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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論590」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「メディカルフィットネス」7~※名称等は当時、一部文章省略

CASE5「ルネサンス」

株式会社ルネサンスは現在全国に合計74店を展開している。
「現在30兆円にのぼる日本の医療費を減らすことはできないものの、その伸びを抑える」ことを目標に2004年からメディカルフィットネスに本格的に取り組み始めた。
目標が「医療費の伸びを抑える」という大きなものであることから、その内容も、フィットネスクラブとドクターの関係づくりに止まらず、健保組合や健診団体、介護団体、地方自治体などとの繋がりも視野に入れた構想となっている。

ドクターをサポートするツールと仕組み

同システムはドクターのコンピュータに搭載して利用するもので、ドクターが医科学チェックの結果を入力するだけで、医学的に見てその人にとって適切な運動の量や強度、種類等が自動的に計算、出力され、その基礎データを基にして、会員もしくはクリニックの患者一人ひとりにあった運動処方が行えるようになっている。
運動処方の根拠となるデータベースはアメリカ医学会(ACSM)のデータを基盤に、Kドクターが日本の環境などを加味してカスタマイズしたものである。
通常、ドクターは血液検査や心電図などの健診を行い、「療養計画書」「運動処方指示箋」を作成すれば、運動指導料を得ることもできるが、実際は、冒頭にも書いた通り、ドクターの多くが運動処方に関する知識を深める時間が持てなかったり、その結果、処方がいい加減になったり、処方に自信が持てなかったりなどで、多くのドクターが運動に関する書類を書くことに二の足を踏んでいる。
そこで、まずこの部分を自動化して信頼できる運動処方箋が簡単に作成できるようにした。
またさらに、ドクターの考えがそれぞれ違うことに配慮し、各ドクターが自身の所見が簡単に加えられるようにも作られている。

ドクターが運動処方を作成してくれれば、具体的な運動プログラムに落とし込むのはフィットネスクラブの得意とするところである。
このツールがあることで、クラブもメンバーの医科学健診をドクターに任せやすくなり、メンバーにもより信頼性の高い医科学検査を踏まえた上での運動が処方できることになる。

~ここまで~

ドクターが運動処方しやすい仕組みを作ることで、フィットネスクラブ側の需要も増えるという考えはとても良いと感じます。
あとはそのことによって、医師側が収益上もメリットが得られれば、全国的な流れに繋がった可能性もあったなと思いました。
ただ、ここが難しいところで、医療費を減らしたいと言いながらも、実際は診療や投薬で医療収益を上げるという構造が残ってしまっているため、そこにインセンティブが働かないという点が残念でなりません。
やはり、この点は行政手腕が必要な範疇ということでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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