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vol.43 10年で株価98倍!? 工業資材版Amazon・MonotaROの強さとは?

こんばんは!
たかみんです!

皆さんは、MonotaROという企業をご存知でしょうか。

「工業用間接資材の通信販売」という事業を展開し、株価はを0年で98倍にまで伸ばした急成長企業です。

今回はMonotaROがなぜそこまで急成長できたのか、そのワケを解説します。

MonotaROは企業向け関節資材の通信販売を展開する会社です。

企業が購買する品目は、自社の製品の売上や質に直結する原材料や部品などの「直接資材」と、直接的には関係しない文具や工具などの「間接資材」に大きく分けることができ、MonotaROは後者の間接資材に特化したEC会社ということです。

MonotaROが間接資材に着目した背景に、当時の間接資材業界を取り巻いていた2つの不便さがありました。

それは
❶価格が非公開になっており購入時に交渉力が必要だったこと。
❷購入プロセスが複雑化していたこと。
です。

それぞれ詳しく解説します。

まず❶価格が非公開のため購入時に交渉力が必要だったことについて。

当時、売上や品質に直結しない間接資材への企業の関心は低く、妥当な価格を把握しておらずコストカットの意識も低い傾向にありました。
このため、サプライヤー側も相手次第で金額を変えるなど不透明な価格設定がされていました。

続いて❷購入プロセスが複雑化していたことについて。

企業にも依りますが、間接資材は文具や工具類など、非常に多品種に渡り、購入したい物品ごとに複数の店に連絡する必要がありました。

そのため、企業としては購入時に経済的にも時間的にもコストがかかっていたのです。

これら問題を解決したのがMonotaROです。

MonotaROは【一物一価】を掲げ誰でも同一価格で変えるようにしました。また、豊富な品揃えによりMonotaROを通じてあらゆる商品を購入可能にしたのです。

このため間接資材の調達ネットワークが透明化、簡略化されましたが、MonotaROの強みは他にもあります。

実は、同じように文具や工具といった間接資材のEC事業を行っているミスミグループ、ASKUL、大塚商会との10年間の株価の推移を見てみると、MonotaROだけが抜きんでた成長をしていることがわかります。

なぜMonotaROだけが急成長を遂げたのか、財務の面から分析、解説していきます。

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下のグラフは各社の営業利益率と総資産回転率を示したものです。

総資産回転率とは企業の経営の効率性を示す指標となります。

グラフをみると、MonotaRO以外の3社は営業利益率が低いほど総資産回転率が高いという「反比例」の関係がみられ、ASKULは薄利多売の戦略を取っていることが伺えます。

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そのような中、MonotaROだけが、高収益かつ効率的な経営を行っており、これが株式市場からの高い評価につながっているようです。

では、MonotaROの収益性と効率性はどのように実現されているのか、その背景には2つの要素があると考えられます。

❶取扱品数の多様さ

一つ目は、圧倒的な取扱品数の多さです。

MonotaROはニッチで販売機会の少ないロングテール商品を中心に取扱品数の拡充に注力しており、例えば「手袋」だけでも、スベリ止め手袋・背抜き手袋・天然ゴム手袋など約6,500の商品グループ、約15,000の商品アイテム数があります(2017年12月時点)。

取扱品数を増やすことで、ネット検索などからの新規顧客流入や顧客単価が増え、売上や利益が増加、それによってさらに取扱品数を増やすことができると言う正のループを作ることができているのです。

❷データを活用したマーケティング

二つ目はデータ・ドリブンの姿勢です。

MonotaROには90名以上で構成されるデータマーケティング部が存在し、購買・検索履歴などのデータをマーケティングに活用しています。

たとえば、同じ検索ワードでも顧客の過去の購入履歴などをもとに顧客が求めていると思われる商品が上に表示されるよう最適化したり、在庫の最適化やプライベートブランド商品開発を行なったりしています。

また、物流倉庫に小型無人搬送ロボットを配備するなど、DXによる効率化に積極的に投資しています。


このように、他の競合より秀でた実績を生み出す企業には、その理由が必ずあります。

その理由を見落とすことなく、理解して株式投資をするようにしましょう。

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