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365日色の話 ちょっと一休み ねこたちが可愛い!森下典子さんの「猫といっしょにいるだけで」です。心がやさしい気持ちになりました。

「日日是好日」の映画の原作者エッセイストの森下典子さんの本です。
ねこ好きにはたまらない、ねこが好きではなかった人もねこの愛らしさの虜になってしまう本です。

note「いろ」とねこも書いていますし、
「スミレと友とねこ」は自分でいうとおかしいですが、
本当に素敵なお話です。

森下典子のエッセイは初めてだったので、
「ねこ」のお話にしました。

ココちゃんと友の日々のような心があたたかくなる素敵なお話。。。

「日日是好日」のイメージから、
かわいい「ねこ」とのおだやかな日々の話だと思い込んで
読み始めると、

「ギャ~」と母。
典子が生まれた記念に父が植えてくれた、
父との思い出の白木漣の切り株の陰に
生まれたばかりの子猫を
母親が見つけたことからはじまりました。

猫への苦情や「猫は化ける」って言うでしょう。
庭の花がめちゃくちゃになった話や
金魚をやられ、猫同士の抗争まで、
ねこが苦手な話が続きました。

母親があたふたと大急ぎで相談しに行ったところ、
愛護協会では、
小さ過ぎて引き取れないと言われ、
猫たちを母娘で2ヶ月間飼うことに。。。

現在は、母と娘の2人暮らし。
子猫をどうするかと激しい母とのバトルがあり、
事態は険悪状態。

我が家は「犬派」
父と3人で可愛がってた愛犬ピンキー。柴犬モモとの生活。
楽しかったからこその
それぞれの死の受け止め難さが身に沁みて、
かわいいと思えば思うほど、
喪失感が襲ってくるので、

「もう生き物を飼うのはよそう」
と父が決めたのです。

娘の典子は
父が可愛がっていたモモが死んだあと
自立しなければと家を出ましたが、
お茶の帰りに実家によると、

白木蓮の下で
父はいつも待ってくれていました。

私の父も「~時頃、駅に着く」
と電話をすると、
必ず、迎えに来てくれていました。

その白木蓮の切り株のところで生まれた、
目も開かないモグラような5匹の子猫たちと母猫。

結局、
玄関隣の部屋に
猫たちを避難させていたダンボールを置くことになりました。
まだ、目もあいていない状態です。
驚かさないように、気になって、そーつと覗いてみると、

生きてる・・・。

10日ぐらいで、まん丸い目をした子猫になり、

我が家の「猫カフェ」
居間は大賑わいです。

母親の猫は、美人で小さくて、
名前はリリにしました。

子猫たちにも、
もらわれて、別の名前になるので、
簡単な名前を付けて
育てることになりました。

猫たちの愛らしい、母と娘への愛情の表現や
リリの子猫に対するいっぱいの愛情表現を
読んでいると
実際に、その状況をそこで見ているように感じました。

猫って、こんなにかわいい無邪気な行動をするのかと、
猫に惹かれていきました。

そのかわいい成長ぶりに
母と娘だけでなく、
猫好きのまわりのみんなは、
メロメロだといいますが、
読んでいると私自身もどんどん好きになっていきました。

1か月半になっての、小さいながらのジャンプ。
階段チャレンジもなんともかわいい。
目に浮かぶようです。

そして、別れのとき。
それぞれに、引き取ってくれる家を探して、
そして・・・

このエッセイは、
猫たち姿、動作、しぐさ等の
日々の観察からくる描写が
素晴らしく、
何とも可愛いらしく、
自分の足元や膝にリリや子猫たちがいるような、
錯覚を覚えるくらい
その感覚がリアルなのです。

それはもうすごいです!

「犬派」も「猫派」も飼ったことがあると
どちらもかわいいといいます。

つんけんしていた、
父が亡くなった後の
母と娘の日常に猫が加わったことで、
会話が、
お互いの苦情や正論ではなく、
猫の話から始まるようになり、
やさしい会話になり、
幸せな日々になったことはすごいことだと思います。

もちろん、
だからこそ、失う時の覚悟が必要なのだと実感しました。

このエッセイは
読むだけで幸せになれる、
タイトルの通りの、
「猫といっしょにいるだけで」
の物語でした。


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