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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論341」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第5号(2003.3.25発行)「激動の2002年ー業界再編と中堅企業の台頭」~※名称等は当時、一部文章省略

2002年の出退店動向を分析してみたところ、前年に引き続きその激動ぶりが浮かび上がった。

クラブ経営企業による継承施設数がおよそ100軒程あった。

また閉鎖撤退施設数が10軒を超える一方、53軒の新規出店があった。

いずれも直近の5年間では最高値である。

業界再編進行の軌跡を見てみることにした。

進む業界再編

ディックルネサンスとキッコーマン事業開発、コナミスポーツとコナミオリンピックスポーツクラブなど、クラブ経営企業同士による合併・肩代わり等が多くなり、総継承施設数は98軒と3桁に迫った。

これらは各親会社が関連分門を清算し進退を明確にすることを迫ったわけだ。

退く企業は他社に経営されるか、閉鎖撤退するのかのいずれかしか道はない。

いずれにしても元々のクラブ経営会社自体はなくなることになる。

進む企業は自立化することになり既存店を立て直しながら出店していくことになる。

その中で努力してもどうにもできない不採算店については、撤退することになる。

また親会社に対してより明確な説明責任が求められることになる。

新規出店数が増加

閉鎖徹底施設が12軒と増えたが、新規出店数も53軒と増えた。

この53軒に4軒の移転新設と2軒の業態転換を含めると、2002年は59軒が新しいクラブとしてオープンしたことになる。

多い首都圏への出店

53軒の新規出店施設をエリア別に見ると、首都圏が過半数を占める。

とりわけ2002年は東京都と埼玉県への出店数が多かった。

頭抜けたコナミスポーツの出店数

例年出店数の多い大手4社だが、コナミスポーツを除く3社は各々1軒づつの新規出店にとどまった。

コナミスポーツだけが14軒の新規出店(4軒の移転新設を含む)を行った。

光る中堅企業の台頭数

中堅企業が元気に新規出店していることは光明といえる。

オージースポーツ、ザ・ビッグスポーツ、メガロス、文教センター(アスリエ)、キッツウェルネス、エスフォルタ、スィンク(ゴールドジム)などに勢いがある。

これら各社は2003年以降もこの勢いを保ち、コンスタントに出店してくるものと思われる。

~ここまで~

ITバブル崩壊以降の不景気と重なるように20年前も業界再編は起こりました。

ただこの記事で、その中身は大きく違っていることが分かります。

当時は、現在の業界大手が合併等により店舗数を増やしていったことや新規出店数が増えたというものの50軒程度であるといった状況が見てとれます。

一方現在は、ここでは出てこない新興企業による24Hジムの新規出店が顕著であり、コロナ禍でも年間200軒を超えている(多い年は500軒以上)状況で、記事で出ている企業はどちらかというと守勢を強いられていると言えます。

しかも紹介されているキッツウェルネスは既にダンロップスポーツに売却されていますし、大阪ガスが親会社のオージースポーツ(主クラブ名:コスパ)は、まさに売却を発表したところですのでプレーヤー様変わりといった様相です。

つまり、他の業界に比べてスピード感がないと言われつつも、じわじわとその変化は生じていると考えた方が良いでしょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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