肩こりラボ×Fit Boxingコラム「歩行時の留意点1 上半身篇」
日常生活を送る上で、ちょっとした体の不調を感じる方も多いと思います。
この解消のために「Fit Boxing」シリーズをお使いいただいているという声をよくいただきます。
そこで、「ストレッチ動画」や「機能解剖学に基づいた体の使い方動画」でもお世話になっている『肩こりラボ』の鴻崎先生に、
体に負荷をかけない生活を送るためには?
をシーン別でコラム形式で教えていただきました。
第2回目は「歩行時の留意点」。今回は「1 上半身編」「2 下半身編」の2部構成でご紹介します
「歩行時の留意点2 下半身編」はこちら↓
こんにちは。肩こりラボの鴻崎国臣です。
今回は「歩く時に気をつけること」を、上半身編と下半身編の二部構成でお伝えいたします。本稿はその上半身編です。
結論から申し上げますと、歩く時に上半身で気をつけていただきたいポイントは、「お腹」「背中」「目線」の3つです。
具体的には以下となります。
1. お腹を凹ませる
2. 背中を伸ばす
3. 目線を下げない
在宅ワークで以前よりも外出する機会が少なくなった昨今、ウォーキングの時間を設けて意識的に歩くようにしているという方は多いと思います。
歩く時に、少し意識を変えることで首肩や腰の負担が減り、筋トレ効果も高くなります。
肩こりや首こりが気になる方だけでなく、運動不足の解消や姿勢を変えたい方には是非お試しいただけたらと思います。
歩く時に意識すべき3つのこと
これからお伝えする3つのことを意識していただくことで、正しい姿勢に近づき、首肩の負担軽減につながります。
1. お腹を凹ませる!
きついズボンを履く時のように、お腹を凹ませます。お腹を凹ますことで、お腹のインナーマッスルである腹横筋を使うことができます。
腹横筋は、腰に巻くコルセットと同じ役割をしています。この腹横筋が機能すると、体幹が安定し、首肩はもちろん、腰の負担も減らしてくれます。良い姿勢をとるために、腹横筋は非常に重要な筋肉になります。
腹横筋が弱い方は、骨盤や背骨を正しい位置に保持することが難しくなり、座った時に猫背になりやすかったり、歩行時に腰が痛くなったりすることがあります。お心当たりがある方は、是非日頃からお腹を凹ませる意識を持ち、動作中に腹横筋を使えるようにしてくださいね。
【お腹を凹ませるPoint】
☑︎はじめは息を吐きながらお腹を凹ませます。その後、お腹を軽く凹ませたまま、呼吸を続けます。
ーお腹を凹ませるのがわからない方へー
仰向けでお腹を凹ませる体操にチャレンジしてみましょう!
1. 仰向けになり、膝を曲げます。
2. 息を吸いながらお腹を膨らませ、息を吐きながらお腹を凹ませます。(腹式呼吸)
この腹式呼吸を10回繰り返してください。
続けていると、段々とお腹を凹ませる感覚が出てきます。できるまで数日かかるかもしれませんが毎日続けることで体の変化を感じていただることでしょう。
2. 胸を前に出して背中を伸ばす!
背中が丸まっていると猫背やストレートネックになってしまいます。
猫背やストレートネックの状態は、頭が体の中心線より前方に出てしまい、首や肩の負担を増やします。これは首肩こりの原因になります。
日頃丸まった姿勢で仕事を行っている方は、歩いている時にも、背中が丸まりやすくなってしまっています。
歩いている時に、背中が丸まらない様に意識していただくことで首肩の負担を減らすことにつながります。
【背中を伸ばすためのPoint】
☑︎胸を前に出すイメージをもちましょう。
背スジを伸ばそうとすると、背中よりも腰が反ってしまうという方が少なくありません。自分で胸の骨(胸骨)をさわることができるかと思いますので、その胸骨を斜め上に出すと背筋が伸びます。
実は「胸を張る」=良い姿勢ではありません。あくまで「胸を前に出す」ということ。
ただ必要以上に胸を張ろうと頑張ってしまうと首肩が力んでしまったり、かえってストレートネックを助長してしまうこともありますので気をつけてくださいね。
背中を伸ばすことを実践される際、首や肩が力んでかえってつらくなってしまうという方は、そもそもの背骨の硬さが問題かもしれません。そんな方は背中を伸ばすストレッチで柔軟性を高めてから行ってみてくださいませ。
ー背中が硬くて伸びない方へー
背中の柔軟性を改善するため、タオルストレッチをご参考ください。
3. 目線を下げない!
目線が下がると、自然と頭もうつむくかたちになり、首にかかる負担が増えてしまいます。また頭部が前方にある状態ですと、ストレートネックにもなりやすくなります。
ストレートネックは頚椎の正常なカーブが少なくなってしまっている状態です。背骨のカーブは、スプリングの役割をして衝撃を分散させる働きがあるのですが、ストレートネックの状態ですと、このスプリング機能が十分に働かず、かわりに椎間板や椎間関節などの組織に必要以上に負担がかかってしまいます。
そのためストレートネックの状態が長期的に続くことで、首の痛みや頚椎椎間板ヘルニアなどにつながってしまう可能性があります。
今すぐできるストレートネック対策として俯いた姿勢を避けるということは有効ですので、危険なことがない限り、目線は下げず歩くことを意識するようにしましょう。
【目線をあげるためのPoint】
※こちらは上述したお腹と背中を意識した状態とセットで行います。
☑︎お腹を軽く凹ませ、背中を伸ばした状態で、下を向き、首の後ろに触れて、突っ張っているのを確認します。首の後ろに触れたまま、ゆっくり目線を上げていきましょう。
ゆっくりと目線を上げるために上を向いていくと、首が少し柔らかくなる首と頭の位置があります。そこが首に負担が少ないポジションです。
ただ真上を向こうとするだけですと首が詰まって力んでしまいます。必ず①の背中を意識した状態で行いましょう。
ーポジションがわかりにくい方へー
近くに自分の身長と同じくらいの人がいたらその人の頭をみてください。だいたいの目安になるポジションがわかると思います。もしくは、壁に自分の頭の高さと同等の位置に目印をつけて、それを目安にするのよいでしょう。
※①の背中は常に意識した状態です。
歩きスマホはダメ!体にも良くない
理由1:首肩の負担が増える
歩きながらスマホを見る方は「気がついたら姿勢が悪かった」などという事が多いのではないでしょうか。
何かと衝突したり事故の元になるため、歩きスマホが危険なことは周知されていますが、実は首肩の負担が増えてしまうこともご存知でしょうか。
大抵の方はスマホを見るときに目線がさがりうつむき姿勢になります。上記でお話ししたように、このような姿勢は、首にかかる負担が増えてしまうのです。
特にスマホは小さな画面に情報が集中してしまいますし、腕を前に出すので背中や肩甲骨も丸まってしまいます。そのため、巻き肩もにもなりやすいです。
せっかく健康増進のためにウォーキングを行うのですから、歩きながらスマホを眺めることは極力さけるようにしていただけたらと思います。
理由2: ストレートネックを促してしまうことも
ストレートネックとは名前の通り首の骨のカーブが少なくなってしまっている状態で、下を向いた姿勢は、首が前方に出ることでストレートネックの状態になってしまうことを上記でご説明をしてきました。
ストレートネックは大きく分けて2種類あります。それは骨性か筋肉性です。
骨性の場合は、骨格に起因し、構造事態の問題となります。先天的な要素も大きいでしょう。
一方、筋肉性の場合は、姿勢や体の使い方など、筋肉バランスによるものです。こちらは後天的な要素が大きくなります。
筋肉のバランスや日々の姿勢・使い方により、体のアライメント(骨の配列)は変化するものです。
首が前に出た状態が長時間かつ長期間続くことが、首にとって良い影響をあたえるか悪い影響をあたえるかは容易に想像がつきますね。
スマートフォンという便利で生活に必要なものだからこそ、その扱いに対して少し意識を向けてみても良いかもしれません。
-まとめ-
■お腹は凹ます
☑︎息を吐きながらお腹を凹ませる
■背中は伸ばす
☑︎胸を前に出すイメージ
■目線は下げない
☑︎首の後ろを触りながら目線を上げる
☑︎近くに自分の身長と同じくらいの人がいたらその人の頭を見る
☑︎壁に自分の頭の位置に目印をつけ、それを目安にする
■歩きスマホ
☑︎首肩の負担が増えてしまい、姿勢も崩れるので辞める
まずはこれらに気をつけて歩いてみましょう。
上半身ができた方は下半身編も参考にしていただけると嬉しいです。
正しい歩き方を体得することで首や腰の負担を減らし、同時に筋トレ効果も。ウォーキングで体を変えていきましょう!
■自宅にいながら誰でも簡単に!肩こり改善効果が期待されるストレッチ
Fit Boxing × katakoriLABS 肩こり治療のプロが解説する肩こり改善効果アップのストレッチ
■肩こりラボとは
肩こりを専門的に扱う鍼灸マッサージ治療院。「通ってもらうためではなく、治っていただくための治療院」をモットーに、肩こりや首こりだけでなく、腰痛や膝痛・スポーツ選手のコンディショニングも行う。カスタムメイド医療の理念のもと、カウンセリングに重きを置き、患者との対話を大切にする。「肩こりに悩まされない体づくり」を追求し、個々の具合や要望を踏まえ、鍼マッサージと運動療法を組み合わせた施術を行う。根本的な改善を求めて、日本全国から患者が来院し、多数の卒業者を送り出している。
https://movementjourneys.com/
・肩こりラボYouTubeチャンネル
https://youtube.com/channel/UC4RWL8zmSaiFz_qe8j-oc-w
■鴻崎国臣先生プロフィール
自身が小学生の頃から肩こり首こりに伴う頭痛に悩まされてきたことから、「まずは自分を良くする!」と強く思い、国家資格を取得。
治療は三次元での解剖学を元に、コリに対してIDマッサージと3D鍼にて的確にアプローチ。運動療法にて負担のかかりにくい身体に変えることを治療で行っている。
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