3月26日 ケトン体
伊豆の出張の前だったか。冷凍庫の片付けをしていたら、鶏の骨を集めていたやつがどっさり出てきたのだった。骨なんてものは、まあ普通なら捨てる部位である。有効活用なんて考えもしないものだろう。
しかし、ワイレベルの田舎暮らし人間になると、この骨こそが一番美味しいということを知っているのである。
腿骨、もみじ、胴ガラ、ネックから鶏頭、場合によっては手羽先、これらをちゃんと集めて凍らせておく。
調理方法はいたって簡単で、鍋に骨を投入、灯油ストーブの上にその鍋をボンと置いて、そのまま煮込み続ける。火加減は適当である。90℃以上になれば良い。100℃超えて沸騰状態になるようだと水分が飛びすぎるので、たまに差し水などする。意外と蒸発は早く、煮詰まって焦げることがある。
水位よりも上に骨が出ても大丈夫だ。鍋の中の温度が90℃以上になって、蒸し焼きになれば肉からちゃんと旨味が出て水に落ちる。お遊びで濃いスープを取るのだったら骨は丘に出るぐらいが良い。水を入れすぎてはいかん。
加熱時間は8時間以上が目安となる。10時間煮ても、12時間煮ても良い。適当でよい。20時間はちょっと長いかな。
夜寝る時ストーブを切って、煮込みが止まっても、翌朝から煮込み再開して、2日合計で何時間煮る、みたいな計算でよろしい。なんせ8時間以上は煮たいが、細かいことは気にせず適当に煮るべしである。
煮終わったら熱々の状態で濾す。
ちょっとでも冷めるとゼラチンの作用でぶるんぶるんのゼリーみたいになる。サラサラしているのは100℃近い時だけだ。
今回、スープの採れ高は1.5リットル。
濾して、黄金色だとちょっと薄い。茶色みがかった黄土色になっていれば成功である。
とりあえずワイと家人がコップ一杯ずつ飲む。残ったものは小分けにして冷蔵庫に入れる。ラーメン屋やっていた頃の経験上、スープは冷蔵保存でギリ2週間保つ(温度変化が無い開閉しない冷蔵庫だとなお良い)から、普通に一週間は余裕で質を保てる。。
スープを飲むその調理方法だが、
①ブレンダー用の縦長容器にコップ一杯分のスープを取る
②塩を半ツマミ投入 指の腹まで使ってむんずとつまむんじゃなく、指先だけでつまむ量
③ハンドブレンダーで撹拌 乳化させる。
④コップに注いで飲む
味は塩だけで十分である。余りの美味さにのけぞる事だろう。薄味でほっとする。
旨味についてだが、ただでさえ旨味が入りすぎて飽和しているのだから、他に旨味を足す必要は全く無い。技巧に凝って昆布とか入れてみたことがあったが、圧倒的に鶏だけのほうが美味かった。
鶏の命を凝縮したようなスープである。
いったい何に効くか?
ズバリ、つわりですな。奥さんが妊娠8週とかになってつわりになった時に効く。
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