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全国20箇所、21公演となるワンマンツアー「Black Jack」真っ只中のAshmaze. この情勢の中で敢行した初のワンマンツアー初日となる京都公演前夜に聞いた、ワンマンツアー・そしてツアーファイナルO-WEST公演への思い

☆ 2019年10月に始動されて今回のワンマンツアーファイナル公演で2年を迎えられるAshmaze.ですが、あらためてAshmaze.が皆さんにとってどんなバンドなのかをお伺いできればと思います。
双真 僕は元々悩みやすい性格なので、そういった答えのない悩みというか、迷宮のような悩みを僕と同じように持っている人たちの糸口や助けになれるようなバンドになりたい、というのがコンセプトです。Ashmaze.っていうのは”灰色の迷宮”って意味なんですけど、その迷宮の出口を見つけられるようなバンド、というコンセプトですね。
☆ 今、始動から約1年半ぐらい経って、そのようなバンドになれている実感はありますか。
双真 コンセプトには沿えているんじゃないかと思います。100%自分たちが思った形に出来ているかと言ったらそうでもないかもしれないですけど。
諒 常に悩んでますね。
双真 悩みつつ、ちゃんと1歩ずつ、少しずつ進めてるんじゃないかな。知っての通り、2020年コロナ禍で大半のスケジュールが潰れてしまって。他のバンドさんもそうだと思いますけど、僕らも1回止まってしまって。目標を立てたりモチベーションを保つのが難しい時期もあったんですけど、ようやく先月ファーストワンマンをやってバンドとしてのスタートラインに立てたかなと感じてます。
☆ 双真さん自身が、Ashmaze.がAshmaze.であるために心がけてることはありますか。
双真 普段、結構気を遣っちゃうタイプなんですけど、ライブではあまり気を遣わないようするってことですかね。”そんなにクヨクヨするなよ”と僕自身に言い聞かせてるようなものなんですよね。
”こうだったら悩まないぞ”って、自分自身が欲しているものを出し切ることを心掛けています。
☆ 他の皆さんが、Ashmaze.がAshmaze.でいるために心がけていることはありますか。
諒    僕個人的にはAshmaze.の諒でいることを無理して演じないというのは常に心がけてますね。あくまで自然体でいて、ファンの皆とも自然体で触れ合えるよう、無理して格好つけないというのは心がけています。
S1TK めっちゃ言いたいこと言われちゃった感じです。バリバリの自分を演じないってことかな。一緒でした。笑
詩結 さっき”灰色の迷宮”って言葉が出たと思うんですけど、灰色って言葉には”正解のないもの”という意味もあって。元々このバンドのメンバーは音楽性を含め全然好みの違う人たちが集まっているので、共通の正解やお手本を目指して…というよりは、この5人でどんなことが出来るのか?ってことをそれぞれのやり方で一緒に探している感じというか。志さえ同じであれば音楽性やアプローチの仕方は違ってもいいし、楽曲のアレンジひとつとっても”このバンドはこうじゃなきゃダメだから”みたいにはしないようにしていますね。
双真 あくまで個性を活かすというか、”ありのままに”って諒も言っていたんですけど。このバンドはアクが強い人間が集まっていると思うんですよね。正直言えばぶつかることもありますけど、お互い個性を尊重して、それも楽曲や表現に反映されているので。曲ごとに使っているギターやベースの音色も全く違ったりね。
Яyu 意識していることと言ったら、輝き続けることですね。自分たちがライブをやらない時期があって、ファンもライブ行くことが罪みたいな時期もあって…それでも日頃の仕事のストレスの発散だったり、非現実的なものって見たいじゃないですか。コロナ禍でライブに行けなくなってるとなると、その苦悩を僕たちが作っちゃってるような感じになっちゃってたんで…僕たちは本当に輝き続ける存在でいたいと思ってますね。
双真 そうだね。俺らが苦悩の根源だったらやべぇからな。
詩結 あくまで苦悩の出口を見つけるきっかけでありたいっていうのがコンセプトですからね。


☆ 大切なファーストワンマンが1度中止になり、先日やっと開催することが出来たりと、色々悔しい思いもされたと思いますが、皆さんはこのコロナ禍の1年をどのように過ごされていましたか。
双真 言い方が適切かわからないですけど、逆に前向きにならなきゃと。出来ないことが多い状況をマイナスに捉えることはすごく簡単ですけど、むしろこの状況で何が出来るのかっていうのを考えていました。逆境の時こそ前向きに物事を考えられる人の方がかっこいいと思うんで、曲を作ったり勉強しながら過ごしてました。この状況は絶対いつか終わるから、今できることをやっとかなきゃって。後々になって、ただ愚痴をボヤいてるだけだったなというふうに思いたくないし、あくまでもプラスに物事を見てました。自分はあまり曲とかは作れなかったんですけど、その間にそういった勉強をしたりとか、アコギの弾き語りを家でしてたりとか、それなりに自分の過ごし方を見つけましたね。
Яyu 正直言うとコロナ禍に入って1年の半分ぐらいは落ち込んでましたね。もう半分は、これは逆にチャンスかなと思って自身のスキルアップだったり、他のバンドがやってないことを企画してみたりとか、バンドで相談しながらやりましたね。
☆ YouTubeチャンネルではプレイスルーなどの動画もあげられていましたね。Ashmaze.らしい企画だなと思いました。
Яyu そうですね。自分達の技術に自信がないとなかなか出来ないですよね。Ashmaze.の曲の中でも難しいフレーズとか、ただの見た目だけのバンドじゃなくて、演奏もしっかりしてるんだよっていうことを見せたかったっていう意図があって。他のバンドさんは分からないですけど、うちのバンドって結構細かいんですよね。フレーズとか見てて面白い部分をやっぱり全面的に出していかないとって。
詩結 むしろそうやって個々に掘り下げないと、サラッと聴いただけじゃ分かんないよなっていうのもありますね。めちゃくちゃやってるんで。笑
双真 僕もひとつ思い出しました。ライブの照明の要望をめちゃくちゃ細かく書くようになったんですよ。先輩のライブを観て照明めちゃめちゃかっこいいな、と。前まであまり気にしなかったんですけど、演出って大事じゃないですか。だからこの1年間いろいろな人に話を聞いて、細かく要望を書くようになりましたね。もう細かすぎて無理だなってくらい書いた。笑
一同 
詩結 ワンマンライブで乗り込みでやってくれる照明さんは頑張って合わせてくれるけど、イベントでその日限りの人だと”こんなん無理だ”って。笑
双真 前向きに色々勉強しながらやってますね。笑
詩結 ライブが最初に中止になったのは去年の3月で、最初のミニアルバムに続く2作目の音源となるシングルを発表したのが2月半ばだったんですよね。衣装も変わって、これから展開していこうってところで、それが全部頓挫してしまって。いつ再開できるのかも分からないし…しばらく時間が経てば、ライブをどうするのかとか、その他諸々の対応もちょっとずつ勝手を掴んできたり、世の中的にも大体こういう対応だよねって流れが出来てくるんですけど、最初は本当に何も分からない、正解も分からないところで一人一人自分の頭で考えながらだったんで、例えば「ライブを中止した方がいいんじゃない?」とか「やった方がいいと思う」みたいなこともメンバーそれぞれで全然意見が合わなかった。
諒 食い違い多かったね。
詩結 意見が合わないやりとりをメンバー同士直接会わずにやってるんで、最初はなかなか足並みが揃わなくて。本当にイレギュラーな状況だったので、変な話、このまま直接会わなくなって、リリースの見通しも立たないから曲も作らなくなってライブもやらない…ってなったらバンドが自然消滅、とかも有り得ない話ではないなっていう。そういう最悪のパターンに絶対にしないよう生命線をなんとか繋いでいこうと。今となっては素直に言えますけど、曲を作ろうにもライブをイメージ出来ないので、モチベーション的にも実際は相当キツかったし、苦しかったですけど、とにかくやれることをやってバンドの生命線を繋いでいかなきゃいけなかった。だけど当時はファンに対するSNS等での発信については”俺ら全然大丈夫だよ”っていう感じでいこう、ってことは心がけてました。
双真 その時期に作った楽曲があって、それが「GENOM」に収録されている「時代」って曲なんですけど、イントロが結構特徴的なんです。
詩結 あれはね。本当に直接顔を合わせずパソコンに向かってずっと黙々と作ってたんで、難しくなりすぎて引きこもりの音楽みたいになっちゃったんですけど。顔を合わせて一緒に音を出すこともなく、完全に妄想の世界で作ってるんで…。笑
あとは…他所は他所ですけど、その時はいろいろなジャンルのアーティストがSNSで不満を垂れ流してる姿を見たりもして。夢もへったくれもないなって。苦しいのはわかるんだけど、それは見ている人たちもみんな同じだったと思うし。夢を見させる立場の人間がすべきことってなんだろうって考えて。ライブができなくてキツイとか、損失云々って、僕らにとってはライフワークっていう意味でも凄く重要なことではあるんですけど、見ている人たちにとっては、エンタメはあくまでその人の人生をより楽しく生きていくためのもので、ちょっとした希望になってくれたり、心の支えになってくれたりするのがアーティストだろうと。アーティスト側が「お前らが助けてくれないと俺らやってけないよ」みたいことを言うのはイヤだなってのはありました。なのであくまで前向きな発信をしつつ、尚且つバンドがちゃんと生き続けてるってことを証明するには楽曲を届け続けるっていうのが大前提なので、実際に集まってMVを撮ることはまだできなかったんですが、リリックビデオという形で「時代」を出してみようと。それから翌月も続けてまた別の曲のリリックビデオを出したんですけど。
S1TK この負の空気の中で、何かをやらないといけないっていう気持ちで過ごしてたんですけど、続けることが一番難しいと思うんです。これは自分に言い聞かせてる節もあるんですけど、曲作りだったりとか、1日1日積み重ねていくことでやっと形になっていくと思うんですよね。1日って24時間しかないし、その中でどう過ごしてくかとか、なんか色々考えさせられました。
諒 コロナ禍に入った瞬間はとにかく不安でしたね。2ヶ月とか3ヶ月先も読めないし、どうなってくのか分からない。もちろん人にも会えないし、どんどん仕事がなくなっていく人も多いじゃないですか。僕たちもいつどうなるか分からないってとにかく不安でした。もうずっとライブできねぇんじゃねぇかって考えたりもしたけど、強がってでも前向いて、絶対またステージでギターをかき鳴らすっていう気持ちだけで立ち続けてました。この1年はファンのみんなにすごく救われたし、こうやってバンドが続けられるのも本当にファンの子達のおかげだと思ってるし、今までもずっとファンには感謝してるんですけど、特にすごくありがたいなって感じた1年でしたね。
詩結 よりリアルに実感したよね、肌で感じたというか。
諒 そうだね。本当にみんなのおかげですね。


☆ ライブもそうですが、直接ファンの方と接触することが難しい期間だったと思うんですけど、その間はどのようにファンとのコミュニケーションをとられてたのでしょう。
詩結 生配信ですね。
諒 うん、トーク配信だったり結構挑戦して。
詩結 バンドでも個人でもね。
諒 元気だよ!っていう姿を見せるように頑張ってます。
詩結 最初にライブが中止になっちゃった時、代わりにやった配信はiPhoneのカメラ一発で全体を写して…って感じだったんですけど、だんだん機材も増やして、大分ハイビジョンでお送りできるようになりました。笑
双真 今、カメラ3台あるんだよね。僕もS1TKもカメラを始めて。元々Яyuもやってて、僕もそれに釣られてカメラを買って。笑
詩結 高画質でアングルを切り替えながらね。笑
☆ 配信のクオリティもどんどん上がってきたという事で、カメラに興味を持たれたり、この期間でそういった新しいバンドとしての活動や例えばバンドとか音楽に対しての考え方だったり変化したことはありますか。
S1TK 今まで勢いでいけてたものが無理になってきて、自分たちだったりお客さんだったり、周りのことだったり色々と考えて行動しないとなって。例えば、今もこの状況でライブを月10本くらいやるみたいなことも出来ないんで、考えた上で何を組むかとか、何を出すかとか、どういう形でお客さんに還元するかとか、より深掘りして考えないといけないなって感じてます。よりお客さんのありがたみも分かるようになったんで、もっと色々還元出来たらいいなと思ってます。
双真 改めて自分を見つめ直す時間だったのかなと思っていて。ライブ映像を見たりとか、メンバーにボーカルとしての僕を客観的に見てもらって、どうしたらもっと良いのかを聞いたり、具体的に「こうした方が良いんじゃない?」って。僕、スポンジみたいな感じなんで、色々な意見を吸収して、それを取り入れた結果、自分の中でまとめて表現するのが一番正しいやり方だと思うので、いろいろな意見を聞くようにしてるんです。映像を一緒に見て「ここのお前かっこいい」とか「ここちょっとダサい」とか、自分自身を見つめ直しながら、人の意見をより聞くようになったかなって思いますね。あとは衣装の小物とかを作ったりするのが結構好きで、S1TKの装備品というか、前作「GENOM」の時に口に付けてるゴチャゴチャとか僕が作ってるんです。手作りで。
Яyu 今回のアー写の王冠も作ったよね。
双真 そう。自分の王冠も作りましたし、あまり目立ってないですけど手にリングみたいなのも付けてるんですよ。あれも自分で作ったんですけど、改めて自分が得意なことを発掘できたのかなって思いますね。
☆ 双真さんは個人的な印象ですけど、なんかいい意味でこれからの伸びしろが楽しみですね。これからがますます楽しみですし、どんどん成長していくんだろうなって思います。Яyuさんはいかがですか。
Яyu そうですね、前と違うのはビニールシートだったり声出しができないことだったり、モッシュができないことだったり、いろいろとライブに制限があったので、ライブひとつひとつお客さんに盛り上げさせるというよりは、自分たちの実力で盛り上げさせないとなっていう意識はやっぱりめちゃくちゃ最近感じてますね。マスクでお客さんの表情とかも見えないんで、フロアの空気に左右されずにこちらから雰囲気を作っていかないと負けちゃうっていうのはすごく感じてます。
諒   声出しもモッシュもNGってなると、どう楽しめば良いかって今はファンの子達も多分まだ何が正解か分からないと思うんですよ。なので色々挑戦してダメだったら別の方法を考えてみようって感じでやり方を模索するというか、自分たちの見せ方とかも色々考え直したりして、今まで通りで良いところと、今まで通りじゃダメなところはどこなんだろうってことをすごく考えるようにはなりましたね。
双真 ここで照明の話に繋がってくるんですよ。笑
諒 照明の話はもういいよ。笑
詩結 ここまでみんな言ってきたことに通じるんですけど、やっぱりライブのやり方にしても、活動の仕方にしても、勢いだけで突っ走ることができなくなったんで。バンドマンって世の中のことなんて考えない人も多かったと思うんですけど、誰もが向き合わざるを得なくなったし。世の中の動向にもアンテナを張りながら、こういう形ならやれるんじゃないかとか、しっかり考えてスケジュールも組まないと、勢いだけで”よし、やっちゃおうぜ!”っていうのも違うんで。ライブのやり方も、今までのヴィジュアルシーンのライブってバンド側も勢い重視でガンガン煽って、あとはフロアのお客さんが盛り上げてくれるって感じが強かったと思うんですけど、今はバンド側がしっかり聴かせて魅せることの重要性が増しているなって。
それともちろんバンドにとってライブが重要であることには変わりないですけど、以前ほどライブが全てっていうわけでもなくなってきたのかなというか。去年よりはライブもやれるようになったし、ライブに行ってもいいんだって空気感も少しずつ出てきたけど、それでもまだまだ来たくても来られない人も沢山いるし…今まで以上に、もっと広い層に伝える手段、それこそ配信だったり、映像化だったりとか…いろいろな伝え方を見つけて実践していくのが大事なのかなって感じますね。

☆ 本日は明日の京都公演から始まるワンマンツアー前日に収録させていただいてます。いよいよ明日から20箇所21本のワンマンツアー「Black Jack」が始まります。「Black Jack」というタイトルがついていますが。
双真 ツアーをやるにあたってコンセプトを作りたいなと思って。トランプカードゲームのBlackJackは21がもっとも強い数字なので、それがモチーフになってます。元々2021年を飛躍の年にしたいなと思っていて、2020年の活動が潰れてしまった悔しい思いも溜まってたので、今年こそは良い年にしよう、2021年は俺たちにとって最高の年だって言えるようにとこのタイトルをつけました。
☆ ツアーファイナルが10月ということで、それまでの公演も全て週末や祝日を選ばれて、先ほど”ライブを詰め込みすぎても”っていうお話されていましたが、ワンマンツアーとしては長いスパンでのツアーですね。
詩結 結構ゆったりですね。
Яyu 今、ライブハウスの営業が20時までとかじゃないですか。そういうことも考えてなるべく休日の方が学生さんだったり仕事をされてる方が来やすいなと思い、土日祝に絞りましたね。長めにはなるんですけど、やっぱり平日とか混ぜて組んじゃうと来られない方が多いのではっていうのは考えました。19時台で終わらせて、物販ちょっとやってお客さん出さないといけないんで大変なんですよ。笑
双真 大変なんです。笑
一同 
詩結 ツアーって言っても、出ずっぱりで回るっていうより土日にやって東京に戻ってって感じで。
Яyu 様子見ながらだね。
双真 去年ツアーがあまり出来なかったので、地方の人に知ってもらう機会ってなかなか作れなかったよねって。
Яyu 年末はちょっと要請が解除されて都内ではやってたんですけど、地方の人たちはどうしても情勢的に都内に来られないので、俺たちから会いにいかないとなって。だから普通ファーストワンマンツアーって東名阪くらいしかやらないと思うんですけど、いろいろなところに会いに行ってみたいし、積極的に回りたいなって。
☆ この時期にその20箇所のワンマンツアーをやるっていうのはかなり葛藤もあったのではないでしょうか。
双真 正直攻めてますよね。笑
諒 僕も初めて聞いた時、バカかと思いましたもん。笑
一同 
諒 “やりたい!”って言われて、”嘘でしょ!?”って。でも、走りだしたらやるしかない。
☆ 発信はどなたから。
諒 Яyuでしたね。
Яyu メンバーに投げて。
双真 本数は、”Black Jack”の案が出て21本にしようって。
詩結 ”嘘だろ!?”ってなりつつも、”どうしたらやれるのか”をみんなで考えようって方向にすぐいったかな。
諒 そうだね。会いに行きたいって気持ちはみんな一緒なので。
Яyu 当然、不安はある。
諒 だけど、やってみようと。
Яyu バンドのパワーアップにも繋がるし。
双真 なんなら個人的な話ですけど、ワンマンツアー自体が生まれて初めての経験なんですよ。東京でしかワンマンライブってやったことなくて、地方でのワンマンライブで自分たちだけを見てもらうっていう経験がすごくワクワクですね。地域によって空気だったりとか、その特色って多分違うと思うので、ワクワクしながら回らせていただきますね。
☆ S1TKさんはワンマンツアーにどんな思いを。
S1TK 言いたいことは言ってくれた感じなんで、いろいろ気をつけながら頑張るぞって感じです。
一同 
☆ 詩結さんはいかがですか。
詩結 去年ライブに来られなかった人たちにも今の僕らを観てみて欲しいっていうのもあるし、僕ら自身始動半年ぐらいでライブができなくなっちゃったんで、やっぱりバンドとして場数を踏んでのパワーアップって必要じゃないですか。去年できなかった分を取り返して、さらに進化しつつ、あとはツアーファイナルO-WESTですね。本当は去年、ちょうど一周年となる10月25日にO-WESTワンマンをやる予定で押さえてたんですけど、発表に至る前にバラシになっちゃったんで。一年目の僕らみたいな自主バンドが日曜のWESTでやらせてもらえること自体すごく恵まれてたんで、それができなかったっていう悔しさもあったし、ただでさえ苦しかった時期に日曜のWESTをキャンセルするっていうのはバンド運営的なリアルな部分でも結構痛手だったんで…リベンジです。
双真 そうだね、痛恨の一撃でしたもん。いろいろな思いを抱えてWESTをやらせていただくんですけど、今回のツアーで一皮むけたいなと。普段だったらこういうセトリ組まないだろうとか、色々チャレンジしたいですね。自分たち自身を磨く、そういうツアーになったらいいなと。
☆ Яyuさんどうですか。ご自身発信でワンマンツアーが開催できるわけですがどんな思いで挑まれますか。
Яyu やっぱりスキルアップですかね。あと個人的にはツアー中に曲を増やさきゃいけないっていうハードルがちょっと不安で。やっぱりまだ曲が少ないんですよ。その中で曲を作って次のリリースも考えていかなきゃいけないんで、なかなかハードになるかなって個人的に思いますね。
詩結 これからまだ音源に収録されてない曲とかもちょくちょくワンマンツアーの中で組み込んでいくかなっていうのも実はあったりするんですよ。
☆ それは楽しみですね。ワンマンツアー中に新曲が発表されることもあるわけですよね。
諒 僕個人的には久しぶりに見れる顔もあるのかなと思ったり、会いに来てほしいなって思いますね。僕、広島出身で。やっと広島にも帰れるし、西日本の方も行けるし、久しぶりでもいいし、初めてでもいいし、いろいろな顔が見れたらいいなってシンプルに思ってます。元気な顔見せてよって。


☆ 6月30日にシングル「渇き」が発売になります。すでにMVも解禁されていますが、歌詞も印象的で心に訴えるものがある素敵な曲だなと思いますが、どんな思いでこの歌詞を書かれましたか。
双真 イメージ的には今のこの状況が近いのかもしれないですね。先が見えない深い穴の底のイメージ。活路が見出せない状況ではどうしてもマイナスの方向に感情が向いてしまいがちですけど、それでも僕らはなんとか生にしがみついて、今も生きようとしてる。きっと今の状況を良くしたいという欲望があるからこそこうやって頑張れてるし、立っていられるんじゃないかなという気持ちがあって、そんな気持ちをモヤモヤしたまま歌詞に何回も書き直したりしたんですけど。今俺自身が立ててるのは、より良い自分になるために生きてるからなのかなって。ちょっと重い話なんですけど、自ら人生を終わらす選択をする人もいる中で、僕らがここに立てている理由、欲望というか…渇望に気づいてくださいっていう思いを歌詞にしてます。
詩結 アーティスト写真とか、MVとか、僕らの上に大きな丸いライトが付いてるんですけど、あれも僕らが穴の底にいるイメージで。深い穴の底にいて、周りも見えないし上手く身動きもとれない。そんな中で終わりを考えてしまうこともあるかもしれないけど、生き続ける為の理由は意外と近くにあって…ってことだよね。
双真 こんな状況でも生きてたい、よりよくしたいって気持ちは胸の奥底にあるんじゃないかって。それに気づいて欲しいって曲ですね。
☆ 作曲は諒さんですね。
諒 テーマとかは全部双真に任せるので、僕はとにかくメロがいい曲、サビがいい曲みたいな感じで作り始めるんですけど、今回もそんな感じで作ってて、明るい曲ではないですけど、切なくて綺麗で覚えやすいメロディーの楽曲ができたなとは思います。個人的には最後の大サビが、俺らっぽいなっていうか、俺っぽいなっていうのがお気に入りのポイントですね。
Яyu 「GENOM」に続いて、そうだよね。
諒 そうだね。でも僕は大元を作ったっていうだけで、このバンドは作ったものをみんなでぐちゃぐちゃにぼこぼこにしてどんどんいろいろな要素が入ってくるので。
詩結 よってたかって、ぼこぼこにするよね。
諒 そう。みんなで作っていくっていうスタイルなので面白いですよ。
S1TK やりたいことをやるって感じです。例えば人によっては”これ叩いてほしい”みたいな人もいるじゃないですか、でもこのバンドは結構自由にやらせてくれるんで、結構難しいフレーズを自分で入れたりして自分で自分を苦しめるみたいな。それで苦戦することもありますね。
詩結 合わせるとこは合わせてって感じでね。
S1TK そうそう。合わせるとこは合わせて、後はやりたい事をやるみたいな。基本サビはシンプルにしてボーカルの歌が目立てばいいかなって。その隙間を狙ってフレーズを入れていくみたいな感じになってます。
詩結 基本、僕は普段ディストーションサウンドでゴリゴリ弾くよりは、クリーントーンとかクランチ、エフェクティブなウワモノ系のプレイが多いんですけど、今回はディストーションサウンドのユニゾンが多いかな。まずイントロのリフは最初に諒が入れてきたものはもっとシンプルで、そこにまた別のクリーンのアルペジオフレーズを乗せてたんですけど、その後Яyuのアレンジで大分リフが複雑になったことと、この感じだったら僕もユニゾンで弾いた方がいいかなっていうのもあってああいうアプローチになってます。名残としてクリーンのフレーズはよりシンプルにしたものがリフ裏に入っていて、それも同時に鳴ってます。とくに自分らしさが出せたかなというポイントはCメロで、いつもの自分っぽくもありつつ、今までやってない方法にも挑戦しつつで、クリーントーンでタッピングアルペジオのフレーズを弾います。あとは前面に出てくるフレーズではないんですけど、ラストの大サビあたりで弾いてるアルペジオもお気に入りポイントです。
Яyu ただ激しいだけの曲っていっぱい存在すると思うんですけど、詩結の煌びやかで切ないフレーズをちゃんとバンドサウンドで出せるのってAshmaze.の強みかなって思うんですね。個人的には自分のルーツであるメタルコアの要素をイントロでアレンジできたのは個人的にすごく好きですし、あとはギターソロ裏のベースラインが意外と複雑で、結構難しい事をユニゾンにしてるんですよね。ライブでそこを見て欲しいなっていうのと、どこにも言ってない話なんですけど、この曲は激しいイントロやAメロの音と、サビのベースの音作りが全然違うんですよ。そこは結構こだわってて、基本的にベーシストって一曲まるまる音色変えないんです。でも激しい部分と切ない部分を分けたくて、激しい部分は結構歪んでて、サビはそこまで歪んでなくてメロディアスでグルーヴィな感じでベースラインを整えたっていうのは個人的にこだわってるポイントですね。
詩結 後すごい細かいところで、音源もそうだしライブ用の同期にも入れてあるんだけど、1小節だけЯyu が弾いたギターの音が入ってるんですよね。笑
Яyu あぁそうですね。イントロの話ですね。
詩結 1小節、6音だけ。笑
Яyu ちょうどイントロのベースのグリスダウンの裏で鳴ってるギターが、自分のアレンジしたデモのギターの音のまんま収録されています。笑
詩結 “これ、そのまま突っ込んじゃえばいいんじゃねぇ”ってなって。笑
Яyu   突然1人別のギターが現れるみたいな。笑

☆ 続いてカップリングの「ゆらり」の作詞作曲はS1TKさんになっていますね。
S1TK 今までの曲はすべて双真が作詞してたんですけど、”俺に書かせてくれ!”ってお願いして書きました。でも俺が歌うわけじゃないんで、双真に監修してもらって。
☆ Ashmaze.の新たな一面が出た曲になっていますね。
S1TK 自分の中で挑戦でもあった曲ですね。作詞も作曲もやってみたいって。この1年ライブが出来なかった時にいろいろ勉強してきたことがあったんで、その成果が出せたんじゃないかなって。もちろんこれからももっともっと頑張っていくんですけど、1年通して頑張ってきたことの集大成として出せた曲じゃないかなって思います。
双真 さっそくリハスタでも合わせてきたんですけど、個人的には結構歌ってて気持ちいいというか、さっき言っていただきましたけど新しい自分達を見せることが可能な曲だなって思いましたね。
S1TK こういうテンポ感の曲とか今までなかったもんね。
双真 ライブで組み込んだら結構面白い感じになるかなって思いましたね。

☆ これからAshmaze.というバンドがどこに向かっていくのか。どんな未来を描かれていますか。
双真 やっぱりバンドとしての中身がちゃんと育ってないと、これからはよりそういうものが見られる時代だと思うんです。このワンマンツアーで自分達自身のバンドとしての中身をしっかり育て上げたい。未来の夢とかそういうのではないんですけど、着実にバンドとして進んでいきたいなと思っていますね。
S1TK もちろんバンドとして大きくなっていったり、個々の頑張りだったりとかあるんですけど、まずは一致団結していきたいなって。それが未来に繋がっていくんじゃないかなって俺は思うんですよ。だから”メンバーを褒める”っていうのを最近心がけてますね。やっぱり言わないじゃないですか。思ってても、中々。人間関係もそうなんですけどずっと一緒にいたりすると嫌な部分が目立ってくると思うんですよ。それじゃあ良くないないなって常々思ってて、これからもメンバーをめっちゃ褒めていきたいと思います。
詩結 良いところっていつも一緒に居ると当たり前になってっちゃうからね。大事なことだよね。
S1TK そうそう。俺も褒めてくださいってことです。
詩結 髪色かっこいいね。
S1TK 雑。笑
一同 
諒 初のWESTワンマンですけどバンド的にはリベンジWESTみたいな気持ちが目標としてあるので、とにかくこのツアーをちゃんと確実に登っていって、より良いバンドになって、その集大成を出来るだけ多くの人に見てもらうっていうのが1番の目標ですね。そこから先はまぁちょっとまだ言えないんですけど、これからも常にワクワクをどんどん届けられたらなっていうのはあります。
詩結 ちゃんとバンドとして結果を出していきたいですね。やっぱりこれまでの期間、個人的には折れるわけにはいかない理由の1つとして”まだなにも結果を出してない”っていうのも大きかったんで。結果も出してないのにすぐ折れて簡単に”もうやらない”とかって格好悪いし、嫌なんで。まず目の前のワンマンツアー、WESTをちゃんと成功させて、次の目標に向かいたいなと。一個一個ちゃんと積み重ねていくことで、大きな目標を掲げても、”もしかしたらあのバンドだったらいけるかも”ってなっていくと思う。まだ何も成し遂げていない今の時点で具体的に口に出すと安っぽくなるんであんまり言いたくないんですけど、やっぱり誰もが知るような場所でワンマンライブを成功させられるような、そこに辿り着くまでは辞められないって思ってるので。
Яyu このワンマンツアーに絡む話なんですけど、ブランクがあるんですよね。ライブをしてなかった時期とか全くスタジオでリハーサルしてない時期があって、最初リハーサルをやった瞬間に全然合わなくて。このワンマンツアーでいろいろライブスキルを身につけて、それこそWESTでのリベンジ、その先へとバンド全員の一体感っていうのを磨き上げたいなっていうのは個人的にもあるし、バンド的な目標ではありますね。後はその先のことは諒も言った通り、僕達は結構サプライズを用意するんで、目を離さずにずっと追っていて欲しいですね。


☆ それでは最後にこれを読んでいる方にワンマンツアーに向けての意気込みとメッセージを頂いて締めたいなと思っております。
S1TK これからも頑張るから着いてこい!!
諒 本当に全国の皆さん、いろいろメッセージもいただいて、”初めて見に行きます”とか”久しぶりに見れます”とか、そういう人たちにも直接会って音を届けることができるということ自体が去年に比べたらすごくありがたいことで。今まで普通にできてた事って全然普通じゃなかったんだなっていうのは常に思ってるんですけど、それを更に感じたので、僕たちが出してる音を聴いて、何か感じとってくれたら嬉しいなと思っています。
詩結 各地で待っていてくれた人たちの期待を裏切らないということですかね。多分、これを見てる頃にはもう4公演くらい終わった後だと思うんですけど、きっとこれを読んでくれている方の近くにも行くと思うんで、その時はちょっと観に行ってみてもいいかも?って思ってくれたら有難いです。
Яyu いろいろな場所に行くんですけど、中々行ける場所じゃないと思うし、それこそワンマンっていう長い時間で、初めての人もいれば久しぶりの人もいると思いますが、是非Ashmaze.の世界観に浸ってほしいなって気持ちと、人生の大事な時間の使い道に僕らのライブを選んでもらえることに対してすごく感謝だなと。全公演、絶対に期待を裏切らないライブにするので待っててください。
双真 久々に見れる顔もあると思うので来てくれたらいいなと思ってます。その場所でしか聴けない、観られないライブになると思うので楽しんでください。あとこういう取材ってやっぱり興味を持ったバンドじゃなきゃ読まないじゃないですか、細かい文字とかって。だから”この文章を読んでくれてありがとうございます”っていう気持ちでいっぱいですね。興味を持ってくれてありがとう。その期待を裏切らないようなライブをするのでぜひツアーファイナルのO-WESTも来てね。


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