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米10年債利回り上昇局面のセクターローテーションー1980年代前半ー


米10年債利回り①

US10TY:日足チャート
期間:1981年9月~1984年6月

米国経済はスタグフレーションに苦しめられて
金利が高騰、米10年債利回りは史上最高値である
15.742%をつけます。
(赤色矢印)

今現在は4.5%前後でも高いと言われていることを
考えると信じられない高さです。

ピークを迎えた長期金利は
下落し1983年5月4日
10.151%をつけて底打ちします。
(青色矢印)

インフレとは粘着性があるため
何度も起きます。

1度、沈静化しても再発してしまうのが
インフレです。

それより恐ろしいのがデフレです。

日本人ならわかると思いますが
何十年経っても給与は上がりませんし
インフレが起きても
物価だけが上昇してしまい
賃金が上がらず実質賃金がマイナスになり続けます。


米10年債利回り②


US10TY:日足チャート
期間:1983年4月~1984年7月

今回、セクターローテーションを検証する期間は
米10年債利回りが市場最高値から下落し
反発した期間です。

具体的には

1983年5月4日の底打ち10.151%から
(青色矢印)

1984年5月30日のピーク13.592%までです。
(赤色矢印)


ダウ平均①


DJI:日足チャート
期間:1982年7月~1984年7月

ダウ平均株価(DJI)を見てみると

金利が上昇し始めた1983年5月4日以降から
上値が重くなっていることがわかります。
(青色矢印)

米10年債利回りがピークを迎えた
1984年5月30日では株価は下落しています。
(赤色矢印)

米10年債利回りの上昇
株価にとってマイナス
言われることがよくわかります。


ダウ平均②


DJI:日足チャート
期間:1983年5月~1984年5月

1983年5月4日から
(青色矢印)

1984年5月30日までを拡大しました。
(赤色矢印)

金利が上昇し始めても
緩やかに株価が上昇していることがわかります。

何度も上昇を試みていることがわかります。
(紫色矢印)

金利が上昇しても
すぐ株価は下げる訳ではなく
上昇材料を求め続けると言えます。


米10年債利回り③


US10TY:日足チャート
期間:1983年4月~1984年7月

米10年債利回りのチャートに
ダウ平均株価のピークを
マークしたチャートです。

ダウ平均がピークをつけて
しばらくしてから
米10年債利回りは上昇を開始しています。

米10年債利回りの上昇は
大局的に見て
株価下落要因になりますが

ダウ平均株価
長期金利が上昇する前に
下落しています。


なぜ株価は下落したのか?

ダウ平均株価
なぜ金利が再上昇する前に下落したのでしょうか?

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