見出し画像

春相撲マゲドン~水入り9番勝負~

そもそも相撲とは誰のものか?
力士の?観客の?協会の?
どれも違う。相撲は神事である。
神のものだ。

差し込んだ左手が雷光をまとい、皮膚が熱を持つ。
ゼウスの加護が強すぎるか。オリンポス相撲代表、ガニュメ錦は自ら発した雷光に顔を歪めるが、四つに組む相手、アースガルズ相撲代表、グングニ丸は意に介さない。こちらも相当な加護をオーディンから得ているとみえる。
両柱とも本気だ。この春相撲マゲドン、勝つも負けるも人類は大きな被害を被るだろう。
何故こんなことになってしまったのか。

発端は2010年代に遡る。
相次ぐ不祥事に、相撲協会は原点に立ち返り人事を一新した。理事のほとんどに神様をお迎えしたのである。
奉ずる相手を運営側として取り込む奇手であったが、協会内のいさかいは沈静化した。神様に異を唱えるものはいないからだ。全ては上手く行っていた。初の外国籍理事として、後に年寄名跡を取得したゼウス山親方か就任するまでは▪▪

(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?