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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論328」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第3号(2002.11.25発行)「温泉・温浴」2~※名称等は当時、一部文章省略

2つ目に会員定着面でのメリットがある。

例えば、従来冬場はフィットネスクラブの利用率が下がりがちで、クラブから足が遠のくことで退会に繋がるケースが多いが、温泉や温浴施設を付帯することで、冬場でも利用率を一定に保つことができ、退会を抑えることができることになる。

また、一般的にメンバーが定着する要因のひとつに「成果が得られること」があるが、温泉や温浴施設を付帯することで、「肌がつるつるになる」「身体が温まる」「冷え性が改善される」といった効果が運動以外でも得られることになり、こうしたこともクラブを継続する動機になる。

身体が疲れている時にもクラブに行きたいと思えるアイテムがあることも、定着にはプラスになっているに違いない。

事実、温泉・温浴施設を付帯するクラブでは、風呂のみを利用しにくるメンバーも多いという。

3つ目には競合クラブに対して差別化したり、競合優位性が保てるということがある。

フィットネス関連設備やプログラムで、競合クラブと明らかな差別化を図ることは現状難しいが、温泉や温浴施設を付帯していることで、明らかな差別化が可能となる。

効能が唄える天然温泉や準天然温泉は特に高い優位性を持つことができる。

競合クラブが追随しにくいため、長期に渡って優位性を維持することも可能となる。

また、コスト面でのメリットが得られる場合もある。

例えば、天然温泉の場合で源泉の温度が高い場合、風呂にかかる水道光熱費が節減できることになる。

また、源泉の温度が低めで沸かし直さなければならない場合でも、風呂の分だけでも水道費を抑えることが可能となる。

水道費を抑えるには井戸水を掘るというのが有効な手段となってきているが、井戸水掘削に制限が与えられている場所も多い。

そうした立地でも、温泉掘削は許可される場合が多いという。

~ここまで~

当社小型クラブでは、休養の大切さもお伝えしており、身体を温める一つの手段として入浴をお勧めしておりますが、上記のようなハードは当然、設置することができないため、クラブに付帯できる点では羨ましくもあります。

水道水より温度が高かった場合、その差の分、昇温にかかるエネルギーコストが削減できるほか、上水代がかからないことがコストメリットとなりますので、クラブの規模が大きければ大きいほど、その恩恵に預かれることになります。

温泉や井戸水を掘削する際は、地盤沈下を防ぐために取水量の制限があったり、近隣の既設備との兼ね合いで掘削深度に制限がかかったりとかなり法令・条例で縛られている部分がありますが、調査する価値はあると思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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