「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論307」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「News&Trends(Japan):メディカルフィットネスという名の罠」2~※名称等は当時、一部文章省略
■フィットネスクラブが「メディカル」の機能を付帯するパターン
これはクラブと同一の建物内にテナントとして病院に入居して貰い、連携を取るパターンである。
クラブ側が享受する経済的効果はそれほど高くはないだろう。
ただ、経済的なリスクが少ない上、一定の「集客」が見込める点はメリットと言える。
■その他のパターン
経済的にも地理的にも離れている病院とクラブが連携するパターン。
医師は患者を診断し、初期リハビリのみを提供して、その後はクラブに「送客」、両者で情報交換しながら管理していくというもの。
クラブは連係する病院や医師を「開拓」するために新規入会者から「かかりつけ医」を聞いてアプローチするというマーケティング策を取る。
これが最も「普通」のパターンだろう。
しかし現状は、あまり見られない。
だが医師とクラブの話し合いで「ソリューション」が構築できるため、今後は広がる可能性が高い。
さて、現状展開されつつある「メディカルフィットネス」について記したが、言いたいことは、フィットネスクラブがポリシーの1つとして、あるいはアンカーアクティビティ(付加価値アイテム)としてメディカルフィットネスを捉えることは間違っていないと思われるが、戦略としてあるいはビジネスモデルとしてそれを位置付け正面からそこだけにフォーカスを効かせて展開しようとすることは、経営上リスクが大きいのではないかということである。
フィットネスクラブにはもっと大きな強みがあるはずだ。
~ここまで~
以前の職場で、新店開発に当たり、隣接する大きな病院との提携を目指すという流れが当初ありましたが、結局は実現せず、それぞれ関知しない通常の経営ということに至りました。
その要因を振り返ると、フィットネスクラブ側は経済効率性を追求する中での二次診断の手間暇やノウハウ構築に関わる労力が、病院側は運動処方に関わる保険点数の低さやリハビリ関連科に任せておけば良いといった内向き思考により、双方メリットを感じなかったことが大きいと思われます。
残念ながら日本の医療とフィットネスは今も昔も基本的に断絶しており、それを超える連帯感を醸成できるパートナーと巡り合わない限りは、メディカルフィットネスという名のもとでの発展は見込めないのが現実だと考えます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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