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東高円寺で過去に襲われろ

昨日観たカネコアヤノさんのライブが俺をそうさせるのか、新宿の喫茶店でコントの話し合いをしたあと素直に解散して、自宅でまんじりともせず、わけもわからず過去に襲われ、変に苦しくなり息が浅くなり、苦しい苦しい、となって現在2:27真夜中、近所の公園の池の周りをくるぐるくるぐる歩きながらハライチのターンを聴いている。鯉が泳ぐじゃぶじゃぶの音が大きくて、ヘッドホンをつけているのにじゃぶじゃぶ聴こえてくる。人間って二十五歳になっても感傷的な気分が行き過ぎる事ってあるんだなと思う。むしろ過去の量が増えて、これからもっと奇襲に遭うんじゃないかという不安。いつだって不安。
二面採光の我が家は朝になると眩しくて快適な眠りを妨げられることが多い。ヴィレヴァンで買ったアイマスクを開封したらそれは「アイピロー」という目の上の乗せるだけの謎の物体で、要は耳に括るとこがないただの横長の布で、なんじゃこれ誰が買うんだよ、と思って、今公園の池の周りをくるぐる。
今日自分で書いた誰かの日記がまさに過呼吸になった主人公が夜中散歩をし続ける日記で、それはまるで予告のように今の俺を動かす。わけもわからず歩いている。誰もいない。真っ暗。寝なきゃいけないのに。何を歩いているんだ。布と、皮膚、布と、皮膚、布と、皮膚、交互になぞった。
売れなくてもいいから本当におもしろいものを作れればそれで良いなんて、言えなくなってきちゃいました。ごめん。でもこれはただ踠いているだけで、踠いていることって何かが積み上がっていく建設的な努力のようなものと似てるようで全く違うものだから、それはわかってるんだけど、無駄だとわかっててもやっぱり苦しいものです。
2:48、まだ歩いている。家に帰りたくない。自販機で缶のポカリを買った。寝ないといけない。
東高円寺で過去に襲われろ。一からやり直せ。よく思い返すこと。ライブハウスの楽屋で貧乏ゆすりをしていたこと。えづきながら送っていた「設楽さん、日村さん、オークラさん、こんばんは。」。大学の上り坂。鶴川、町田、相模大野。本屋のバイトの休憩中に架空○○日記を書いていたあの日。裏口から外に出たら夕方で晴れていて、やよい軒を食べて家に帰って寝ていたこと。東高円寺で過去に襲われている俺は池の周りをくるぐるくるぐると。苦しい。缶のポカリを今から開けます。東高円寺で過去に襲われろ。家に帰りたくなさすぎて一人地面に座っています。

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