誰かの日記 一月二日

 八時ぐらいに起きた。トモさん、緑茶を二杯飲み、雑煮を一杯食べる。餅は一個。食欲があるようで安心する。トモさんは牛舎に行ってテキパキと働く。私は市内に。車の中で米津玄師のlemonを大きな声で歌う。この時間がすっかり好きになっていて、今はもう毎日車の中で大声で歌を歌わないと苛々するようになってしまっている。街に人が少ない。トモさんの手袋と灯油を買って、駐車場に戻っていたらやっぱり高倉書店の前を通った。灯油の入ったポリタンクのポトンポトンという音は聴いていて気持ちが良い。高倉くんがコーヒーを淹れてくれて、店の中で少し話す。税金の話とモモンガの話をして、干し柿の作り方を教えてあげた。高倉くんは最近彼氏、彼氏っていう言い方はあんまり好きじゃないけど、一緒に住んでいる人がいるらしく、大家さんに警戒されているらしい。高倉くんはそのことを「めんどくさいんだよねー」と言っていた。なんだかとても正しい反応だと思った。高倉くんは私が重いポリタンクを持っているからといって、安易に「持とうか?」とか聞いてこないから好きだ。家に帰ってトモさんと干し柿を食べながらさんまのまんまを観た。おもしろい。さんまさんは最強だ。トモさんはそのままこたつで寝て、一時間ぐらいして起きた。トモさん、老眼鏡をかけて読書。夜、トモさん鼻歌を歌いながらお煮しめを作る。食べる。今日は食欲がある日でよかった。トモさんの寝顔を高倉くんに送った。ゆず風呂に入った。気持ちよかった。湯たんぽに入れるお湯が沸くのを、椅子に座ってぼーっと待った。いつもこういう時に不安になる。トモさん、布団から出てきて「さっちゃん、IKEAに行きたいわ」と言う。「明日行きましょう」と約束する。なので明日はトモさんとIKEAに行く。

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