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株価に先行する指標


住宅販売戸数

過去記事の検証で☝
1970年の底打ちでは
新築住宅販売戸数
中古住宅販売戸数ともに
S&P500株価指数よりも
1ヵ月~2カ月先行しました。


1974年のS&P500株価指数の底入り

  • 1974年9月第3週64.15ドル

  • 1974年9月第5週60.96ドル

  • 1974年12月第2週64.13ドル

この後、上昇トレンド


新築住宅販売戸数

  • 1975年1月41万7000件

  • 1975年2月41万6000件

  • 1975年3月42万2000件

このあと上昇


中古住宅販売戸数

  • 1974年12月209万件

  • 1975年1月211万件

  • 1975年2月206万件

このあと上昇

1974年、1975年
オイルショックの影響により
異常な物価高でした。

スタグフレーション下では
住宅販売戸数
株価に先行しない可能性があります。


続いては1978年です。

1978年のS&P500株価指数の底入り

  • 1978年1月第4週88.02ドル

  • 1978年2月第4週86.45ドル

  • 1978年4月第1週88.07ドル

このあと上昇トレンド


新築住宅販売戸数と
中古住宅販売戸数は
上昇基調で
1978年では株価との相関性は
ありませんでした


続いては1982年です。


1982年のS&P500株価指数の底入り

  • 1982年6月第3週107.01ドル

  • 1982年7月第1週105.57ドル

  • 1982年8月第2週102.20ドル

このあと上昇トレンド


新築住宅販売戸数

  • 1981年10月33万8000件

  • 1982年5月33万9000件

  • 1982年7月37万件

このあと上昇トレンド


中古住宅販売戸数

  • 1982年2月191万件

  • 1982年6月186万件

  • 1982年8月189万件

このあと上昇トレンド

1982年住宅販売戸数と株価は
同じタイミング
で上昇していきました。

この時は1980年4月と5月に
14%代をつけたCPI下落基調
物価上昇率が安定し始めた時でした。

失業率はピークが
1982年11月10.8%だったので
株価と住宅販売戸数は
失業率が上昇傾向にあるときに
上昇トレンドに入っていきました。

FFレートは1980年~1981年に

  • 1980年4月17.61%

  • 1981年1月19.08%

  • 1981年6月19.10%

3度ピークをつけて
下落していきました。

株価が上昇しはじめた
1982年8月は政策金利が
下落基調にあったということです。

原油も1980年4月にピークアウト

価格も

  • 1980年1月第2週835ドル

  • 1980年9月第4週698.25ドル

  • 1983年2月第1週504.50ドル

これ以降、下落トレンド

1982年8月の金価格は
344ドル~455ドルだっため
ピーク835ドルの約半値まで
下がっていました。

金の勢いも無くなり
株が一掃買われはじめた
と言えます。

株価の大底

1974年のS&P500株価指数の底入り

  • 1974年9月第3週64.15ドル

  • 1974年9月第5週60.96ドル

  • 1974年12月第2週64.13ドル

この地点です。

これ以降、株価が下落しても
この株価まで下がることは
ありませんでした。

1970年代は
金と原油が強く
金・原油関連株が強かったため
指数であるS&P500を保有するよりも
コモディティ関連を持っていたほうが
パフォーマンスが良かったのです。

2000年代のドッコムバブルでも
S&P500よりもNASDAQの指数の方が
パフォーマンスが良かったです。

どの時代に何が流行るかは
わかりませんから
分散が重要ということがよくわかります。


1990年
のS&P500株価指数の底入り

  • 1990年8月第3週306.18ドル

  • 1990年10月第2週294.51ドル

  • 1991年1月第2週309.35ドル

このあと、上昇トレンド


新築住宅販売戸数

  • 1990年11月46万5000件

  • 1991年2月40万1000件

  • 1991年10月48万7000件

このあと、上昇トレンド


中古住宅販売戸数

  • 1991年1月290万件

  • 1991年2月290万件

  • 1991年11月307万件

このあと、上昇トレンド

1990年でも株価が先行しています。

住宅販売戸数は
株価が大底を抜けたかどうかを
判断する材料に向いていると言えます。

株価も底から抜け出し
住宅販売戸数も底から
抜け出している時は
安心感があるため
信用取引やレバレッジ取引の
少額短期売買をするときに
参考にすると良いでしょう。

スタグフレーション前の
景気の良い場面では
住宅販売戸数が株価に
先行するということが
わかりました。

1994年のS&P500株価指数の底入り

  • 1994年5月第2週440.78ドル

  • 1994年6月第4週439.83ドル

  • 1994年12月第1週442.88ドル

このあと、上昇トレンド

新築住宅販売戸数と
中古住宅販売戸数は
1978年と同様に
株価との相関性は
ありませんでした

失業率が
1992年6月7.8%から
2000年4月3.8まで
一貫して下落基調だったのですが
これが株式の追い風になるとしても
タイミングを計る指標には
向いていません。

こんな時は何を見ると良いのでしょうか?


米10年債利回り


1994年のS&P500株価指数の底入り

  • 1994年5月第2週440.78ドル

  • 1994年6月第4週439.83ドル

  • 1994年12月第1週442.88ドル

なのですが

1994年の米10年債利回りのピーク

  • 1994年10月第5週8.023%

  • 1994年11月第2週8.013%

株価が大底をつけたのは
1994年6月第4週439.83ドル
S&P500に先行性がありましたが

どこから上昇するかは
米10年債利回り
ピークアウトしてから
1ヵ月後になっています。

スタグフレーション下で
異常な物価高になると
FFレートも急騰しますので
米10年債利回りは
先行指標として機能しなくなります。

常に安定して
株価に先行する指標はありませんが
条件さえ整えば
米10年債利回りは
信頼性の高い指標です。

1990年のS&P500株価指数の底入り

  • 1990年8月第3週306.18ドル

  • 1990年10月第2週294.51ドル

  • 1991年1月第2週309.35ドル

1990年の米10年債利回りのピーク

  • 1990年4月第4週9.073%

  • 1990年8月第3週9.048%

  • 1990年9月第3週8.984%

このあとピークアウト

米10年債利回りが4カ月先行しています。

米10年債利回りがピークアウトしても
株価が上昇に転じなかったのは
原油価格が突如、急騰したからです。

原油価格

  • 1990年7月第2週16.05ドル

  • 1990年10月第2週41.15ドル

  • 1991年1月第2週18.00ドル

米10年債利回りがピークアウトしても
原油価格が上昇していれば
株価の上昇は抑止されるのです。


2003年
のS&P500株価指数の底入り

  • 2002年7月第4週775.68ドル

  • 2002年10月第1週768.63ドル

  • 2003年3月第2週788.90ドル

2003年の米10年債利回りのピーク

  • 2001年12月第2週5.190%

  • 2002年3月第4週5.406%

  • 2002年5月第2週5.256%

2003年では米10年債利回りが
10ヵ月も先行していて
株価の底入りの参考にするのは
先行し過ぎていて
難しかったと言えます。

この時も原油価格が
上昇傾向にあり
2003年3月第2週
下落したので株が買われたと言えます。

2000年代は中国経済が強かった為
石油の需要が年々増加傾向ありました。

イラク戦争の影響でも
石油価格は上昇していた為、

2000年のドットコムバブルと
2007年の不動産バブルでつけた
S&P500の株価のピークは
さほど変わりません。

米10年債利回りは先行性が強いですが
原油との兼ね合いが強いと言えます。


読んで頂きありがとうござました。


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