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8月21日(月):エコロジカル・アプローチ、「構造的練習」と「非構造的遊び」

この1週間ほどは書籍「エコロジカル・アプローチ『教える』と『学ぶ』の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践」の内容に付随したことを綴ってきましたが、本日あたりで一区切りの予定です。

同書には「構造的練習」と「非構造的遊び」の概念に言及した箇所があります。

前者は特定のスポーツパフォーマンスを向上させる組織(チーム)のなかで監督やコーチが選手を指導し、専用の道具を使い、時間を決めて、時には審判もつけて行う練習を指しています。

対する後者はコーチや大人が指導するのではなく、自ら活動やゲームを組織する学習者同士の相互作用から生まれる活動と定義され、その代表例としてブラジルで盛んに行われているストリートサッカーが挙げられていました。

エコロジカル・アプローチでは後者の非構造的遊びを重視、推奨していますが、それに紐づいて同書で触れていたエピソードが印象的で、その対象はブラジルのサッカー選手に関する調査になります。

それによれば名門クラブにスカウトされた選手の多くは、スポーツ組織によってプログラムされた指導をほとんど受けておらず、逆にストリートサッカーの経験は豊富であった、との内容です。

それもそのはずでストリートサッカーには昨日に記載した制約主導アプローチにおける5つのプリンシプルにある「タスク単純化」や「注意のフォーカス」、「機能的バリアビリティ」の要素が自然に盛り込まれているのだといいます。

ただ、そんなブラジルで憂慮されていることが都市化による遊びの空間の減少で、その影響からかサンパウロのような大都市から生まれるエリート選手は減っており、周辺の小都市や田舎から良い選手が出てくる割合が増えている旨の研究や論文があるとのことでした。

日本からすれば今なおブラジルのスキルや選手層の厚さは羨望でしかないですが、それでもブラジル内では前述したことへの問題意識があるようで、プロサッカークラブでも「あえて」ストリートサッカーの要素を取り入れる動きにつながっているようです。

私は今から25年以上前の高校時代にはサッカーの遠征で2週間ほどブラジルに滞在したことがあり、その頃はまだ至るところでストリートサッカーが見受けられましたが、少しずつ状況は変わっているのでしょうね。

「非構造的遊び」がもたらす恩恵と、そこに含まれる要素がエコロジカル・アプローチの重要性を示唆しているように思います。

私たちはフィットネスクラブの運営が主たる事業で、特定のスポーツ指導が本業ではないものの、本日に触れた内容からも学ぶべき点は多いですね。

一部の運営クラブでは子どもに向けた運動教室なども実施しており、そこでの様々な動作の習得にあたっては「非構造的遊び」によるアプローチも大切になってきます。

子ども達の日常を踏まえた時に、少なくとも日本のほうがブラジル以上に非構造的遊びの機会、環境は乏しいですから、そのあたりもふまえて環境・制約の設定をしていくことがポイントなのだと思います。

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