[阪神]もしも自動FAだったら??
11月13日にFA宣言の締め切りがあり、11月15日からFA宣言選手との他球団による交渉が解禁となりました。
阪神からは、大山悠輔(29)、原口文仁(32)の2選手が権利を行使し、FAとなりました。
片や海の向こうではFAは宣言するものではなく、サービスタイムが経過すれば自動的にFAとなる「自動FA」です。
近年の阪神タイガースというチームは、チームの循環・新陳代謝を考えて運営されているので、今年FA権を取得した選手が全員、宣言及び流出しても大丈夫な自信があったのではないかと思っているのです。
なので、自動FAだったらのifを考えてみます。
もし今期急にシステムが自動FAに変わったら
ルールが変わった場合、自動FAとなる選手を以下に列挙します。
大山悠輔(29)、坂本誠志郎(31)、糸原健斗(32)
原口文仁(32)、岩貞祐太(33)、梅野隆太郎(33)
これに権利獲得までサービスタイムを72日としていた青柳晃洋(30)を含めて、7人が自動FAとなる想定で話をしていきます。
で、なぜこういった意地の悪いnoteを書くかと言うと、藤川球児新監督のインタビューに起因しています。
FAのイメージを変えたいと、踏み込んだ発言で注目を浴びている藤川監督のFAに対しての考えですが、私もFAに関しては似たようなイメージで「裏切りみたい印象は違う」という考えに賛同しています。
監督交代のタイミングで選手の人事に変化をもたらしている阪神フロントなので、今回このようなnoteを書いてみる気になりました。
では、それぞれの戦力を軽く紹介していきます。
大山悠輔
2016年ドラフト1位・1B/3B/LF/RF
入団一年目から一軍に帯同している主砲。8シーズンで137発。
2023年にベストナイン、GG賞、最高出塁率のタイトルを獲得。
打撃面では美しい弾道でアーチをかける他、チームに献身的な姿勢も評価が高い。守備面は三塁では品の良さ一塁ではキャッチングに定評がある。
坂本誠志郎
2015年ドラフト2位・C
キャプテンCに定評のある捕手。インコースを恐れず攻めるリードやフレーミングが高評価。長らく第二、第三捕手に甘んじていたが、2023,2024シーズンは正捕手格で起用された。
糸原健斗
2016年ドラフト5位・3B/1B/2B
粘り強い打撃で出塁能力に定評のある内野手。実際4割に迫る出塁率を残したシーズンもあり、入団当初は期待されていた。近年は代打専業だが、課題とされる守備力も3Bなら問題ない。
過去の雑誌を見てみると虎のホープとして紹介されていた時代もある。
原口文仁
2009年ドラフト6位・1B/C
2016年に11本塁打放った長打力が魅力の内野手。怪我及び大腸がんなどで満足なキャリアは積めていないが、その勝負強さや長打力は未だ衰えず。メイクアップにも定評がある。
岩貞祐太
2013年ドラフト1位・LHP
150㌔を超えるストレートを軸に、先発・中継ぎでフル回転する左腕。奪三振能力に長け、様々な役割をこなしてきた。2023シーズンには50試合登板と24Hを記録。
梅野隆太郎
2013年ドラフト4位・C
大山のプロ入りが同期への謝罪から始まったなら、梅野のプロ入りは報道陣への謝罪から始まっている。
鳥谷敬以来のルーキーとして甲子園本塁打を記録するなど、大学日本代表の四番としての打撃を入団当初は見せていた。
ブロッキングや強肩も魅力で、右中間を抜くヒットなども魅力だったんだけどなぁ。どうしてこうなった。
青柳晃洋
2015年ドラフト5位・RHP
フィールディングに難があったり、コントロールに難があったり課題を多く抱えながらそれを1つずつ潰してチームのエースにまで成長した先発右腕。
2年連続リーグ最多の13勝を記録するなど名実ともにエースだった。ここ2年渋いけど。
来期契約について
では、7選手の2025年以降の契約をどうするか。考えます。
大山悠輔:契約延長
「あの、出ていきたいんですが」と言われそうですが大山とは何が何でも契約延長する必要があります。後継者を育てていなかった怠慢でもありますが、ロースターに一塁専門の選手は一人しかいません。背番号8の魔送球を捕れるのは貴方しかいません。
実際4億、5億と出すのは渋いんですが、本部長も言っているようにプライドの問題ですね。
坂本誠志郎:契約延長
さすがにまだいてください。若手の壁となってほしい存在です。あと何年かは正捕手なので、そこでキャリアを積んで、チームとしてはその2,3年で次の代に移っていけば理想ですね。
報道では4年4億で残留とのことですが、適正価格だと思います。
糸原健斗:ノンテンダー
他に切りたい人がいますが、その人はFAではないのでここでは話が出来ません。
考え方として、内野の中堅層が渋滞しつつあるので1枚リリースしておくか、ということです。別に糸原が嫌いなわけではなく、ロースター運用の考え方です。他に切りたい人がいますがこのnoteでは対象外なので。
原口文仁:契約延長
契約延長オファーは大山と同様の理由で出します。メイクアップの部分もだし、戦力として実際必要です。後は本人の考え次第ですね。
実際現実ではFAとなり他球団の話を聞くとの事。よい判断です。
阪神としても戦力と考えオファーはしますが、実際単年換算で4000万円程度出せば頑張ってる方になりますし、チームとしても起用法は大きく変えられません。阪神のオファーを蹴るのも別に不思議ではないと思います。
岩貞祐太:ノンテンダー→安価でよければ契約
今の契約では高いです。
実際にはがっつりと下げて契約するはずですが、自動FAとなれば一旦は手放す形をとるでしょう。
なのでかなりシワイ契約にはなりますが、スペックは魅力ですし実績もあるのでオファーは出すと思います。
梅野隆太郎:ノンテンダー
はい。自動FAなら契約は提示しません。無理もない。
死球によるものなどもありますが怪我もあり、強肩も面影なく打撃も低迷。もし世が自動FAであれば契約は無いでしょう。
既にFAは迎えてそれから3年契約を結んでいる選手なので「自動FAの世界ならこんなところか・・・」となりそう。
青柳晃洋:ノンテンダー
現実、球団の姿勢です。ポスティングを青柳自身が直訴した際には許可が出ず、このタイミングでのポスティングですから、実質ノンテンダーと同義だと思っています。
インタビューによると2024シーズン前にオフのポスティングの許可が下りたようですが、戦力的には先発ローテ6番手を争う序列ですし、何が何でも引き留めようという意思は球団には無かったという事になります。
藤浪晋太郎のポスティングと似ていますね。
しかし、青柳晃洋にとっては大きな決断。ファンの私としても応援しています。マイナーからでも這い上がる意思、「一番下手」な状態から少しでも良くしようという意思をファンへの感謝と共に会見で伝えてくれた青柳。成功を祈ります。
契約のまとめ
以上のように、もし自動FAだったらのifは、大山・坂本・原口の3選手に契約を出し、糸原・岩貞・梅野・青柳の4選手にはノンテンダーという結論になりました。
勿論NPBは自動FAではありませんし、現実世界では退団が確定しているのは青柳一人だけです。
それに坂本、糸原、岩貞、梅野の4名はFA権を保持したまま残留が決まっています(現役ドラフトがまだあります)。
来期の戦力として各々がパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
ロースター運用について
このnoteを書いた趣旨は「自動FAだったら」「全員退団したら」でした。
なのでここからは、全員退団してもチームは大丈夫かについて考えていきます。
ということで失う成績を並べていきます。
量として62.1イニング、1274打席失います。やべえ。
イニングはなんとでもなりそうですが、打席数は多い。
勿論、1274打席来年以降ドブに捨てても試合は成立します。
投手は投げ切らないと試合が成立しませんが、野手は立っているだけで打席を完遂出来るので、イニングを失うよりは傷が浅いとは言えます。
しかし、一塁手のレギュラーとキャッチャー二枚を失うと考えればその穴は大きなものとなりそう。阪神球団は埋められるのでしょうか。
一塁手
まずは130試合に出場している大山悠輔が流出する一塁手から。
他FAでは原口が5試合、糸原も3試合で一塁守備についています。
既存戦力で埋める際、一番手となるのは井上広大です。本職は外野手ですが2024シーズンファームで25試合一塁手での出場があります。
次に渡邊諒。ファームで32試合、一軍で10試合の出場。
それから戸井零士。20試合の一軍出場経験があります。
賄うとすれば一塁経験のある上記の3選手に加えて、前川右京の一塁オプションという選択肢もあります。
個人的な意見を言うと、打力が必要とされる一塁手を通年で任せられる、コアになって欲しいという点では井上広大を推します。
戸井は三塁手のプロスペクトですし。
NPB的な考えだと、一塁手は外国人のために開けておくというのも理論としてはありますので、今後数年はその形で穴埋めするかもしれませんが。
捕手
レギュラー捕手二人がFAとなる公算なわけですが、榮枝裕貴、藤田健斗、中川勇斗と三枚既に保有しているのに加え、ドラフトで二枚(町田隼乙、嶋村麟士朗)補充しました。
経験値は0に等しい捕手陣ですが、人数は居ます。
梅野隆太郎はノンテンダーだと先ほど記しましたが、飽和しているんですね。
中川勇斗という球団傘下No.1のプロスペクトを中心とした捕手陣のマネジメントをこれからやっていくうえで、若手捕手陣に出場機会をどのように分配していくか、フロントの力が試されます。
「競争を勝ち抜いた者が試合に出る」という言葉はよく聞きますが、阪神捕手陣の一軍経験値は0なわけで、ちゃんと色んな選手に試合数を積ませるべきです。もう二番手不足で困りたくないですよね???
投手
正直何とでもなるのが投手の穴です。イニングにして62.1イニング。青柳のポスティングを球団が許可しているわけですから、埋まると考えているはず。私も埋まると思っていますし、この60イニングをちゃんと若手に振り分けて未来へ投資出来れば文句はありません。
打撃面
これでしょうね問題は。大山悠輔の穴を埋めるのは簡単ではありません。
リザーブメンバーがこなしてきた役割は、そのまま若手や新戦力が引き継げばいいですが、今期不調だったとはいえ大山ですからね。
森下翔太、佐藤輝明、前川右京の3名には、これまで以上の成績を残してもらいたいのは当然として、中川・井上の打のプロスペクトの完全開花が必要となります。打線を五人で組むことになった元凶でもある二遊間には、小幡竜平と髙寺望夢の二名がいますし、使う選手・使うタイミングを間違えなければ2024シーズンよりも良い打線になる可能性はあると思います。
つまり大山の穴は大きいが、「他のポジションのレベルアップによってみんなで埋めていこう」ということになります。
結論
選手の数は各ポジションに確保されています。後は運用を間違えず選手が頑張って成長すること。ポテンシャルは充分にあります。
7選手全員放出しても、大きく戦力を落とさず2025シーズンを迎えられると思います。
今後のFA予定
ポスティング
監督交代のタイミングでポスティングが続いている阪神。得てして2年間隔となっていますが、2年後の2026オフに考えられるのは才木浩人です。
この時28歳で才木はオフを迎えますが、球団の戦力としても、構想としても許容範囲内となりそう。高卒入団から10年阪神の一員として稼働し、近年の調子でいけば大きな実績とチームへのタイトルにも絡めたことになり、ポスティングの承諾もやぶさかではないでしょう。
藤川監督の任期内ではありますが、藤川監督の思想からしても可能性はありそうです。
フリーエージェント
近本光司のFAが2025オフに迫っています。
メジャーへの思いを口にしたこともありますし、近本自身の事は本当に本人にしかわからないような人ですから、どうなるかはわかりません。
「パリーグを経験したい」とか「阪神と対戦したい」とかその他想定外の理由を元にFAする可能性は大いにあるタイプです。
まあファンはそんな飄々とした近本が好きなわけですが。
私個人の意見ですが、近本を手放すのは絶対にダメです。
ベッツ、ボガーツとスター選手を次々と手放したレッドソックスのようになってしまいます。
想定として海外FA前年という事でポスティングを志願すれば許可を出し、国内FAであれば財産を投げ売って引き留めて欲しいと思います。
(5年40億でもいいですよ。そのくらいの選手じゃないかなあ)
その他
佐藤輝明のポスティングの可能性は遠くない未来にあるでしょう。というか、そのくらいの成績を出して欲しい。メジャーに憧れはありそうですし、可能性があれば行きたそう。
wRC+換算だと毎年リーグ有数の打者ではありますが、見栄えのある数字をもっと出せるポテンシャルがあります。NPBトップクラスのパワー、走力、強肩に内外野守れる点で、20代で挑戦できれば買い手は現れそうです。
ギャレットからその日三本目のホームランを放ち天を見上げたあのパフォーマンス。ファンは覚えています。もっと高く飛んでくれ!!!