あまのじゃくな先輩にシン・エヴァ観せたら壊れるくらい泣いてた話。
アニメ新世紀エヴァンゲリオン(通称エヴァ)をご存知ですか?
1995年に放送され社会現象にもなった超有名アニメなのですが、これが26年かけて一昨年映画館にて「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の上映でもって完結しました。
これがとても素晴らしい作品なんです。
僕はエヴァを中学の頃初めて観て長年の時を経て一昨年完結を見届け、恐ろしく感動しました。
シン・エヴァの感動理由は作品の質もさることながら、エヴァという世界の代表的コンテンツが1つこの作品でもって完全に終わるという衝撃が大きいからだと思います。複雑かつ出口の見えないこの作品は誰しもがそう簡単に終わるはずがない、いや下手したら終わらないとずっと思っていたので。
そんな僕と全く同じ境遇だったこの先輩ネイチャーバーガー笹本氏。
笹本さんもエヴァが大好きなのですが、この人は何せコンテンツを観る腰が爆裂に重く、当時ロングラン公演にも関わらず結局シン・エヴァを見逃すという愚行を犯していました。
ただネイチャーバーガーの腰重さんはアニメ自体はめちゃくちゃ好きなので常に心を震わす作品を追い求めるものの、感動に対するハードルが激高で、ゴリ押ししすぎても冷めちゃいますし、サラッと勧めたら勧めたでそもそも彼の心に届かないので、すごい慎重に丁寧に作品の「面白さハードル」を調整して勧めないと彼の作品を見る腰は上がらないのです。
いや厄介すぎるだろ。
ただ、それでも笹本さんに勧めたくなるのはこの人は感受性がとてつもなく高いので、勧めたものに感動すると感情剥き出しで興奮してくれて、僕がこの作品作ったのか?と錯覚するくらい嬉しくもなります。
未読だった名作ハンターハンターでさえ、半年前にようやく読み始め、蟻編が終わった途端、
「これを超えるコンテンツに出会える気がしない…爆泣」と、ハンターハンターがいかにすごいのかを3時間電話してきた男です。
おっせえよ。
半年前は勧めてもタバコスパスパしながら「ごめん、バックれてい?笑」じゃないんですよ。
そして僕は思いました。「これを超えるかもしれないコンテンツは今シン・エヴァしかないんじゃねえか?」と。
発売したてのBlu-rayをこの人に貸す?
いや劇場で見せないとあの感動は間違いなく半減する…。エヴァは最高の状態で見せてナンボ…
どうしよう。
そんな時、神のお告げ(ネットニュース)が舞い込みます。
「映画館 「109シネマズプレミアム新宿開業記念 『エヴァンゲリオン』関連映画祭開催。『エヴァンゲリオン』シリーズや、その関連作品などを一挙上映。」
と。
よってシンエヴァが映画館で2年ぶりに再上映されるとのこと。
これしかない。
エヴァ大好きとかほざいてるくせにまだ完結編を観てないのは地球上にもうこの人しかいないので、映画館で観れるタイミングはここしか無いと思い、すぐ連絡し、先日観に行くことになりました。
既に観れるサブスクやBlu-rayを貸すのでなくもうこの人は映画館というロンギヌスの槍でとどめを刺してやろうと思いました。
しかし、これも観る直前まで苦労しました。
ハードルなんて上げたら自分が楽しめるリスクを上げるだけなのに、ずっと上映まで「マジでおもしろい?笑」とか「観て良かった?」とか「グレンラガンみたいな瞬間ある?(笹本さんはグレンラガンがこの世の最強だと思ってる)」とか勝手に首絞め行為をしててマゾ野郎としか思えませんでした。
何も知らない方がいいだろ!静かにしてくれ。
何なら席ついた瞬間
笹本「どうしよ。めんどくさくなってきた。バックれて良い?笑」。
前々から言ってるその「バックれ」って何だ。
そんなこんなでポップコーンシャリシャリしてたら上映が始まります。
ちなみに上映前の笹本さんがこれ。
そして上映後これ。
号泣で顔上がんなくなってました。
「シンジのあのシーンカッコよかったですよね?」と適当に感想ジャブ打ったら
「やめて、壊れちゃうから。」とKO寸前でした。
ピュアすぎるだろ。
一応落ち着いてから何が良かったか聞いたら
「全てが素晴らしくて、おれがエヴァを観始めたあの頃の青春丸ごとが今終わるんだなっていう何にも変え難い感情が巡って、何よりキャラ全員が空想とかじゃなくあそこでは間違いなく『生きてた』。そこにおれは感動した…。」と1億点のレビューを叩き出してました。
涙もろい人なので上映中チラチラ横目で見てたら泣いてなくて「あんまりか?」と思ってましたが、どうやら油断したら後輩の前で死ぬほど泣いてしまう醜態さらす寸前だったらしく、それを避けるためにひたすらに耐えてたらしいです。
いやさっきまで「バックれてい?」とか言ってたよね?
そこから酒苦手なのに興奮を抑え切れず飲みに誘われ、居酒屋で飲みながらネットで低評価のレビューを見つけては逐一ブチギれ、勝手に世論に鉄槌を下すジャッジメントタイムが設けられました。極端にも程があります。
この人M-1優勝したら爆発して消えちゃうかもしれないです。
でもなんかちゃんと観に行かせて良かったとやはり思えました。
彼のエヴァの呪縛を解き放てました。
僕も笹本さんをエヴァから解き放ちたい呪縛を抱えてたかもしれません(?)
そんな強い感受性を持つ人への羨ましさと、やはりシン・エヴァは人の青春ひとつを一撃で終わらせるとんでもないコンテンツであることの再認識をした日でした。
ちなみに僕はテラスハウスをこの前生まれて初めて観て生配信で素晴らしさを熱弁してたらコメント欄で「テラハでそんな熱くなるとは笑」って笑われました。
月面にいるカヲルくんに「キミも変わらないなぁ。」と言われた気がしてます。
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