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全国ヒーロー会議!!バーチャル町会でつながる活動の"わ"

こんにちは。渋谷ファイヤー通り町会(仮)代表の上田奏です。

2020年6月14日、渋谷おとなりサンデーの一環として、全国で活動するゴミ拾いのヒーローが一堂に会し、第1回『全国ヒーロー会議!!バーチャル町会でつながる活動の"わ"』と銘打ったリモート会議が開かれました。

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渋谷おとなりサンデーとは?

まず、コトの発端となった「渋谷おとなりサンデー」とは?

簡単に言うと、毎年6月の第1日曜日を、"ふだん話す機会のない近隣の人ともっと顔見知りになる日”にしようというコンセプトで、2017年から渋谷区で始まった取り組みです。
詳しくは...
 https://shibuya-otonari.jp

フランスのパリで、1999年に「隣人祭」というものが始まりました。それは、孤独死に心を痛めた青年が、「もっと近所の人たちと顔見知りであれば、こんな悲しいことは起きなかった」と、アパートの中庭にワインやチーズ、パンなどを持ち寄って、年に一度集まる日でした。そうしたら、翌日からあいさつを交わすようになりました。アメリカでも近隣の人たちとさまざまな活動を一緒に行なう「ネイバーズデイ」という日があります。
 渋谷おとなりサンデーは、この素敵な話のようなことが渋谷のあちこちで起こったらいいな、と思い、2017年から「6月の第一日曜日は“渋谷おとなりサンデーの日”」と決めました。おとなりさんと知り合いになろう!という日です。
 東京のような都会では、隣に住んでいる人のことを知らないとか自治会に入っていないとか、住んでいる場所には誰も知り合いがいない、などということがよくあります。特に渋谷20代から40代の人の多いまちです。働きに来る人、学校に通う人、遊びに来る人もたくさんいます。だから、渋谷では、渋谷に関わる人たちみんな含めて、“おとなりさん”です。持ち寄りパーティをするもよし、いつもの清掃活動をこの日に合わせてもよし、フリマやマル
シェをしてもよし……と、アイデアを思いついたらなんでもいいんです。簡単なことでいいんです。人に声をかけて一緒に何かやる日。それが渋谷おとなりサンデーです。

以上 おとなりサンデー公式HPより


こうして始まった2017年から2019年までの3年間で、渋谷区内全域でのべ238件もの”おとなりサンデー”が開催されたそうです。

そして4年目の今年は、コロナウイルス感染拡大防止の観点から「オンラインでつながろう!」を合言葉に、全ての企画がオンライン上で行われることになったのです。

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ファイヤー通り町会(仮)とは?

そして、この「渋谷おとなりサンデー」での企画をきっかけに誕生したのが「ファイヤー通り町会(仮)」というコミュニティです。
誕生のきっかけや経緯はこちらをご参照ください↓

ファイヤー通り

ファイアー通りに捨てられるゴミの多さを見かねて、5~6年間、一人でゴミ拾いを していた上田奏さん。←私 
2017 年に渋谷おとなりサンデーが始まることを知り「活動を広げるきっかけになるかも」と考え、近隣の方々に声をかけて「ファイヤ ー通りゴミゼロ大作戦」を実施。2018年のおとなりサンデーでも同様の企画を行い、徐々にゴミ拾いの輪が広がりました。
3年目の2019 年には、通り沿いの渋谷消防署、スター バックスコーヒー渋谷ファイヤー通り店とのコラボ企画を開催。当日には、渋谷区を中心に活動するボランティア団体「リアルライフヒーロー」の方々も参加しました。以降、SNSを通して全国のヒーローやヒーローに憧れる近隣の子供たちも集まるようになり、毎月1回のゴミ拾いとスターバックスコーヒーでの交流会が定例化。同年12月には「おとなりサンデー歳末編」として渋谷消防署とコラボした消火訓練も実施しました。
こうして、渋谷おとなりサンデーをきっかけに、渋谷区内外の人もファイヤー通りに集まるようになり、ゴミ拾いだけでなく、地域の防災や防犯に関わる活動も増えていきました。
そして 2020 年 2 月、この活動がより発 展・持続できるよう、新しい形のコミュニティとして「ファイヤー通り町会(仮)」(※) を立ち上げるまでになったのです。
※「ファイアー通り町会(仮)」は、地縁に関係なく様々な人が集まり活動する「仮想の町会」とい う意味。

最後についている(仮)は、記事にもあるよう、リアルな住民はゼロだけど地縁に関係なく様々な人が集まり活動をする「仮想の町会」=「バーチャル町会」の(仮)ですが、

他にも

「渋谷区には現在105の町会・自治会があるけれど、そこにはカウントされていない"仮"の町会である」とか、「メンバーにはなぜか仮装の人が多い」という由来もあります。

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2017年以来、毎年リアルでゴミ拾いイベントを企画していた訳ですが、オンラインで!となった今年。おとなりサンデー当日が迫った6月某日、町会(仮)メンバーでzoom会議を開きました。


そこでアイデアを出し合った末、オンラインだからこそできることを!という視点で、過去ファイヤー通りの活動に参加してくれた方を中心に、全国のゴミ拾いヒーローのみんなとオンライン会議を開いてみよう!というコトになりました。

そこでみんなで決めたタイトルがこちらです。

全国ヒーロー会議!!!
バーチャル町会でつながる活動の"わ"

"わ"は、「輪」、「和」、「環」など様々な意味を表しています。

そして町会(仮)の青年部長スラウザー君を中心に、主にTwitterを通して全国のヒーローたちから参加者を募ったところ、1週間でなんと15名ものヒーローが名乗りを上げてくれました。

全国ヒーロー会議 参加メンバー

以下、参加者をざっと紹介します。(敬称略)

ばれん太 

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さくと(小3)

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渋谷自由革命 SAO(中1)

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クロ鰐

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サツキ

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スラウザー

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ベビーカーおろすんジャー 活動場所:方南町

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ネイビークロウ 活動場所:秋葉原

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マロンスパロウ 活動場所:秋葉原

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Knight 活動場所:名古屋

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SPIDER-MAN 活動場所:京都

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グリーンピース 活動場所:大阪

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リスクランナー 活動場所:大阪

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浄化ー 活動場所:大阪

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アンモビウム 活動場所:大分(中津市)

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以上15名の個性豊かなリアルライフヒーロー&リアルキッズヒーローに加え、

村上記克さん(from 浜松うみざくら/ルートート)

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岡崎千治さん
(千駄ヶ谷大通り商店街振興組合理事)

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森田由紀さん(シブヤ区議会議員/グリーンバード代官山チーム副代表)

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加藤房秀さん
(おとなりサンデー事務局/シブヤ大学)

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4名のコメンテーターをお迎えし、町会(仮)代表の私上田をファシリテーターとして20名でのオンライン会議がスタートしました。

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テーマ1「活動で地域とつながる」

この会議では主に2つのテーマについて話し合いました。

まず一つ目は「活動で地域とつながる」
ゴミ拾いやボランティア活動を通じて、地域とのつながりをどうやって構築していくか?といったテーマで、各地のリアルライフヒーローにそれぞれの地域との関わり合いについて話してもらいました。

▪️ベビーカーおろすんジャー:東京(方南町)

 8年前から活動を始めて、長い間、駅や街に立ってお手伝いを続けているうちに町の方々が徐々に心を開いて信頼をしてくれるようになった。
 商店街の人は掃除をしながら挨拶を続けたりするうちに、力を貸してくれるようになった。「おろすん祭り」をはじめた2年前は、作り手2人、来客3人というような状況だったが、今では商店街の人やヒーローがどんどん手伝ってくれている。
スーパーではなく商店街の八百屋さんを使ったりとか、1日1回ジャガイモを買いにに行くだけなんだけど、街の人と挨拶を続けるうちに「一緒作ってみようか」みたいな感じで輪が広がっていった。
多分挨拶をしていなければ何もなかったかもしれない。掃除しながらの挨拶だったり声をかけたりすることは大切だと思う。

▪️HibridJokers:大阪(日本橋)

最初は大阪の日本橋だけで活動していたけど、SNSで知った人が「うちの地域でもやってほしい」「イベントに出てほしい」と他地域から声がかかるようになった。
浪速区のまちづくりセンターの方から「ごみゼロ作戦」に誘われて一緒にやるようになった。SNS、口コミからだんだん活動が知れ渡り、地域を超えてあちこちから声がかかるようになった。

▪️URBAN CRUSADERS:東京(秋葉原)

まだ秋葉原で活動を始めたばかりでまだ地域とのつながりは色濃くないが、千代田区の清掃事務局と話して、回収したゴミは引き取ってもらっている。
秋葉原は異質な街ではあるけれどウェルカムな感じで対応してくれている。

▪️StardustHeros:名古屋(大須商店街)

SNSで活動を紹介されたことをきっかけに、地元の議員さんが視察に来て一緒にゴミ拾いをしてくれた。以降問題意識を持ってサポートしてくれている。

といった声が聞かれました。

やはり基本的なことではありますが
●街の人との積極的な交流。
●SNSでの活動発信。

こうしたことを積み重ねていくことで徐々に地域と繋がって、そこから活動範囲や輪が広がっていっていることが見えてきます。

一方で、ヒーローたちの活動は、街や行政の人からはどう受け止められているのでしょうか。

▪️岡崎千治さん(千駄ヶ谷商店街振興組合)

ヒーロー姿で掃除などの活動をすることで、特に子供達には近しく感じるし意義がより伝わりやすいと思うのでそれが地域のためになっていると思う。ゴミ拾いだけではなく、地元のお祭りに参加してもらったりすると子供たちも喜ぶし、ぜひ地域の行事などにも気軽に遊びに来てほしい。

▪️村上記克さん(浜松うみざくら)

ゴミ拾いやボランティアを「ストイックにやる」というよりは「楽しんでやる」ということが伝わりやすいのでヒーローたちの活動は教育的にもとても良いと思う。

▪️森田由紀さん(渋谷区議会議員)

地域に愛着を持って自ら率先してやっているということを、もっと地域の方、行政にも知ってもらって一緒にできることを模索していきたい。
ゴミ拾いなどの活動は、必ず誰かは見ていると思うのでどんどん人との接点を作っていってほしいし、誰かと一緒にやることによってお互いの気持ちや考えていることが混ぜあっていくことで相乗効果が生まれていくと思う。

せっかくやるのならもっと地域や行政の課題にフィットしたことにつなげていただくとよい。地域や行政にもっと前に進むためのヒントを問い合わせなりしていただきたい。お互いに認識し合って、もっと助け合えるような関係になっていけたらよいと思うし、せっかくの力をもっと行政に伝えてほしい。
 
例えば、ごみの回収など具体的にこういうことをお願いしたいと頼ってほしい。勝手にやってることだからいいや。と思わないで、お願いしたいことがあれば役所など行って頼って相乗効果を期待したい。まずはどんな部署で取り組んでいるか?をちょっと調べてそれぞれの地域の行政機関を訪ねてもらいたい。

▪️加藤房秀さん(渋谷おとなりサンデー事務局)

「渋谷おとなりサンデー」は、渋谷から他の地域に広がり始めている。
渋谷から引っ越した方が引っ越し先で始められるケースなどもある。
「顔見知りを増やそう」「地域のつながりを活性化しよう」というのはどこの地域でも課題になっていて、他の自治体からも「おとなりサンデーってどうやってるんですか?」という問い合わせがあり、相談を受けている。
(4年目となった)渋谷では、「おとなりサンデーだから一緒に何かやりましょうか」と、地域とつながりやすい状況が出来てきている。
「○○おとなりサンデー」として、皆さんそれぞれの地域でも取り組んでもらって全く問題ない。

▪️岡崎千治さん(千駄ヶ谷商店街振興組合)

渋谷区では、今は行政の取り組みは全て「環境」が基本。
どの部署も「ゴミ拾い」だったり「街を綺麗にする」っていうのが最上位課題。みなさん(ヒーロー)の活動はその根底を支えているので本当にありがたい。
渋谷だけでなく、今はどの自治体もそこのところ(環境)に戻って来ている。だからその流れを読めばラインが見えてくる。


ヒーローたちの話からも、地域によってそれぞれの課題もあるけど、共通することもたくさんあることがわかりました。

例えば、ごみの回収や処理の問題。
ファイヤー通りでは、最初は私が一人でゴミ拾いをしていたので、持ちきれない量のゴミを専用のごみ捨て場まで持って行くことが難しく、何度も区役所に足を運んで、担当部署の方と相談してベストな方法を探っていきました。

またセンター街など渋谷の中心部で活動するときは、ファイヤー通りと同じ回収方法は物理的に不可能なので、今年から渋谷のMEGAドンキさんに回収を引き受けてもらっています。こちらはドンキの店長さんに相談に行ったところ、その場で快諾してくださって、一部ゴミ袋も提供していただいています。

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また他地域のイベントでたまたま同じテーブルになったご縁で、トートバックメーカーROOTOTEの社長さんと知り合いになり、ROOTOTEオリジナルのゴミ箱にもなるゴミ拾いバッグ「ルーガービッジ」を使わせてもらったりもしています。

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行政だけでなく、地域の企業の方にも「地域の役に立ちたい」「環境を改善していきたい」という気持ちがあると思うのでそういった企業を見つけて相談してみるのも手ではないでしょうか。

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