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4月15日(金):フィットネスクラブ・マネジメント技能検定 インターミディエイト第4章解説②

本日からは「フィットネスクラブマネジメント公式テキスト」の最新版「Vol3」のインターミディエイト(中級)、第4章「営業管理」についての解説に入ります。

この第4章は「販売管理」「商品・サービス管理」「収支管理」の3節による構成となり、まずは1節の販売管理からいきますが、テキストはフィットネスクラブにおける売上に関する項目から始まります。

具体的には入会金や月会費、会費外の物販売上やパーソナルトレーニングなどの有料プログラム売上などがそれに当たりますが、これらは項目の理解だけなのでテキストを見てもらえれば十分だと思います。

最初に解説が必要なポイントは、その後に営業目標の策定に関連した文脈で出てくる「在籍力」の部分でしょう。

まず営業目標としてクラブが設定すべきものが3つあり、それは在籍のポジション、収益のポジション、サービスのポジションです。

収益のポジションは収支管理の項目で、サービスのポジションは商品・サービス管理の項目で触れているから、販売管理の節では在籍のポジションについて言及する流れです。

では以下の実際のテキストの文面から見ていきましょう。

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■在籍力
まずは各クラブが営業目標として設定すべきものに在籍のポジションがある。

在籍のポジションを考えるうえで重要な観点が「在籍力」で、これはクラブの会員数動向の趨勢、戦略的な目標設定に必要となる。

具体的には「在籍力=月次の平均入会者数÷月次の平均退会率」の計算式によって算出することができる。

例えば「月次の平均入会者数」が90名、「月次の平均退会率」が3%のクラブであれば、3,000名というポジションになる。

仮に現状の会員数が2,500名であった場合は3,000名に向かって増え続けていくし、反対に現状が3,500名のクラブであったなら減少を続けて3,000名に向かって収斂をしていくことになる。

なぜなら、会員数が3,000名の時点で3%の退会率だと退会者数が90名となり、その時点で毎月の平均入会者数である90名と拮抗するためである。

そのため各クラブの支配人は単月の入会や退会、会員数の増減に一喜一憂するのではなく、目指すべき在籍のポジションを戦略的に設定し、そのなかで入会と退会をマネジメントしていくことが望ましい。

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ここでのポイントはテキスト内でも触れているように月次の結果だけを追うのではなく、先の計算式を用いながら自クラブの趨勢、ポジションを掴んでおくことがひとつです。

そのうえでこれを戦略的な目標として設定するのが重要になってきます。

例えばテキストの事例では「月次の平均入会者数」が90名、「月次の平均退会率」が3%で3,000名のポジションにあるクラブだと記しました。

これと同じく3,000名の会員数を目指すにしても道筋は複数あり、わかりやすい例なら入会60名、退会率2%でも同様に3,000名のポジションになります。

現状の自クラブの退会率の水準が低ければこうしたアプローチも考えられるし、もちろん意図して入会の側を増やすこともひとつの選択肢です。

なお、月次の平均入会力の設定はクラブの商圏、商品力、規模によって規定される面もある。そのため実現可能な最大の目標設定をするのが妥当であり、こちらは第3章のマーケティングを参照してほしいと思います。

また、現在のコロナ禍で一時的に会員数が減ってしまい、アフターコロナで在籍を戻していくプロセスでは、あえて広告宣伝を強化して月次入会力を高く設定するのが妥当でしょう。

90名の3%、60名の2%、どちらも同じく会員数3,000名のポジションではあるものの、仮に現状が2,700名であったなら、そこからの改善のスピードは前者のほうが早くなるからです。

それにより、累計での収支で見れば前者の改善幅のほうが大きくなってきます。

このようにクラブの置かれた状況、現状の退会率の水準や商圏に基づく入会力、目指すべき収益の改善幅とそこへ到達するまでの期間、それらを考慮して在籍力を設定するのが、前述した「戦略的に」と表現した意味合いです。

クラブのリーダーはここを組み立てて明確にし、理路整然と説明できるようにしておくと良いでしょう。


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