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朗読劇シアター(再演)感想

2024年5月
爆笑おとな小学生さんの朗読劇シアター再演に出席させて頂きました。

 
私にとって初めての朗読劇である初演から8ヶ月
「朗読劇ってこんなに良い物なのか」と認識した最初の作品の再演🎬
シアターオアシスにまた帰って来られたこと、とてもうれしく思います。
 
今回は、25、26日の4公演出席させて頂きました🎒
とても素敵な時間をありがとうございました!

 
竹田海渡さん、草野太一さん、日向朔公さんを中心に初演の感想も交えつつの、ネタバレだらけの感想になります。
(といいつつ、台本からわかることはあまり書いていないので、実際はほぼ備忘録です)
※初演は9月23日、24日に出席させて頂きました🎒 

会場のシアター風姿花伝さん

少しばかりコーヒーも差し入れさせて頂きました☕
   


第一部


 
1969年、シアターオアシス立ち上げの直前のお話。
この劇場が、どんな思いを抱え、どのようにしてオープンに至ったのか。
 
 
初演と同じく千沙子役を演じられていた村上さんの(個人的な)安心感。
佐藤さんの千沙子はしっかり者な印象。
ビラを配りに大通りに出た時の印象がかなり違って、
村上さんは緊張でドキドキしていて、対する倉丸さんの深上少女はしっかりした女の子。
佐藤さんは堂々としていてオープンに向けてワクワクしているのに対し、真野さんの深上少女はとても内気で引っ込み思案な女の子……この子が初日に来てくれたと思うととても嬉しいですね。
 
祥子さんは初演で最初に見た和久井さんのどんと構えた頼れるオーナー感が印象的でとても好きでした。
富沢さんの祥子さんは大変かわいらしかったですね……少女のようにいたずらっぽく笑うのがずるい。
石原さんはアドリブやリアクションが流石👏
千沙子さんを置いていこうとする時の全力な動きも面白かったです🚲
 


困難のさなか、オープンを前に少しワクワクする二人。
祥子さんは戦争を経験した人の強さなんだろうけど、千沙子さんもなかなか度胸がある。
 
 
 
初演の竹田さんの春巻くんは、17歳らしい緊張感と一生懸命さにあどけなさ、そしてうぇ~んと大きな声で泣きながら歩いていくところが大変かわいらしかった記憶なのですが、
日向さんの春巻くんはより真面目で責任感が強い印象でしたので、気を張っていた所から年齢相応にぐちゃぐちゃになって泣く時とのギャップがとても良く。
対して草野さんの春巻くんはなんだかちゃっかりしていて、抜けている所もあるけど、憎めないムードメーカーな印象でした。
そりゃー長谷川さんの泥に顔は塗れませんからね!へへっ!

身長180cm超えの竹田さんが見ても確実にでっかい人である小阪さん……
草野さんも180cm近いので、花塚さんと並ぶと?と思いましたが、しっかり立ち位置の差ででっかくしてくるのがうまい。

 


天希さんのすみれさんが電話をかける前のセリフが、早口なのにとても聞き取りやすくて流石声優さ……おしゃべりのプロ~!と拍手したくなりました👏

初演の順子ちゃんの江戸っ子っぷりと、すみれさんが戸惑いながらしっかり地球感じたり、ゾーンが切れる演出も好きだったなぁ……
 
彼ら彼女らは20代~30代なのだと思って見ていたら、初演の後に「春巻くんは17歳」という情報が出てきてびっくりしましたね……
1969年、終戦時学生だった祥子さんは30代としても、千沙子、順子、すみれもまだ二十歳前後なのかもしれませんね。
すみれさんが一番年上で、千沙子さんが一番年下かな。
でもきっと姉さん女房。
 
 
 

第二部


映画館を利用していたカップルのお話。
二人の初デートの場所。
そして再出発した場所、オアシス。
 


緒方さんのやよいは包容力と母性あふれるお声で、これはきっと献身的すぎて悪気無く男を駄目にしますわね……と思ってしまいました。
福原さんは"大きな声で笑う"てつやらしくシンプルに声がでっかくて、声をひそめる、絞り出す時の対比が苦しい。
 
熊澤さんのやよいは、てつやが守ってあげたくなるのがよーくわかる清楚で一途なお嬢さんで、こんな男やめなやめな!と、ふうこの気持ちになってしまいました。
でも、結局ふうこの目論見は雨となり地面を固めることになる。

竹田さんのてつやは、憧れの女性を守り並び立つ為に背伸びして上手くいかなかった自分への失望、惨めな気持ちで自暴自棄になってすべて投げやりになっている感じが辛く。
酔った時の甘え声を聞いて、本当のてつやはやよいちゃんにもこんなふうに甘えたいんだろうなぁと。
 
「やっぱり出ます」の所、福原さんはこそこそ逃げるように出て行こうとする。
竹田さんはわざとらしく大きな声を出し、それでも引き下がらないやよいを突き放すように声を荒げ、酷い言い方をする……
 


お互い酷い事をしたと謝り、胸のうちを吐き出して学生時代の告白のシーンをなぞり、将来を約束するシーンでは、結末をわかっていても涙を流さずにはいられませんでした。
 
流れていたのは……ここでもきっとローマの休日。
映画のラストにたどり着く前にこの二人の話は決着したのでしょうね。
 

ふと。
てっちゃんは置き手紙がやよいちゃんの物だとを、文字から気付くことは出来なかったのでしょうか?
……文通でもしていないとわからないか。
記憶のない知らない部屋で目覚めた動揺、二日酔いのぐるぐる回る頭で認知能力が落ちていなければ、あるいは……?


 
初演のしおりはもっとあからさまに甘ったるい声でハニートラップを仕掛けていた印象でしたが、橘さん元気で良くしゃべってグイグイくる感じ、折原さんはしっかりした自信家な印象。
 
初演で二葉さんが電柱にぶつかるシーンでアドリブをぶっこんで笑いが起きていたので、今回もあるかもと密かに楽しみにしていたのですが、今回はそのシーンではてつやにライトが当たらず少し寂しい気持ち。
「謝れる大人になりましょう」
「歩きスマホはやめましょう」
笑う場面ではないと言われてしまうと、それはそう。
 

「タンポポ見つけたんだって!本当だってば!」
 

第三部



シアターオアシス閉館に際して自主製作を行う学生たちと、オアシスとともに育った映画監督のお話。
 
吉武さんと春日さんのもな&涼華は、揺れるハーフアップがかわいい印象と声がそのままぴったり、二人ともかわいらしくてふわふわした感じ……!背景に可憐なお花が見える。
祥子さん役の春日さんは可愛すぎる……!と思って見ていましたが、涼華はイメージぴったりでした。

福山さんと村上和叶もな&涼華は元気で活発!
なのにお二人ともオタクになった時の変な子なお芝居のオタクの解像度が高い。
 
 


シアターは立ち位置の移動も多く、朗読劇でありながら演劇に近い印象ですが、今回一番印書的だったのは最終日の三部。
草野さんが深上さんや塚原さんが出てきたシーンで、元木くんの台詞のずっと前から目をぱちくりさせてリアクションしていたのですが、実際の台詞の箇所では台本を閉じてバンバンと叩き、長台詞を早口でまくし立てる完璧なオタクでかっこよかったですね……。
「つ、つつつ~、ちゅかはらゆたかさん!」

それから、ひなちゃんにつままれたのが鼻や耳なのが面白かったですw
 

元木くんが春巻くん役を演じるという設定、兼役の良さがしっかり効いていてよかったですね!
草野さんが眼鏡をかけたのには、見た目はもちろん、眼鏡に手をやる動きにも大きく二人の差が出ていて、賢いなぁと話していました。
(ちなみに、このために自前の伊達眼鏡からレンズを外したそうです)

日向さんの棒読みが本当に棒読み過ぎて逆にお上手。いじられた時のムキになった感じもあって、いろいろ変わった子が多い中での確固たる真面目な常識人枠らしさが際立つ。

一番頼りにならなそうな元木先輩は断トツで森永さん。
 


星野さんのひなちゃんは、小さい体で堂々とした立ち姿、太い声を出したかと思えば、ささやたり可愛い声で照れたり、元木くんを茶化す対比が可愛かったですね。
その立ち姿と太めの声に、初演の湯田さんを思い出しました。湯田さんのおさげ髪のひなちゃんも可愛かったもんなぁ……

三島さんのひなちゃんは、可愛いお顔で変顔と中二病が全力。
掲げたその手、いつまで上げているんです?
おっきな瞳が零れそうなほど目を見開いて驚いたかと思えば、鼻をほじって鼻くそ飛ばすわ裾に拭うわで笑ってしまいましたw
 


倉丸さんは声も動きもきれいで本当に美魔女!学生時代もしっかりした印象だったのが、二部でははっきりした話し方になり、三部では年を取ったというより、先生らしいというか、教える人、語り掛けるような話し方になったなぁという印象でした。塚原の扱いは一番雑。

真野さんの深上さんは、少女時代とっっっても内気そうだったのが、時を経て深みと貫禄のあるお声に。彼女の人生に思いを馳せさせられました……
「一番好きなのはおばあちゃん!」
ってこういうことー?と思いもしましたが、このアドリブに特に意味は無かったそうです。
 
初演ではねっとりした話し方と、動きがうるさくて若い印象だった塚原、今回は動きがおとなしくなって、服装の印象もあり少し年齢が上がった印象でしたが、今回は話し方のクセが強い強い。
不自然な撥音の間に「たっくさん」といった不自然でない撥音が入るのが気持ちよかったです。

最終公演でもな&涼華が
「はいっ、しっしょー!」
と真似していたの、とても可愛かったなぁ。
 
 
そういえば、初演で祥子さんが退場する時に、一度立ち止まり、振り返ってゆっくりと会場を見渡し、静かに微笑んで去っていくのが本当に美しかったな、と。
 
 
 
 
 

エピローグ


いや本当に春巻くんが千沙子さんと結婚するまでのエピソードが気になりすぎる。
すみれさん、恋バナ大好きなんですからもっと茶化してもいいんですよ。
照れ照れな村上さんに対して、佐藤さんは最後投げキスしていたような記憶……
何度も振って根負けして結婚した割にちゃあんとラブラブなんですねぇ。
よかったねぇ。
そして春田夫妻の娘さんの華子さんはお婿さんを貰って、鈴華ちゃんが生まれるわけですよ。
現在の千沙子さんと春巻くんの様子も少しだけ見たかったですね。
 

長谷川さんが春巻くんの肩をたたくシーンでは、日向さんのときはしっかり見つめあって言葉のいらない信頼感を確かめ合っていたのに、
最終日の草野さんのときは、立っている側と反対側の肩を叩いてきょろきょろさせたり、脇を小突いて"やめてくださいよ~"という動きをしていて、演者にあわせたお芝居だなぁと感心していました。
 

天希さんの7人の母の動きがかわいかったですね。
ふうこはしっかりしているので、きっと旦那さんをしっかり尻に敷いて立派な母になったのだろうなぁ。


エピローグは兼ね役を務めたお三方の台詞が多いので、その差を感じやすかったですね。
根本さんが順子からふうこに変わるときの演じ分け、話し方やお声はもちろん、小さいお顔の表情がすっと変わるのが見えて素敵だった……
 
 

初演の石原さんのやよいは、出来る女なのにてつやにだけは甘いというイメージで、二葉さんのてつやはほかにもパトロンがいてもおかしくないヒモ男の印象だったのですが(これはおそらく髪型と衣装による印象が強い)、エピローグでネクタイを直す新婚さんムーブがとっても好きだったなぁ……

緒方さんと福原さんは同じ方向を向いて歩きだした夫婦という感じ。

竹田さんと熊澤さんのエピローグでは、恥ずかしそうに遠くと相手を交互に見て、合わない視線がたまに合うと恥ずかしそうに微笑んでまた目をそらす、とっても初々しいカップルになっていた……歯がゆい……これはこれで尊い……
 

そういえば、初演の時は気が付かなかったのですが、塚原さんも一部の映写技師さんの御親類なのでしょうね。
 
 

カーテンコール・アフターイベント等


 
星野さんの物販のお知らせが、堂々としたひなちゃんはどこへやら、とてもたどたどしくてかわいかったですし、隣の花塚さんに助けを求めるのも、花塚さんが頼れるお兄さんしているのも可愛かったです。
カンペは大事。
他のキャストの皆さんも笑いながら見守っていて、とても暖かい空間でした。
 
25日のチェキ会でハートを要求するお客さんに塩対応する村上さん(お決まりの流れなのかな?)と、横で満面の笑顔のまま一生懸命村上さんの手をハートの形にさせようとする緒方さんが可愛くて面白かったw
 

千秋楽で一度はけた後の自己紹介、竹田さんが
「ヒモ!竹田海渡でした!」
と最後に笑いをかっさらい、女性陣が
「……ヒモ?w」
「ひも?」
とざわつき、草野さんの
「もう一回行きましょう」
からのたっぷり間を取って
「……てつy」「以上で終わります!」
流れが完璧過ぎて👏さすが石原さんです
 

女性陣は本編で絡みの無いキャストさんが静かにキャッキャしていてそれはそれでかわいいかったですし、台本の裏表紙が折れて最後まで動きがうるさい(※褒めています)竹田さんと、後ろであわあわしている草野さんが見られて幸せでした。
集合チェキ会もなかったので、思い出すきっかけすらもう記憶の中にしかないのが惜しいですね。

「台本は持ち運びやすいサイズになっていて、電車でもお風呂でも読めちゃう!」
お風呂はさすがにですが、帰りの電車でも、翌日の新幹線でも配信を聞きつつ、台本を眺めながら帰路につきました。

 
一番最後にもな&涼華が一緒に上映中の看板をひっくり返そうとして、手が交差してしまってぐだぐだになるところまでとてもかわいかった……
 

 

最後に 



同じ演目でも、配役や演じ方が少しずつ違って、舞台セットも少し手作り感のあるかわいさがあり、新鮮さもありながら、暖かく懐かしい気持ちが入り混じって、わかりきった展開にも関わらず、今回も涙が溢れてしまいました。
 
ちょっとレトロでかわいい衣装は、オアシスの制服のイメージなのでしょうか。
兼ね役の関係で衣装替えが間に合わないのだろうなぁとは思いつつ。
初演は学生は制服、衣装替えもあったことを考えると、印象としてどうだろう?と思っていたのですが、初演を見て内容を知っている者としては思っていた程の違和感はありませんでした。
 


役者が変わればキャラクターの印象も大きく変わり、人間性や関係性の考察も変わってきますし、マチネとソワレでも演じ方が変わったり、面白いアドリブが挟まったり。
何度も見ると解像度も高まってどんどんお話が好きになる。
 
遠征勢なので見られる公演は限られてくるのですが、複数回出演される方は皆さん花塚さんのように相手によっても演じ方やキャラクターの捉え方を工夫されたりしている方も多いのだろうなと。

今回は2日間4公演しか出席できませんでしたが、またオアシスに帰ってこられたこと、とても嬉しかったです。
幸せな時間をありがとうございました。
 

シアターオアシスとの再会、そしていつかの再出発まで、しばしのお別れ。



『作品が輝くための全てに、感謝を。』 




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