SCAPEGOAT創刊号巻末特集インタビュー
12周年のワンマンライブ翌日、解散を発表したSCAPEGOAT
2021年12月1日のO-EASTで迎えるファイナルまで、彼らの魅力はどんどん増すだろう
今こそ、SCAPEGOATに触れて欲しい
「いかに生き、いかに死ぬか」
SCAPEGOATが記すその日まで、決して目を逸らすな!
12周年直後に行われたSCAPEGOATメンバー全員インタビュー!!
H:先日、池袋EDGE、新宿BLAZE12周年のワンマンライブが終わって翌日に解散が発表されましたが当日会場に来られた方も来られなかった方もそれぞれのかたちで12周年と解散を受け止められたと思います。まずは12周年公演を振り返りつつ、解散を発表されたばかりの今の気持ちをお伺いしたいと思います。
U:12周年を迎えて、解散発表もあったんですけど最後までやり切って自分たちらしく終われればいいかなと思ってます。
Sayula:2日間やって、2日間のセットリストが12年の総まとめみたいなところがあったので、2日目の最後の曲を自分たちの今の意思表示みたいな感じでファンの人に提示しようってなっていて、その次の日に解散発表すると決まっていて、その最後の曲までは普通に楽しめてやれました。このご時世の中、ライブの中止とか延期の中で無事に2日間ライブができてファンの方にも会えて、それが一番嬉しかったです。2日目のBLAZEもずっと延期だったんで最後に「ラブソング」って曲をやるぐらいでようやくちょっとグッとくるというか、ちょっといつもと違う緊張感みたいなのがありましたね。2日間終わって、解散発表してからしばらくスケジュールも無かったのでSNSもあまり開かず、ちょっと切り離してた期間もあったんですけど、ファンの方からの声を数日後にちょっとずつ見始めて、自分たちが言ったことなんで切り離すというのも勝手ですし、伝えなきゃいけないんだなと思ってその後にツイキャスをしたんですけど、今は逆に後押しされてホッとしてるが今の最新の気持ちな気がしますね。
LAYHA:正直12年やってきたというのにあまり意識していなかったというか、当日になってそれをちょっと実感した部分があって、何年やろうって決めて続けてきたわけでもないので、12年って凄いねって言われたりして、確かに結構いろいろやってきたなと思いつつ、でも気がついたら12年経ってたなみたいな感じが強かったですね。ライブは翌日の発表もありましたけど、そういうのとは切り離して来てくれた人をやっぱ楽しませることが大事だと思ってたのでとにかくやれることはやろうみたいな。いろいろな制限はある中でも見せられるものは見せたいし、来て良かったと思ってもらえるような空気作りみたいのをしていこうかなとは思ってて。Sayulaも言ってた最後の「ラブソング」まではそれまでの事を思い出しながらライブをしてたんですけど、その曲でこれからのことに気持ちが向いたというか、明日解散を発表することとかも思ったりしてグッときたというか、大分揺さぶられるみたいな感じもありました。帰ってから2日間やって良かったなと。こういう状況でもみんなで時間を共有できたことは意味があるなと。今は語弊みたいなのがあるかもしれないんですけど、ちょっとスッキリしたじゃないですけど言わなければいけない事だったんで、それを言えたことに対してはちょっと落ち着いたというか、それを言わずにいるのもずっとしんどかったんで。後はやっぱ12年、13年目になるSCAPEGOATっていうものを全部最後までいった時に”いいバンドだったよね”って思ってもらえないといけないと思うので、ライブとか全力で活動していって華々しくみんなでいい時間を半年ぐらい過ごしていけたらいいなと思っている段階です。
春:周年のライブは会場と協議をして、緊急事態宣言で出来るか出来ないかの瀬戸際で、会場側から感染予防しながらやりましょうと言ってくれたんで無事出来たんですけど、出来て良かったっていうのが一番ですかね。1年前くらいからコロナが始まり、俺らは割と戦ってきたと思うんですよ。出来る限りライブはやらないことにはなってのがあって、ライブ自体が存在意義みたいなのがすごい強くて、秋ぐらいからワンマンとかやりだして、状況とかを掴みながら色々な場所でやって感じてきたこととか、今年に入ってまた延期とかもありましたけど、正直いい加減にしてほしい部分とかもあったりして。ライブハウスとかアーティスト側が悪いみたいなのは違うんじゃないかなと一年間見てきて思って、去年の自分達だったら、この状況であれば延期してたと思うんですけど、この1年でファンのみんなと絆も深まりましたし、やるっていうことに対しても「え、やるんですか」みたいな人もいなかったですし、どうしても行けないので何かしらの対策はとれますかとかいう意見はもちろんあったんですけど、それはもちろん事務所と共有してそういうのもなんか出来たらいいなというのはいまだに考えています。
とりあえず本当にライブは発表云々さておき、やれてよかったなっていうのが一番の印象ですね。なので次の日発表が控えてるとかも正直一切感じなかったですね、個人的には。とりあえず29日のEDGEの前夜祭と当日のBLAZE2日間で歴史に触れてもらえばいいなと。新曲を最後にやったりとかある意味発表に近しいものもあったんですけど、逆に新しくものを出すっていう意味で希望じゃないですけど、そういう部分でも”まだ進んでいきますよ”っていう部分が最後に提示できたんじゃないかなっていうのはありますね。
まだそこで終わらないよっていうのが提示出来たんで、本当に29、30は気持ちよくやらせてもらえたかなていうのが率直な感想です。
でも発表の日は、”遂にこの時が来てしまったか”という感じがあって、”言いたくない”みたいなのはありましたね。これを言ってしまったらもう戻れないじゃないですかやっぱり。すごいギリギリまでそこで時間が止まればいいなみたいな感覚は少なからずあって、お客様の反応も賛否両論あったんですけど。でもやっぱり感謝の方が多かったりしましたし、バンドの友達とかにも連絡もらったりして、とりあえず「マジか」みたいなのは大きいですけど、「12年って凄いね」って結構言ってもらえたんで、「これからも音楽は続けてね」みたいなのも多かったですし、それはまだなんとも言えないにしても、そういう言葉とかいろんな人に影響を与えれた12年だったんだなと。2、3年だったら多分こんなにお客さんからの声もなかったでしょうし、12年だからこそ、そういうものを感じましたね。だから29、30、1日の3日間で自分たちの頑張りが報われたじゃないですけど、そういうのはすごく感じた3日間だったかなと。
H:コロナ禍に入って思うように活動が出来なくて苦しい時期もあったと思います。そんな中、いろいろ考える時間はあったと思います。バンドに対しての向き合い方だったりとか、音楽に対しての向き合い方だったりとか、その間どのようなことを考えていましたか。
春:とりあえずライブをどうにかできないのかなとか、あとはもちろん配信もしましたし、例えばリリースの話とかもあったんですよ。レコーディングとか。でもそれを出すことは出来たんですけど、知ってもらえなかったら意味がないしとか、結構八方塞がり感みたいなのが去年はありましたね。
H:やはりCDをリリースするバンドさんも減りましたね。
Sayula:それぞれ理由はあると思うんですけど、音楽の原点っぽい話になりますが憧れるバンドとかいるじゃないですか、そこを目指すんですけど音源っていうよりはやっぱりその人たちが動いてる姿に憧れて始めるじゃないですか。それがやりたいから曲を作んなきゃみたいな感じで。もしかしたら1番やりたいのがライブで、それをするために「じゃあ俺は化粧する」みたいなカテゴリーがあって、ライブ第一みたいな。ライブが出来ないなら「今、俺ら、ちょっとストップしちゃうよね」みたいな、根っこみたいな部分で。今、そう言われたら確かにと思うところもあるんですよ。音楽作れるし、メンバーでアコースティックで自分たちの曲をカバーみたいのはしたんですけど。多分ライブでお客さんと触れ合う時間とか、ちょっとCD屋さんには申し訳ないんですけど、ライブが1番。やっぱりライブっていうものをずっとやってきたんで、ライブのために曲があって、全部あるみたいな。自分達がやっていたことを目の前で塞がれてしまうみたいな感覚で「あーどうしよう。」みたいのはありましたし、SCAPEGOAT的にはやっぱライブがっていうのが一番強っかったのかもしれないですね。
春:確かに音源を出すことは出来たんですけど、その1枚を手にとってくれる人がどれだけいるかが分からない。ファンの人達は勿論ですけど、やっぱりファンプラスアルファでいろんな人に聴いて欲しいって気持ちが大きいんで。大々的に宣伝もしたいですし、リリースするならっていうのはもちろんありますしね。例えば去年の夏に出したとしてもちょっと風化しそうな気もしましたし、コロナ禍の曲とかあるじゃないですか、でもうちらのスタイル的には違いますし、そういうことを考えるとリリースしたいけどみたいな。とりあえず様子を見ようという選択肢にはなってましたね。
U:なんか正直舐めてたというか、すぐ解決するのかなって軽く最初の頃思っていて、いざライブ初めた時に声出せないとか、みんなマスクしてないといけないとか、ステージとホールのところに板みたいなのがあったりとか、そういうのも回数重ねてるごとに変なんですけどその状況に慣れてきてて、お客さんも多分回数重ねるごとにその状況に慣れて来てると思うんでけど。。。でも単純に俺は結構落ち込んでたというか、やりたいことが出来ないっていうのが普通に悔しいなとは思ってましたね。
LAYHA:なんか本当に何もしちゃダメだよっていう空気があったじゃないですか。一番最初は特に、悪者みたいな。”音楽とか、エンターテインメントをしてる人達はみんないけないことをしています”みたいな空気があったんで。なんでそういうことを言われるんだろうなとも思いました。もちろん安全第一とかもありますし。考えながらもなんかやれることはないのかな、ないんだろうなって気持ちを行ったり来たりしてたんですけど。最近は”いや必要なものでしょ”って思ってますね。エンターテインメントって、不要不急がどうってありますけど、ライブとか演劇とか全部そうですけど、普通の生活をしてる人達にとっても必要なものなんじゃないのかと思うんで、だからこそSCAPEGOATはライブをやれるときにやってきたと思うんですよ。やっぱりライブありきだったんだなって思ってますね。なんでバンドが好きなんだろうなと思ったらやっぱりライブをすることが好きだったんだなって思いましたね。
H:コロナ禍に入ったことで、ライブハウスやエンタメ業界というワードがメディアなどで取り上げられるようになったと思うんですけど、その中で大切さみたいなものも凄く前面に出たんじゃないかなって思いました。普段からそういうものに触れている人にとっては音楽とかライブの大切さを考えるきっかけにもなったんじゃないかなと思ったのですが。
春:一般の人とか、やっぱりライブって日常じゃないんだなっていうのはこの12年で分かってきたというか、やっぱりそれぞれ好きなもが異なるんで。ただ何も知らない人には何も言われたくないなっていう感覚はありましたね。逆に言えば俺はクラブとか知らないんですよ。でもやっぱりどちらかというと悪いイメージも俺はちょっとあったりして。でも、クラブからしたら、”いやそんなことないよ”みたいのがもちろんあると思うし。だから、一回行ってみればわかると思いますし。別になんか悪いことしてないし、怖いとこじゃないってことは世の中に知って欲しいっていうのはあります。ライブハウスでコロナがでましたとか、ライブハウスはこうだからみたいな悪いところばっかり出てきたりするじゃないですか。そういう部分じゃなくて、実はこんな対策もしてるんだよっていう部分も報道して欲しい気持ちはありますね。
H:音楽の必要性についてはどんな考えをお持ちですか。
春:僕らは必要不可欠な人種じゃないですか、音楽やってるんで。ですけど曲を作るようになってからは、もちろん聴くんですけど、頻繁に聴かないようになりました。無音の時間が増えた。例えば電車の中とか絶対聴いてたけど全然聞かなくなったりとか。逆に普段やってるからこそ聴かなかったんですけどコロナになってからやっぱり触れる機会が減るじゃないですか。そうなると聴くことが増えたり。とりあえず”なにか、かけようかな”みたいな感じになります。やっぱあるといいなって思いますね。必要ですね。なんかこう癒されるというか救われるというか。そういう感覚はやっぱりありますね。それはコロナ禍で感じたかもしれないですね。
U:必要ですね。曲を聴いた時に俺はその時に思い出だったり、その当時の情景だったりとかを頭に思い浮かべる時間が好きで、曲が好きとかアーティストが好きとかではなく、その時の思い出とかが蘇ってくる懐かしさみたいなものが好きですね。
Sayula:音楽は小さい頃から、お祭りだとかテレビからとか、その場その場でいろいろな音楽があって、必要だなすらも考えないぐらい当たり前にあるものとして生きてるので、なんかご飯食べるくらいの普段に中にあるもの。コロナ禍だとかコロナ禍じゃなくてもですけど自分がたまたまみつけて、聴いたものが今の自分の心情と真逆なもの、例えばちょっと暗い時に明るい曲を聴いて明るくなる。ちょっと自分の気持ちじゃないものを取り入れられるというか、そういうもので元気になったりとか。逆に落ち込んでる時にちょっとダウンするような暗い曲を聴くと癒されるとか。なんか共感じゃないですけど日常を豊かに心を豊かに出来るものなんじゃないかなって思いますね。
LAYHA:自分にとったら音楽は必要だって思ったことがないというか、ずっと聴いてきたし、やるようにもなってたし。あるのが普通みたいな感覚なんすけど。すごく選べるようになったんだろうなとは思うんですよ。すぐに調べて聴きたい曲が聴けたり、当たり前に流れてたり。なんか都合良いものになったというか。もう自分で自分の気分に合わせてなんでも聴けるし、より必要になってきてるんじゃないのかなって思うんです。それこそCDとか、配信とかいろんな形ができたんですけど、より音楽を自分のそばにおけるようになってるとは思うんで、うん。ん?なんでしたっけ。(笑)
全員:(笑)
LAYHA:今なんかどこに着地していいか分かんなくなっちゃって(笑)
Sayula:俺は今なんかすごく、あーってなってたんだけど(笑)
LAYHA:音楽自体が大事だから変わらないじゃん音楽を作りたいとか届けたいとかは。でもその周りの手法とか聴く方法が変わってるけど音楽自体は鳴り止まないみたいな。それこそ都合よくどんどん取り入れられるようになっちゃったから、どんどん入れ替わるようになっちゃったのはあると思うんですけど。流行をどんどん消耗してくじゃないですけど、2ヶ月前に流行ってた曲が今はもう流行ってないみたいなのが全然あるんですけど、だからこそなんていうんだろうな、なんかより身近になったんだろうなと思いますね。
H:簡単にいろんな曲が聴けるようになったんだろうなっていうのは凄く良いことなんですけど、逆にLAYHAさんからすると簡単に入れ替えることもできるようになったということでしょうか。音楽の消耗品説みたいなのが一部であると思うんですけど、本当に消費されていくだけということもやっぱり悲しいことですしね。
LAYHA:なんか自分が例えば高校生の時とかにずっと聴いてた曲って今でも聴くじゃないですか、だからそうなってたら嬉しいなとは思いますね。
H:ヴィジュアル系でもちゃんとアーカイブって残せると思うんですよね。それをちゃんと守ってく人ってどれだけいるんだろうって思います。10年前20年前のヴィジュアル系って今でも聴く人がすごく多いし、メディアでも取り上げられることが多いですよね。でも今のヴィジュアル系がダメかって言ったら決してそうじゃないし、今現役でやっているバンドさんも、ちゃんとアーカイブとして残すべきバンドさんが沢山いるし、そうなって欲しいってすごく思います。
春:ただただ流行りっぽい曲とか、こんな感じがいいじゃないぐらいの感じで作ったりとか、割とすぐ死ぬ気がしてはいますね。そこに”想い”が乗ってないというか、それに対してどれだけ想いを詰め込めたかによってその出来と、いつ聴いても残る曲になるんだなって感じたりするんですよ。だから当時の人ってすごく濃いじゃないですか。やりたいことをやってたと思うんですよね。俺たちはっていうのが積み重なって曲になったんでやっぱり色褪せない。”これもいい”、”あれもいい”って、いいとこ取りしてもやっぱり薄っぺらいのかなって思います。それでもそのファンは好きだと思いますし、別にそれを悪いとは思わないですけど、個人的にはやっぱり1曲、1曲、我が子のようにじゃないですけど作ってるんで、うちの曲にそういう曲はないと思ってますね。重みがあってほしいですよね、曲に。
H:そうですね。SCAPEGOATっていうバンドがいたんだっていうことは曲と共にずっとヴィジュアル系のアーカイブにちゃんと残していきたいと思いますね。ちゃんと残すという意味でも、あらためて皆さんにSCAPEGOATとはどんなバンドなのかをお聞きしたいのです。
春:僕にとっては救い的な部分があります。ここ何年か、特にUが入ってから具体的にそういう部分が見えてきたかもしれないですね。俺も、幼い頃とか音楽に救われてきましたし。だからファンの人たちもそういう部分で救われて欲しいって部分もありますし、曲に残すことによってその物語の主人公にも救われると思いますし、俺が歌ってきたことが誰かの糧になればなと。
U:俺が加入して12年続いたわけじゃないんですけど、付き合い自体は長くて、その時から他のバンドより全然かっこいい曲だなとか、メッセージ性も強かったりとか、めちゃくちゃかっこいいなって思ってて、それを実際自分が演奏できるようになってもっと気持ちも入るようになりました。お客さんからもライブが終わって、メッセージとかで「今日仕事で悲しいことがあったんですけどライブ来て良かった」とか言われるのがすごい嬉しくて。悲しいことがあった時とかに元気をあげれるような曲とかライブがうちらの中で強いと思ってます。
Sayula:自分の感覚としては客観的なSCAPEGOATとやってる側の観点両方あるんですけど、自分的にはやっぱり4人の生き方じゃないですけど、このメンバーは本当にやりたいこと以外はやらないメンバーだと思うんですよね。まあ少しは12年やってきたんで時代の流れとかにも対応したり、あぁそういうのもいいねっていう柔軟性はあると思うんですけど、根本的にはすごく強い思いみたいなのが各々の中にあっても、誰かに言われて試して納得いかなければ一瞬で辞めてしまいますし、その4人の思いが一つになった時、ぶつかった時にひとつの生き物というか、その生き物の本能のままに。ちょっとSCAPEGOATを置いて、離れてみたら掛け替えのない存在みたいな、空気とかと一緒で絶対必要なものですし。時代は変わっても変わらない。聴いてくれる人とかいろいろな人が関わってくれましたけど、ずっと永遠に残るわけじゃないんだとしたら、命そのものみたいなところですかね。
LAYHA:生っぽいっという感じがSCAPEGOATなんだろうなと思ってて、ライブしてるバンドとは全部生なんですけど、一個定番のフォーマットじゃないですけどヴィジュアル系のフォーマットがあったとしたら、それをする訳ではないと思ってて。だからこそ映像とか見たときにすごく人間くさいというか、そこが俺は好きなんすけど。コピーしてベースとしてみたいなバンドやライブが増えちゃったりとかして、どんどん薄くなってちゃうのがやだなとは思っていて。なんかライブのやり方というかお手本があるじゃないですか。バーンって煽って、なんか、それだけじゃないのがやっぱSCAPEGOATの良さというか、もちろんそういうのも全然やりますし、それもかっこいいことだとは思ってるんですけど、なんかそれだけじゃない生感というか。
H:血が通ってる感がありますもんね。
LAYHA:そうっすね。それにしましょう(笑)血が通ってる感じします。
H:いやいや僕が言ったんで(笑)
LAYHA:いやいや、それは無しにして(笑)
一同:(笑)
LAYHA:なんか無機質なものではない、ちゃんと人間が作ってるものなんだなっていう感じはしています。
H:そういう意味でもやはり「生と死」という言葉がしっくりきますね。
春:そうですね。ファンタジーでは無いので。想像上のものとかでもないので、そういう部分では生々しさとかはあると思いますよね。曲も生きてるというか、それはライブをやっきて感じましたし、周年でやった昔の曲も全然色あせない。ただ懐かしいだけじゃなくて、一気に血の巡りがよくなったという感じがする。冷凍保存してあったものを解凍した感じ、全然死んでないなみたいなっていうのはありますね。
H:12月1日のツアーファイナルまでのツアーはどのようなものになりますでしょうか。またそれまでのSCAPEGOATの活動について聞かせてください。
春:ラストツアーは、俺らが12年通ってきた場所とか行ったことある場所とかをチョイスして、残念ながらコロナで営業できないという場所とかもあって、行きたっかたけど行けなかった場所もあったんですけど、なるべく多くの今まで出会った人に会いたいなと。でも今年1年終わりに向かっていくという感覚ではなくて、いい意味で変わらないSCAPEGOATでいたいなみたいなのはありますね。ただワンマンツアーが年末にあって、ファイナルがEASTでありますっていう気持ちではいます。そこで終わりますというよりは、リリースもしようと思ってますし、まだ言えてないライブとか結構あるんですよ。自主企画とか、イベントも誘われる機会も多分結構増えるっていうのもあるんで、できる限りライブは多くやりたいですね。もちろんインストアとかもやろうかなとは思ってるんで、直接そうやってコミュニケーションとる機会も増えると思いますし。今、発表後なんで落ち込んでる方も沢山いると思うんですけど、一緒に気持ちを回復させてっていうか、なんか本当に解散すると思えないねっていう感じの活動をしていこうと思います。なので変に気負いせずに今までどおりの僕らでいたいとは思いますね。
H:最後に読者の皆様に一言ずつお願いします。
LAYHA:あと半年ぐらいなんで、その間に会える時間っていうのを出来る限り増やして言いたいこととか、今じゃないとできないライブがあると思うので、そういうのを見てもらえたら嬉しいですし、EASTでワンマンでやったことないので、何よりいいものにしたいなと思っています。出来る限り僕たちがやってきたことをみんなに届けられたらいいなって思いますし、感謝の気持ちがすごくあるので、それを一つ一つ伝えていけたらと思っています。
Sayula:解散発表はされましたけど、今までやってきたこと、バンド的にもその区切りがついてしまうということ自体が初めてで、でもこれから4人のSCAPEGOATがどうなっていくのか、多分みんなが想像するよりも、もっともっとかっこよくなる確信があるんですよ。本能じゃないですけど、踠いてきた分、最後に凄い踠きをするんじゃないかなと。なんか動物とかが殺される時に凄く暴れるじゃないですけど、本当に燃え尽きるその時まですごくかっこよくなるんだろうなって思ってますし、個人的にもやっぱりやるからには今終わりじゃないんで、高みを目指してより良いものを作って、それを見せれたらいいなと思います。一日でも多く会いに来てほしいなって思いますね。
U:発表はあったんですけど、本当に一年目の活動ぐらいライブ月間みたいなのがこれから続くと思うんで、会えるタイミングは多いと思うんで一人でも多くの人に出来る限り最後まで見届けてほしいなと思います。自分の願いではあるんですけど、コロナ前みたいなライブがやっぱり今でも恋しいので、少しでも早く緩和してくれたら嬉しいって思います。
春:fiveStarsありきで名古屋は盛り上がってると思ってるんで、有り難いなっていうのは凄くあって、今まで名古屋苦手意識が一番最初の頃とかあったのが、やっぱり今では名古屋欠かせないですし、地方でファイナルを名古屋E.L.Lでやるってなったのも、それ”ありき”だったのかなっていうのがあって、こういう誌面でもやってもらえたのが嬉しかったです。発表してからいろいろ考えたし、Twitterにも書いたんですけど、やっぱり当たり前じゃない。事前に実は”解散するんだよね”とか”脱退するんだよね”っていうのを今まで12年ずっと自分が聞いてきて、何があるかわかんないなとか感じてきたことが自分に降りかかった時に、本当だったら例えば何も言わずに「昨日で解散です」みたいのが、本来の自分たちでやってきたものなのかなっていうのが本当はあって。でもそうじゃなくて、一人でも多くの人に来てもらいたいっていうのが1番だろっていうことで、事前に発表させてもらって。そのずっと「当たり前じゃない」って言ってきたのに「確実にここまでは生きていれる」ことが約束されたんで。そこまでは絶対死なないわけじゃないですか、そういうことを考えると不思議だなと。それこそ何があるかわからんなと。自分がいつ死ぬかわからないですけど、もし明日とか1年後ってなった時にどういう生き方で生きるかっていうことを考えた時に、いつも通りでいたいなって思うだろなって自分では思うんですよ。だから変に例えばバカンスしようとか、遊びほうけたりとかそういうわけでなく、いつも通りライブをして”今日良かったね”とか、音源作ってイベントでファンと触れ合って、そういう日常っていうのを全うしたいなというのが一番にあります。勿論、そのことに重きを置くんですけど、変わらず残されたものを全うして生きていきたいなと。勿論、落ち込むとは思うんですけど、変に落ち込むよりは一緒に同じ時間を、楽しめる時間を共有して、いいライブをして残るものがあればいいなと思っているので安心してライブに遊びに来て欲しいなと思います。そうすれば変わらないSCAPEGOATがいます。これからのSCAPEGOATに期待して欲しいですね。
interview T.HOTTA(fiveStars)
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