「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論238」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第36号(2001.9.25発行)「業界再編期のクラブ経営」1~※名称等は当時、一部文章省略
パネリスト
斎藤敏一氏(株式会社ディックルネサンス代表取締役社長)
白井省三氏(株式会社ティップネス代表取締役社長)
中島良一氏(株式会社フィットネスマネジメント代表取締役社長)
1.業界の現状
司会:各社毎に激動の2000年、2001年を簡単に振り返っていただけますか。
白井:私は皆さんがご関心のある「合併」について話しましょう。
今年の4月1日付けでティップネスとレヴァンは事業統合しました。
(株式交換方式の統合で)株主はサントリーと丸紅、社名はティップネスということになりました。
合併に至った背景としては、まず株主会社2社と事業会社2社の4社に共通の認識があったことが挙げられます。
健康分野は成長分野であること。
そして両事業会社はともに収益力のある会社で、それぞれ積極的に出店していこうと考えていたことなどです。
ただこの先、両社が単独で事業を展開していったとして、どれだけ業界の中でインパクトを持てるのか、あるいはどういうポジションを取れるのかということを考えた時に、業界のトップランナーはかなり速いスピードで走っていて(単独ではとても)追いつけそうもないと感じていました。
ではどうしたらいいのかと考えた時に、「より大きいパワーを持つためには事業統合という選択肢もある得る」という認識が何より両社に共通してあったわけです。
それから両社の店舗網がほとんどバッティングしないということもありました。
合併することでクローズする店が出ないということはいいことです。
合併してから私はレヴァンの全ての店をそれぞれ2回ほど利用していますが、ティップネスとは違ったいい点が見出せ、「ああ、こういういいやり方もあったのか」と結構、感心しました。
そういう意味では、それぞれのクラブのいいところを活かせるな、と感じています。
今は文字通り、事業統合の最中ですが、正直なところ一緒になって思ったのは、外から見ていた時よりずっとレヴァンという会社、クラブはいいなということです。
私は今回の件はとても良かったと思っています。
~ここまで~
現況、パンデミック下で混迷しているフィットネス業界ですが、2000年前後も同様に激動の再編期が訪れていました。
従って、当時、気鋭の経営者が考えていたことを知ることは、自社を見つめる上で、一つの参考になると思われます。
現在も会長として活躍されている斎藤氏、以前も触れた、その後、サントリー本体に戻り、業界出身者で最も出世したと言える白井氏、そして業界のスタンダードを確立した中嶋氏とまさに豪華なパネリストだったと感じます。
ちなみにティップネスとレヴァンの合併は、はたから見た印象ですが、これまでで最もグッドマリアージュだったと評価しております。
残念ながら、この業界での合併は、どちらか一方の吸収という側面が強く、相乗効果が発揮されたことが少なかったと言えるからです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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