の質問「マーケティングとはなんですか?」

いきなり、究極の質問から入った本セッション。

Q.「マーケティングとはなんですか?」
A.「顧客の問題に焦点を当てること」

マーケティングを社内の誰にでもわかる共通言語にするには、わかりやすい言葉が必要。

間接部門にいる人でも顧客がいる。採用だったら、学生。総務部だったら社員。その顧客の問題を見抜いて、そのソリューションを作ること。
共通言語化できれば、マーケティングが全ての部門で大事なものになる。

コトラーの理論を丸覚えしてもできない。
コトラーを超えていかないといけない。
世の中で起こっていることをまとめるのが学者だから。

この、顧客の問題に焦点を当てるという表現は、高岡氏の奥様にも伝わる表現だったということで、私も非常に腹落ちしました。社員のコミュニケーションとして使えるようにすることが大事です。

★「顧客の問題には2種類ある」

問題は、イノベーションか、リノベーションに分けられる。

誰が聞いてもイノベーションの方が規模が大きい。しかし、ネスレの本国会議において、イノベーションとリノベーションの違いは?と説明を求めたところ、誰も明確に定義を答えられなかった。

そこで、高岡氏は以下の定義を行なった。

・わかっている、顕在化している問題→リノベーション
・問題とは思っていない問題、こんなことは解決できるわけないと思っている潜在的問題→イノベーション

例えば、暑い時の解決策。

・うちわしかなかった時、扇風機ができた。→イノベーション
・首振りが欲しい、タイマーが欲しい、強い風が欲しい→リノベーション

イノベーションは市場調査しても出てこない。
リノベーションは市場調査である程度でてくる。

リノベーションで食べられてきたが、種が尽きてくる。
デジタル、AIが20世紀で問題解決できなかったことが解決できるようになる。しかし、イノベーションが必要なのに出てきていない。

★なぜイノベーションを生み出せたのか?イノベーションを考えつくために重要なことは?

重要なことは、二つある。

1.新しい現実を考える

5-10年くらいのスパンで、誰しもがもう変わらないだろう?と感じていることを新たしい問題を新しい現実が引き連れてくる。

例えば車社会で言えば、「交通事故をゼロにする」。

高齢化社会で言えば、シニアが増えて定年が伸びる。死に方を考えるようになる。

ここに全て新たな問題が含まれている。しかし、30年前から高齢化社会の問題は変わっていない。

この「変化」を解決するのがイノベーション。

日本人は知識として蓄えるのは得意だが、物事の意味を考えることが少ない。

2.ダイバーシティ思考

日本人の常識を疑うことから、イノベーションが生まれるのでは。
ネスレで当時30歳で部長になった時に、海外から当たり前の質問をされた。

例えば、日本はホワイトカラーが偉くて、ブルーカラーが下という文化があるが、なぜなのか?海外ではそんなところはない。

全く違う国の人と話すと思っても見なかった質問をされる。

例えば、日本はスーパーは400社ある。なぜ寡占されないのか?という当たり前のことを考えてみる。

都道府県ごとに魚、肉が違う。地元で取れたものを食べる。
魚が食べられるようになったのはここ100年のこと。
日本のスーパーは生鮮食品。海外は冷凍食品を買う。
だから、スーパーの数は多い。
生鮮食品ではないジャンルでは大手に卸した方が効率が良い。

こういった発想は普段の生活からは生まれてこない。

★自分以外の方にイノベーションを考えついてもらうためにはどうすれば?

ダイバーシティを推進するためには、全く日本のことを知らない人を採用するのには限界があるので、外国人になったつもりで日本人の当たり前を疑う訓練をする。

そのために、評価の2割でイノベーションを評価するようにした。(イノベーションアワード)。訓練が進み、最初は70件だったのに、今では2,500人程度の社員で5,000件以上の作品がきた。

イノベーションアワードのレベルが上がると、ある程度スモールマーケティングで成功しているものなので、いきなり投資できる。そして、どんな役職だろうと、即プロジェクトリーダーにし、社長直属にする。

一番お気に入りの成果は、プレミアムキットカット、ショコラトリー。
イノベーションアワードで出たもので、それを売れるようにブラッシュアップし、数百億以上の売り上げ、全世界展開につながった。

初めは全員が素人。だから「NR」は「New Reality(新しい現実)」、「P」は「Problem(問題)」、「S」は「Solution(解決策)」
のNRPSのフレームワークを浸透させ、推進した。

★日々の生活の中で、「顧客理解・人間理解」を深めるためにアドバイスは?

発想がない企業、上司はどうしても説得できない。

他部署を巻き込みながら、スモールテストで実証していくしかない。
大きな失敗をするのが一番怖い。

高岡氏も、権限の範囲で小さなテストを繰り返していた。北海道をテストにして実施していた。

成功体験がない、理解ができない、頭がかたい、だったら見せるしかない。

★日本人が新しい現実を考えられるようになるにはどうしたらいいのか?

知っている人間が伝えるしかない。高岡氏自身が、自分で社員直接に説明した。

また、日本の常識は全て疑う習慣をつける。
NewsPicksではあえて反対の意見を述べさせているところが良い。
これは本当か?と常に思うようにする。
レッスン材料はどこにでもある。わからなければ調べればいい。

日本でダイバーシティは推進しにくい。物理的にダイバーシティを作り出すのは困難。だから思考を鍛える。会社を辞める時に代行業を使うのが流行っているが、それを笑わない。

それが新しい現実。常に笑わない、受け入れる訓練が必要。

金言が散りばめられたセッションでした。
このセッションの中身すら「いい意味で疑い」自分の中にしっかり落とし込めるといいなと思いました。

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んちゃ。

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