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不妊治療:義妹の2人目妊娠から思うこと

妊活中に1番心を乱すのが、知り合いの妊娠報告。ベビ待ちの方なら絶対に経験したことのある感情だと思います。この年齢になると、同年代の友達の2人目、3人目報告は日常茶飯事とまでは行かなくても受け入れるようになります。ちょっとしんどいのが最近結婚したばかりの友達や後輩の妊娠。

「え、もう妊娠したの!?」(驚き)
「いいな〜」(嫉妬)
「なんで私たちは・・」(自己嫌悪)

いろんな感情が入り混じりますよね。それに加え、他人の幸せを素直に喜んであげられない自分の心が嫌で嫌で、さらなる自己嫌悪に陥ってしまうんです。

つい最近、義妹(夫の弟の奥さん)が2人目を身ごもったという報告を義母から受けました。今回はそのお話です。

義弟夫婦の2人目不妊治療

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義弟夫婦は私たちよりも5歳年下の20代後半。私たちよりもずっと早くに結婚し、早々に女の子を授かっています。若いのにすごくしっかりした2人で、長女ちゃんもすごく可愛くて、私にもすごく懐いてくれています。

長女ちゃんが幼稚園の年長さんに上がった頃、ひょんなことから、義弟夫婦も2人目不妊で不妊治療をしていることを知りました。しかも、その頃私たちはまだタイミング法だったのに対し、義妹ちゃんはすでにAIH(人工授精)を5回を終えて全て陰性でした。

弟夫婦も原因は不明ということでしたが、1つ共通していたことは、夫と同じく義弟の精子の状態も良いほうではない、ということ。そこから、なんとなく何かがはじけ、義妹と普通に不妊治療の話をできるようになりました。

最初の頃は、「それでも1人いるんだから私たちよりは良いよな〜」と思っていましたが、夫にそれを言うと、

「Itsuki、それは言うのはやめよう。義妹ちゃん、長女の幼稚園では他のお母さん達はみんな2人目を連れてて、自分だけ辛い思いをしてるって弟が言ってた。不妊の悩みは人によって違うよ。人と比べたらダメだよ」

と。不妊に関しては夫のほうがしっかりと前を見据えています。

腹腔鏡検査

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そんな中、私たちが夫の海外赴任に出発する約1ヶ月前、義妹が数日入院して腹腔鏡手術を受けることになりました。不妊治療における腹腔鏡検査とは、ある程度の回数の人工授精で結果が出ない人が、体外受精に進む前に勧められる検査です。開腹ではなく、お腹に小さな穴を開けてそこから腹腔鏡を入れて内部を観察し、不妊原因を探ります。

全身麻酔での手術検査ということで、義母は大変心配をしていました。おそらく、義母は不妊治療の流れや内容を熟知しているわけではなかったので、「全身麻酔までして何の検査する必要あるんだろうか」と思っていたのだと思います。しかし、私の不妊治療アドバイザーの話によると、腹腔鏡検査は高度不妊治療へ進む前に踏んでおくべきステップとのこと。それまで発見できなかった不妊原因が見つかれば、その治療に転向することができるし、もし何も見つからなければ体外受精に進むきっかけになるということでした。

義妹の検査結果からは何の問題も見つからず安堵。その後の治療予定を聞く暇もないまま、私たちは海外へ出発したのでした。

腹腔鏡検査から半年足らずでの懐妊報告

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海外出発当日の朝、私はなんと最後の人工授精を受けに婦人科へ行きました。まさか出発当日に受けることになるとは・・・。荷造りでてんやわんやの中病院へ。夫は前日一睡もしていなかったため、精子の状態は最悪に悪く、半分あきらめモードでしたがなんとか受診して帰ってきました。

空港まで送ってくれる弟夫婦に、「今日実は最後の人工授精を受けにいってきたんだ」と告げると、義妹ちゃん「そうなんですね。私たちはこの間夫婦で体外受精の説明会に行ってきたんです」と。

そうか〜、腹腔鏡検査も終わって、いよいよ次の一歩に進むのか。頑張ってほしいな、成功したらいいな、と心から思いました。

そこから4ヶ月でまさかの妊娠報告。正直、いきなりすぎてびっくりして動揺してしまい、いろんな感情が湧き上がってきました。ずっと頑張っていたのを知っていたから、心から嬉しかったし、義父母の喜んでいる姿を想像すると、私もその場で一緒に喜びたかった・・とよくわからない願望にかられました(笑)。

それと同時に襲ってきたのが、たくさんのいろんな複雑な感情です。

義妹の妊娠でおそってきた色々な感情

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私も早く日本に帰って高度治療を受けたい
まず最強はこれです。私は人工授精を3回受けたところで夫の海外赴任に帯同して出発だったので、不妊治療を志半ばにして終了せざるを得なかった。これが心から悔しいと思いました。海外なんか来なければ今頃高度治療に進んで今頃赤ちゃんできてたかもしれないのに!

でも、もちろん精子凍結でもしていない限り、自分だけ日本に帰ったところで不妊治療はできません。今は主人と一緒にこの国に住み、独自のタイミング法で妊活する以外方法はないのです。
(この国の医療での不妊治療は考えていません)

長男夫婦だけ子供がいない絵を想像してしまう
主人は3人きょうだいの長男で、2つ下に妹、さらに2つ下に上記で紹介した弟がいます。3きょうだいで子供がいないのは私達だけ。さらに、義両親も含めた4家族が同じ小さな集落に住んでいるため、もう全家族で一緒に住んでいるようなもんです。甥っ子・姪っ子たちはとっても可愛くて、私のことも慕ってくれるし、一緒にいて本当に楽しい思いをさせてくれるんですが、一緒にいればいるほど、自分たちには子供がいない、ということを実感します。そこにいると、ふと「私の存在ってこの家で意味あるのかな」という感情にかられてしまうんです。義両親からしても孫は可愛いですよね。では、子供のいない私の存在ってこの家族にとっていったい何になるんだろう、と思ってしまいます。

義両親はとても優しいので、「息子と結婚してくれただけでありがたい」と言ってくださいます。でも・・・本当は長男夫婦に子供がいないことをどう思っているのかな、というのは常に考えてしまいます。

日本に帰ったら腫れ物扱いされるのではないか
これを今1番懸念しているかもしれません。義弟夫婦にも2人目ができ、いよいよ子供ができないのは自分たちだけになりました。私達に子供ができないことは周知の事実だったとしても、ここまでできないとなると、変に気を使われたりするのではないか。
住んでいるところは小さな集落なので、近所付き合いも大事です。よくいますよね、噂話好きの近所の年配のおばちゃんたち。「あそこの長男夫婦だけまだ子供できないらしい」と井戸端会議でもされるんだろうな、とか(笑)、とにかく周りの目を気にしてしまう。義母は毅然とした方なので、そんな話は一蹴してくれるとは思いますが、義両親にも気を煩わしてしまうんだろうなあといろいろと心配してしまいます。

義妹の2人目妊娠から思うことまとめ

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義妹が不妊治療を頑張っていたことを近くて見て知っていたので、2人目の懐妊の報告はとても嬉しかったです。しかし、いろいろな感情が湧き出てきたのは事実で、私は子供ができるまで、この感情をうまくコントロールしながら過ごしていかなければなりません。

しばらくたって義妹ちゃんにおめでとうLINEを送ったところ、腹を割っていろんなことを話してくれました。すごく悩んでいたこと、精神的にボロボロになっていたこと、あきらめかけていたこと。そして、腹腔鏡検査を受けて体外受精に進もうと決心したところ、最後のAIHで授かった、とのことでした。

すごい!嬉しかった反面、喜びが入り混じった複雑な表情をしている私を見て、夫は

俺たちも頑張ろう!弟にできたんだから、俺にだってできないわけない!な?頑張ろう!

とガッツポーズをしながら励ましてくれました(笑)。そう、そうやって前を向いて歩くしかないんです。ウジウジしてても前向きになっても何も変わらないんだったら、前向きでいたいですよね。妊活に関しては夫のポジティブ思考にとても助けられています。自分を保つ活力になっています。

よし、頑張ろう!私もいつか絶対母になる!夫を、この人を絶対にお父さんにしてあげたい。その日を目の前に見据えて歩いて行こう。

Itsuki



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