見出し画像

『アィーン』できますか?~あごの痛め方と治し方~

有名な志村けんさんの『アィーン』。これ出来るかどうかが、あごの状況に関係してるんですよ。知ってましたか?
最近、あごのケガで来院される方が増えております。
ちゃんと治療すれば1~2か月ぐらいで回復が見込めるのですが、意外とちゃんと治療してくれる医療機関と探すのに苦労されることが多いようで、長年苦しまれている方も多いと耳にします。

写真AC by工房TAKUMI

あごが痛くなる前には、下記のような前兆が現れます。
・歯に圧迫された感覚を感じる
・側頭部に頭痛が出やすくなる
・口が曲がってあいてしまう方
・あごが左右どちらかにずれている状態
・口の開け閉めするときに「カクン、カクン」など音がする
・口が大きく開かなく(指2本程度しか開かない)
・志村けんの「アィーン」ができない(下あごが前に出せない)
・昼夜問わずに歯ぎしりする癖のある方
・左右どちらかの首の動きが悪かったり、痛かったりする方
・あご関節周囲に痛みや違和感がある方
気になる前兆をお持ちの方はいらっしゃいますか?

【あごの痛め方】
(基本)あごを痛めるときは、噛む筋肉がなんらかの理由(疲労性など)で動きが悪くなり、そのため口が開きづらい状況を引き起こし、あごの負担を増やしていくことでダメージになります。

イラストAC by うにここ

1)いきなり問題です。口の中で通常、上の歯と下の歯が触れているものでしょうか?触れていると思う方は「〇」、触れていないと思う方は「×」でお答えくださいね(^^)
実は、上の歯と下の歯が少し触れあっているだけで、「かみしめ」が始まります。なんでかみしめるか?一つの理由は、心理的にも身体的にも「頑張っている時」にかみしめます。かみしめると、力が入りやすかったりします。逆に言うと、かみしめると力が入りやすいので、噛んで作業するほうがしやすくなることも。これを自然と覚えてしまった方は、日頃から歯と歯を合わせながら、日常生活を送っています。結果、長期間にわたり、長時間の「かみしめ」をしている状況になり、噛む筋肉が疲労で動きが悪くなり口が開きづらい状況を引き起こして、あごの負担を増やしていくことになります。
ということで、正解は「×」。口を閉じている時は、口の中で「上と下の歯が2~3㎜ほど離れている」のが正しい状態(下顎安静位)です。前歯も奥歯も、上下の歯同士は触れ合わずに少し浮いているものなのですよ。

2)歯の噛み合わせが悪い時、噛み合わないところ気になると「あごを横にずらす」ような動作で噛み合わないところを歯でいじったりします。例えているなら、傷を作ったところが痛痒くなるとつい触りたくなるように。これを繰り返すと「歯ぎしり」と同じ状況になり、上記と同様、噛む筋肉が疲労で動きが悪くなり、口が開きづらい状況を引き起こしてあごの負担を増やしていくことになります。

3)上記二つの心理面の強いストレスでかみしめや歯ぎしりを無意識に続けてしまっている方。「力を出す」ことで心理的ストレスを解消する仕組みが身体には備わっています。慢性的なストレスや過去の非常に強いストレスを受けると、この仕組みが常態化して日常的にかみしめや歯ぎしりをするようになります。そのため、口を開け閉めする筋肉が疲労し動きが悪くなることであごの負担を増やしていくことになります。

4)首の後ろの筋力が低下すると、立位時に頭を持ち上げてることが大変になってきます。そのため、代わりの他の筋肉が自動的に庇って頭を持ち上げ続けてくれます。よくある例は肩筋にある僧帽筋(上部)が庇って肩こり様の症状を訴えることがあります。この代償作用(自動的に庇うこと)は人それぞれの状況によって違いますが、「あごを引く」力で庇う方もいらっしゃいます。そうすると、「口を開ける」筋肉と「あごを引く」筋肉は同じものがあるので、結果的に「口を開ける」筋肉に疲労で動きが悪くなり、口が開きづらい状況を引き起こしてあごの負担を増やしていくことになります。

写真AC by photolandさん

5)「疲労状態」で「不意」に「不良姿勢」で「勢いよく大きくあくびなど」をすると、あご関節が正常に開かない環境が起きて、捻挫を引き起こすことがあります。生まれつき関節が柔らかい方(弛緩性が高い)の場合は、脱臼・亜脱臼をする可能性もあります。「間」が悪いとも言えますが、身体のどの部位でも「外力ではない」、「何気ない動作」での捻挫など痛みを起こしたときは、上記のようにアンラッキーが重なることで発生することがあります。

6)「噛む筋力」が、固い・噛みづらい食べ物を噛んでいる時に「食べ物の硬さ」に負けるとあごを痛めることがあります。あごの噛む筋力が何らかの理由で低下してしまっているときや、単純に噛む力が力負けするぐらい硬い食べ物だったりするときです。
噛む筋力が低下する状況とすれば、入院など何らかの事情で固形物を食べられなかったりするなど噛むことが少なくなることで起きるのが一般的です。過剰な疲労で全身的に力が入らないときも起こる可能性があります。

7)あごは特殊な関節で、左右はそれぞれ独立した関節ですが、動作とすれば「口を開閉する」という一つの動作を担います。そのため、片方の関節になんらかの異常状態が発生すれば、もう一方に大きな負担がかかります。例えば、右あごを何かで抑え込まれた状態で口を開けようとすれば、左あごの強い負担を受ける可能性があります。

8)顔を強打するなどの外力の影響であごを負傷することはあります。

【あごの治し方】
上記のように、大雑把に壊れ方があります。もちろんですが、人それぞれで負傷状況が変わりますので、詳細は個々に変わります。そのうえで、大筋のお話です。

1)噛み合わせ
「あごの痛め方」の中でも、『噛み合わせの悪さ』が影響している時があります。当院でも『歯医者さんで噛み合わせを見てもらっていますか』と確認します。噛み合わせや歯の治療などの問題点がある場合は連携していただいている歯科医に診てもらうようにしております。当院では基本的にはマウスピースを使った治療は行いませんが、歯科医と連携した場合は使用する場合もあります。

2)負傷カ所の施術
あご関節の痛い箇所を「点」で見つけ出し、炎症を抑えたり回復を促したりと、状況合わせて5~6種類の物理療法を組み合わせて施術します。

3)あごの動きを悪くしている筋肉へのアプローチを物理療法、手技、運動療法を組み合わせて実施しして、あごの動きを改善していきます。関係してくる筋肉の例として、咬筋、側頭筋、頚板状筋、顎二腹筋、内・外側翼突筋などがあります。

顎周囲の筋肉

4)上記まで施術をすると、負傷カ所の状況や動きを悪くしている筋肉など全体像がはっきりしてきます。そのうえで、生活シーンでの注意事項やセルフケアを指導していきます。
日常生活の注意事項とすれば、あくびなど口を開けるときや食事方法。あごの負担の原因になっている癖などをなくす方法など。
セルフケアとすれば、温めるのか、冷やすのか、セルフマッサージする必要がある場合は仕方やストレッチの方法、必要に応じて筋トレを指導します。
この生活指導や自宅療法は、どのケガにおいても非常に大事になります。どんなにすばらしい施術があったとしても、日常生活では簡単に症状を増悪することができるからです。

【あとがき】
『かみしめ』や『歯ぎしり』のような症状に自分で気づけるかどうかは大事な要素になります。あご回りに疲労感や強く噛み締めたときのような歯の圧迫感を感じている方は注意が必要ですよ。
最初に前兆を記載しました。この前兆が出ている時点であごには少なからず負担がかかっている状況なので、医療機関での治療をお勧めします。とはいっても、整形外科医ではないですし、歯科医も完全な専門でもない。専門医は口腔外科医ではありますが、なかなか縁がなかったりします。当院では『あごケアステーション』を開設しました。あごのケガには至っていない方にも、あごのトータルケアをさせていただいております。ご来院いただけたらお力になれるかと思います。

写真AC by ツキツキさん

まずは『アィーン』ができるか確認してみてくださいね(^^♪

※ 当施設の佐野接骨院、陽だまりカフェ、筋トレクラブ、トレーニングガレージは会員制ならび基本予約制となっております。

メインサイト 
https://fitcure.wixsite.com/fitcure
佐野接骨院
https://fitcure.wixsite.com/sano-judotherapy
筋トレクラブ
https://fitcure.wixsite.com/kinntoreclub
陽だまりカフェ
https://fitcure.wixsite.com/hidamaricafe
トレーニングガレージ 
https://fitcure.wixsite.com/traininggarage
ネットショップ「トレーニングルーム」
https://trainingroom.official.ec

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?