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夏を目前に。

5月も中旬。日もグーンと長くなり、日中暑くなってきて、衣替えも完了。今頃なら毎日のようにツアーの仕事をしているはずでした。今年は全く異なった状況です。今日も私の仕事はありません。イタリアはロックダウン解除され、行動制限はありつつも、少しずつおっかなびっくり、外出を「再開」しました。もちろん、新コロナウィルスの感染予防は欠かさず、マスクと手袋の着用は義務です。

先週、2020年5月7日のコッリエレ・デッラ・セッラ紙で、レオナルド・ベルベリ記者による旅行業界現況についての記事が出ていました。

『コロナウィルスの中、世界の国々は封鎖と経済危機で、もう移動することもできない。本格的回復は2021年と2022年の間だろうと予測されている。旅行業界の企業はどう動いているのか。私たちは新しい旅の仕方を学ばなければいけないだろう。どうやって目的地を選ぶか、どんな移動方法(乗り物)で行くのか、どうやって、いつ予約するのか、一旦目的地に着いたら何が必要になってくるのか。2カ月以上世界のほとんどがコロナウィルスとその感染拡大防止のために国ごとに決められた行動制限によって停止している。週末旅行やハネムーンなど予定されていたたくさんのヴァカンスがなくなった。 空港は空っぽ(イタリア内の空港経由では4月末はマイナス99%の乗客)もしくは一時的に閉じられている。航空会社は国際線大型機の約3分の2を稼働させていない。クルーズ船は港に碇泊し、ホテルはもう宿泊予約を受けていないし、遊園地は何ヶ月も開けられない可能性がある。 «何年も大きな事件での脅威や壮大な目に見える衝撃を経験してきたが、ついに私たちの生きる方法をゼロにし、私たちが経済的に生き残ることすら脅かしているのが目に全く見えないことだった»、と世界の有名な航空会社のうちの一つもコッリエレ紙広告部との最近の会話でこう漏らした。2021年にゼロからの再出発をする。それまでの間に、効果的なワクチンが見つかることを願って。
それだけが期待できることだ。』

一年のうち、観光のハイシーズンは4月から10月。そのハイシーズンの冒頭、私たちは安心して旅することも出来ない状況にあります。見込みでは、イタリア国内移動が出来るようになるのが6月初旬の予定です。国際間旅行についても時期が検討されていますが、これはイタリアだけの問題ではありません。世界中航空便で行き来が出来る現代では、スペイン風邪の100年後にやって来たパンデミックに対して、どういった政策方針で「移動」を再び出来るようにしていくかが今後の焦点になってきます。100年前とは全く状況が異なりますから。経済活動のベースが国内生産消費ではない現代であるがゆえの問題です。戦後、国際社会は複雑に発展を遂げて来ました。

夏、観光ハイシーズンのピークに世界中からの観光客がイタリアに来られない、もしくは仮に再開しても減少するとなると、イタリアの経済は壊滅的な危機に陥る可能性は高いです。そうなると国だけではどうしようもないので、そのためにヨーロッパ連合から「援助金」という名の「借金」をしなければなりませんが、なかなか話が前に進みません。そうこうしている間に夏はもう目前に迫っています。

この史上最大の危機をどう乗り切るのか。蛇に睨まれたカエルの如く手も足も出ない状況。このピンチをチャンスに出来るかどうかは私たち個人にかかっています。今までのやり方ではなく、新しい考え方と方法を見いだせるかどうか。ここ数週間、オンラインで何か始めるとか動画を作成するとか、すでに同僚や他業種で始めているように、ヴァーチャルでのサービス提供なども考えてみましたが、私には「今じゃないな」という結論。私にとっては、今はアウトプットではなくインプットの時期だと思うことにしました。

読み始めたのは、聖書の中でも(マルコ、マタイ、ヨハネ、ルカによる)福音書、ホメーロスのギリシャ叙情詩「オディッセイア」。他にも参考文献は古代書からで、哲学や宗教から宇宙の中に生きる私たちが置かれている立場や状況を知ることができる昔の人々が書いた知恵の書を紐解くという時期に充てます。

世界中が移動できない中、旅行観光の仕事ができないので、今は待機するのみ。待機中は自分と向き合い、いにしえの知恵から勉強する夏になります。近場の自然を見に行ったり、勉強し美術館には足を運びます。


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