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365日色の話 映画「日日是好日」 生きづらい女性の生きやすさのヒントになるような素敵な作品です!

久しぶりにまた「日日是好日」を観ました。
樹木希林さん、黒木華さんが織りなす、「季節のように生きる」
自然な生きやすさを感じ取ることができ、
あらためて、日々の生活が違って見える気がしました。

「お茶の世界」お手前を習ううちに、自分の中の何かが変わっていく姿
音や暗転でリズムや変化をつけながら、
心にかろやかに訴えてくる作品です。

主人公の典子は小さい時から、
病弱で学校をよく休み、
そのためか、友達ができなかった思い出があります。

学生時代も曖昧な人間関係を保ち、
そんな20才の時に、母親にすすめられて、
従妹と一緒にお茶を習うことに。

初めは正座することもままならず、
お手前の作法の、”どうしてそうするのか”、に引っかかったり。
「形をつくって、あとで、中に心を入れる」
「習うより慣れよ」
と先生は教えていきます。

閑静な、清潔な先生のお宅では、
雨の音が聞こえ、雪が降り、夏の暑さを感じる。
季節によって季節にふさわしい器やお茶菓子を楽しみ、
先生は、季節のように生きているようでした。

お手前のお湯をすくう時の音で、
美しさを感じさせていました。

この作品は静けさの中の音が魅力的です。
ピアノの音も効果的です。

典子は、作法の形をなぞっても、ぎくしゃくして、
なかなか自然な、理にかなった、美しい形になりませんでした。
「向いていないわね」と言われたこともありました。

もともと、不器用なのだと挫折しかかります。
その間も、就職活動もうまくいかず、
非正規な状態で出版社に勤めていました。

正社員採用試験に落ちたり、
結婚直前で浮気がわかり、自ら破談にしたり・・・
いろいろとうまくいかないことばかりで絶望し、
自己が崩壊しそうになっても、
お茶を習うことには、惹かれ、続けていたのです。

突然、愛情を常にいっぱい注いでくれていた父親が亡くなり、
人生を鑑みるとき、
お茶を習うことだけは、変わらず自分と対峙してくれていました。

すぐわかるもの、
すぐにわからないものは
長い時間をかけて
わかっていく。

雨の日は雨を聞く。
雪を眺め、夏は暑さを。

典子にとって、自然を感じ、季節のように、
疑問を持たず、楽しく生きていくことに慣れてきたのかもしれません。

そんな、やさしい生き方が、
自分でもやれそうに思える作品だと思いました。

ぜひ、ご覧になってください。

色に関しても、作品の世界観が損なわれないように、
調和がとれる、色みや彩度でバランスが図られた作品であると思いました。



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