守る靴、鍛える靴
前回のかわいい子には…の続きとなります。
現在は技術の向上もあって靴のテクノロジーも進化しています。
クッション性、軽量化、反発などを使った能力の強化など恩恵は様々な効果を与えてくれます。
一方でそれに頼り切ってしまうと足自体が持つ機能の低下も懸念され、
若い世代の浮き指や踵の細い子が多いのは、靴の性能向上によって成長期の足への刺激が不足している可能性も指摘されています。
なので大ブームにはならないものの、
一定期間ごとに「裸足を鍛える・足本来の機能を取り戻す」と言ったコンセプトのベアフットシューズが取り上げられる状況です。
どっちが良い悪いではなく、どちらも必要。
両輪、両翼と呼べるもので、
「サポートがなくても動ける強さの足」
∔
「素足の効果をより引き出せるサポート機能の靴」
これが理想的な形で、用途によって守るのか鍛えるのか選択するのがベストです。
なのですが、日本人は1足ですべてを賄おうとする傾向が強く、
全部入りのものを求めがちだったり、良し悪しをつけたがる。
だから基本的に楽ができる機能山盛りの守る靴が主流となり、
鍛えるベアフット系のシューズはブームの波が激しかったり、トレラン等一部界隈の話題にとどまるのかもしれません。
今の日本人は西洋文化の入ってくる前の江戸時代などに比べると
骨格もだいぶ変わってきているとは思いますが、
それでも西洋人とは全く同じにはならない部分もあります。
昔、飛脚などがわらじで長距離を移動していたことを考えると、ベアフットの考え方や裸足でも楽に動ける体の使い方は日本人には合っているのではないかと思います。深掘りしていくと古武術などの身体の使い方とかまで行ってしまいそうなのですが。
もう少しベアフットが一般的になって欲しいし、
一般的になって足自体の基本スペックが上がれば、必然的に足のトラブルは減り、健康的に歩ける期間も伸びるはずなんですよね。
クッション性の高い靴に頼り切っていると、遠慮なく踵から着地するようになるでしょう。爪先の反りあがった靴に慣れていると自分の指でしっかりと蹴り上げる動きができません。
そうするとドシンと着地、スムーズに蹴り出しまで持っていけないので前足部もベタンと地面に打ち付ける…そんな妙に足音のうるさい静かに歩けない子に出会ったことはありませんか?
機能性の高い靴自体に問題はありません。
どんな道具でもそうですが、正しい目的と使用の仕方から外れると悪い結果をもたらす可能性もあると言うこと。
どうでしょう?
もっと積極的にかわいい子(足)に旅をさせる(鍛える)方向にも
興味を向けてみませんか?
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