続・オンラインセッションのコンベンションをやろう(企画編)

無事にPL応募期間終了しました

 ご応募いただいた皆様、RTなど情報拡散していただいた皆様、ありがとうございました。
 今回は主に企画段階のお話。前回のお話はこちら。

無限の可能性と人員的限界

 通常のとらいあどのオフラインのコンベンションでは、借りられた会議室の大きさに応じて25人・35人・45人を目途に人員の枠を設定しています。これは主に音声・騒音の問題で、カタログ上の部屋の受入人数はもっと多いのですが、隣の卓と声がぶつからない限界だとこれぐらいの数字になります(実際には人数よりも卓数が重要で、PL2~3人の少人数卓のGM立候補が多い場合は上記の人数を多少減らしたりします)。最近はありがたいことに応募総数70~80人とかの回もあるため、2部屋とって規模を拡大しての開催が中心です(多分、例会として定期的に開催するコンベンションではこの規模はかなり大きいと思います)。
 さて、オンラインの場合。会場の規模という縛りはなく、Discordのチャンネルに隣の卓の声が入ることもない。つまり無限に規模は大きくできるんですよね!
 ネックになるのは人員の問題です。これは当初から懸念していたことで、アドバイスもいただいたのですが、オンラインの企画になった以上、オフラインに比べて参加の確定が当日までわからない。拡散力が凄い分面識のない人も応募できるので、社会的信頼(例えば「知り合いに迷惑かけるわけにいかないから休むにしても連絡だけはしよう!」などの拘束が発生しにくい)にはなかなか頼りにくい。
 もっと具体的に言うと、当日会場でどの卓に入るかを決めるコンベンション(当コンベンションはそうです。違うやり方のところもあります)においてはやむなく第2希望・第3希望に入る人も出てきますが、事前に卓を決める方式だと「第1希望の卓じゃないなら参加するのやーめた!」となると、なかなか難しい(もっともこれは、事前に卓を決める形式のコンベンションでも発生するトラブルなんですが……識者の方、どうですか?)
 突発の欠員に備えるのはスタッフの役割で、じゃあどれぐらい用意すればいいのか。とらいあどでこの日参加できるスタッフは9人いるけど、1卓1人ぐらいで考えれば9卓ぐらいが上限か……? でもスタッフにもGMやりたい人いるだろうしなあ……(後述することにもつながるのですが、ここで「スタッフは有志に任せてGMは裏方に回れ! GM枠をスタッフで埋めるよりも運営をやって!」という意見、ごもっともなんですが、前回述べた通り「スタッフのメリット」を捻出したいのが当サークルの指針です。スタッフがGMをしたいなら、そのステージを作るのです……)
 最終的にGMしたいスタッフ6人、裏方3人という体制で落ち着きましたが、この人員配分はやってみないとわかりません。規模を大きくするには、この部分が最大の課題だと考えています。

立てたかったけど立てられなかったシステム

 続いてシステム選びのお話。スタッフから何を立てたいか意見を聞きつつ、ぼくの意図として立てたいシステムを選ぶ形で進めました。「このシステムしかしません!」という愛の深いスタッフもいれば「●●と▲▲と■■を考えています」という人もいて、ここはちょっとパズルですね。
 6卓しか立てられない中で、どのシステムを優先するか。この企画、ウェブで開催するとはいえ、あくまでも「名古屋のとらいあどがコロナの影響で行う代替企画」となると、真っ先に思い付いたのが

・銀剣のステラナイツ(瀧里フユ先生)
・人鬼血盟RPGブラッドパス(からすば晴先生)
・アニマアニムスRPG(七夕ドグラ先生)

 この3つです。実はこれらのシステムの製作者、皆さん名古屋に所縁がある方なんですよね。こんな話も出るぐらいに。

 正直、アニマアニムスだけは「19日のルールブック発売でPL募集〆切が22日」というタイトすぎるスケジュールに悩みましたが、結果やって正解だったと思います。第1希望で応募してきた人の数は凄かったです。

 続いて、スタッフとしてやりたいという話が出て、ぼくも立ててほしかった卓。クトゥルフ神話、ダブルクロス3rd、トーキョーN◎VA-Xですね。
 もうこの辺りも「これ以外のシステムも」という隙間がなくて。やはり6卓は厳しい! 

 それともう1つ。どうしても立てたかったけど、立てられなかった(6卓に入れきれなかった)システムがあります。

 魔法学園RPGハーベストです。このゲーム、とにかくオンラインでの展開が強いので「とらいあどONLINE」という企画にはぴったりだし、製作者の涼宮隼十先生も名古屋の人!(なお、最近R&R誌で英雄武装RPGコード:レイヤードの記事を担当するようになりました。みんな、読もう)。

 システムに関する課題としては、今回みたいに「6卓全部違うシステム」はなかなか難しいなと思いました。オフラインのコンベンションと違い、オンラインセッションは原則としてルールブックを持っていることが参加の前提条件になる(今回で言えばダブルクロスとアニマアニムスはルールブックなしでも参加できますが、アニマアニムスは苦肉の策です。注意書きにも書いた通り、非所持プレイを推奨するものではありません)。第3希望までの記入が必須=3種類のシステムのルールブックを持ってないと参加できないのと、システムに関する思い入れなどもそれぞれ違うと思うので、システム統一の企画にするか、今回と同じ規模なら、例えば2卓・2卓・2卓で3種類か3卓・3卓で2種類に絞った方が正直やりやすいな、という感じがします。
 ただ、システムを絞るとやはりやりたいことには制限がかかっちゃうんですよね……これが難しいw 悩みどころです。

もはやGMは“やらされる”ものではない

 続いてGM選びのお話。
 ありがたいことに、GMの立候補を何件かいただきました。今回はスタッフを優先したこととシステムの問題(本当は誰かにブラッドパスの卓を立ててもらい、ぼくは裏方に引っ込んで当日の指揮を執るのがよかったんですが……あのタイミングでブラッドパスのGMを探し出すことはできませんでした)で、結局お願いすることはなかったのですが、機会があればぜひお願いしたく思います(本当はお願いしたい人もいた! クトゥルフ立ててほしかったあの人とか! トーキョーN◎VA立ててほしかったあの人とか! またお願いするかもしれません)。

 さて、少し意地が悪い表現になるんですが、「GM立候補した」ということは「3月29日の予定は空いていた」わけですよ。なんですが、GM立候補した人は誰一人として「プレイヤーとしては応募はしてこなかった」という現実があります。
 為念、その人たちに「日程空いてるのに参加してくれなかった!」という圧をかける目的ではない、という前提でここからの文章を読んでほしいのですがw、つまり「GMだったら参加したい人」「PLだったら別に参加しなくてもいいやという人」は結構あると思うんですよね(無論「遊びたいシステムがなかった」のケースもあると思うんですが)。
 一昔前、いや今でも「GMばかり“やらされる”」という発言を時々見るのですが、本当にそうか? GMは既に“やらされる”ものではなく、“やりたい人の中で需要にマッチする人のみが選ばれる”ものになってないか……? という気すらしてきます。
 次回以降があるという前提ですが、先述の通り、とらいあどはスタッフのやりたいことは実現させてあげたい、スタッフがGM立候補するなら極力通したい環境ですが、かといって毎回同じスタッフに卓を立てさせるのは健全ではなくて。ぼく自身、次回以降はGMはお願いして、舞台裏での裏方をやった方が運営がしやすくて。そうなるとスタッフ以外の外部にGMをお願いすることになるけれども、じゃあそのGMはどうやって選ぶ? 公募?(公募の問題は公募してきた人全部を通すわけにはいかないこと……あるいは全部通して人気のある卓から立卓させる、でもいいのですが、前述の通りシステムのバランスを取りたい問題もあって、これも無法図に、というわけにはなかなかいかない)。
 こうなると淘汰の問題が出てくるのですが、それはそれで初心者GMのハードルが上がりすぎる。当初、3月29日にとらいあどとして開催予定だった初心者GMオンリーコンベンションは、そういった問題の解決策として考えた企画だったのですが、ひょっとしたらオンラインの企画でも必要性が出てくるのかな、と考えています。

ハード的制限をどう捉えるか

 今回、参加に際してはPCからの接続と、有線ヘッドセットでの接続を参加条件に加えました。ただ、これは実際悩ましい問題なんですよね。下手なPCより、スマホの方がハイスペックなケースもある。
 こちらでアンケートを取っていますので、次回以降の参考までに、ご意見いただければ幸いです。

 なおこのアンケート、「どこを改善するか」が主旨で、そのために「日付」「スマホ問題」「有線ヘッドセット問題」の課題をどう扱うか、の視点から作っています。既にこの記事に書いている通り、システムやGMについてはまたレイヤーが違う問題なので「○○のシステムがなかったから参加しなかった!」「GMできるんだったら参加してた!」という意見はちょっと今回求めている意見とはまた別のものになってくるので、念のため。

今回、広報は手を抜きました

 とらいあど、毎回OGP(Open Graph protocol)は力を入れておりまして、過去には以下のようなものを作っています。

 なんですが、今回は作ってない!
 これは「広報ツールは後回しでとにかく告知と募集しよう」というスタンスにより、まずは告知、あとから広報という形になったのですが。
 初日で9件、翌日で4件の応募がありました。今回はPL数17人~22人の規模なのに、2日で6割近く埋まった計算になります。だいたい毎回最終日に駆け込みでドカッと来ることを考えると「あ、これ広報すると応募来すぎて抽選大変だな……」という考えが働いたので、広報ツールは今回触らないことにしました。

 仮に100人規模で開催する場合、こういった広報ツールの充実と、先述のシステムの配慮、そしてハードによる参加の緩和を視野に入れて開催することになるんだろうな……と思いました。



 ……やらないですよ!
 100人規模で開催とか、やらないですよ!

 次回は実際に開催しての「実施編」。あと今後もやるならという展望についても書けるかな。書けないかな。そんな予定です。

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