塗装する③

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塗装するとき・・・・

キットがひっくりかえらないように固定し、左手に持ちます(サウスポーの方は逆で)2から3回なじむように吹き、全体がカラーに染まったら、今度は本吹きです。

ライトの光がちょうど塗装箇所に当たるようにします、コンプレッサーの圧は約0.5から0.8気圧ほどに調整し、上から下へ吹いて行きます、コンプレッサーの圧の調整が出来ない場合

ガンとホースのネジをゆるめ空気を間引きします、必ず下から上に吹くように、なぜなら・・・・ガンの引きしろは各自違いますが、だいたい中間くらい、ガンとキットとの間隔は約4から5cm位近づけます、キットの最上部より左から右にスピードは秒速5cmくらい、だいたい時計の秒針くらいです。

結構ゆっくりです、そのまま塗料の濡れている照り返しを確認しつつ、すぐ下に移り同じように吹きます、塗料は上から下へたれようとしますが、そこへ同じ量の塗料を吹きつけ、ダムを作ってあげるわけです、そしてその下にまた吹けばダムが出来る、それを繰り返して最後まで吹いてしまうわけです、ですから必ず上から下に吹いてください。

全体に吹き終わったら、ものすごいツヤになつていると思います、クリアーコートも必要ないくらい、白や黒でしたら自分の顔が映るはずです、塗装でこんなに感動したことないくらい、でも、どうも違うなぁ、そんなにツヤが出てないなぁ、と感じる方は、

  1. 塗料が濃い

  2. ピュアシンナーを使っていない

  3. エアフィルターを使っていない
    または、使っているがコンプレッサーの方が高性能のため、フィルターがおいついていない(ミニマルクンはフィルターをダプルにしてもだめです)ため水分が出ている

  4. ガンのスピードが速すぎる

どうしてもツヤが出ない場合前回の裏技で表面を溶かして仕上げましょう。

ツヤを出すのは塗料とシンナーの希釈加減で決まります、フィニッシャーズ3倍ですが、自分の持っているガン、コンプレッサーなどでも違ってきます、自分なりの濃度を見つけ、いつもその濃度にすることが出来れば、一定のクォリティの塗装が出来ると思います。

クリアーがけ・・・・

クリアーがけに行く前に、デカールが貼ってある場合、デカールが溶けたりします、その原因の1つにクリアーではなく、デカールに、もしくは、デカールの貼り方に問題があります。

  1. デカールののりが弱い、タメオ、タミヤ、カルトグラフ以外のデカールは要チェックです、一応デカールのり、またはセメダイン社の木工用ボンド(写真参照)を水にといでのりを強力にしましょう、またカルトグラフかタミヤのデカールの切れ端を取っておいて使ってもOKです。
    この接着剤以外の木工用ボンドはダメです。
    デカールを貼るとき綿棒でクリクリしますがあまりやり過ぎると表面のニスが取れてしまいます、軟化剤を使ってクリクリするのも同じです、その部分からデカールのインクが溶けだしてしまいます。
    凸凹が激しいところは軟化剤のみで貼付するのではなく、蒸しタオルをあてる (フェイスタオル程度のサイズを水に浸し電子レンジでチンすれば蒸しタオルの出来あがり)または、アイロンかハンダゴテを熱くし、水に浸した綿棒を当てればジュ!となって熱湯綿棒が出来ます、それをデカールに押し当てれば蒸しタオルと同じことです。
    とにかくデカールを強くしっかり貼るということがクリアーコート時に溶けない基本の第1歩です。

  2. デカール軟化剤は洗うか、濡れタオルで必ず取ってください

  3. 充分に乾燥させる、タミヤ、タメオ、自然乾燥で約1週間、食器乾燥機で2日ほど、1/43・1/20でも青系のデカールは乾燥に少し時間がかかります(例 ウィリアケズFW11とか、自然乾燥で、2週間、乾燥機で5日は欲しいです。

木工用ボンド

オートクリアーでクリアー吹きする場合

  1. 希釈は3倍、塗装方法は上記で説明したとうり、上から下へ・・・・
    3~5回なじみ吹きをしましょう、イッキに厚く吹くとデカールがキレーに溶けます。

  2. デカールの段差をなくす為の厚吹きはクリアー9対シンナー1で希釈して下さい。

  3. 上記のとうり吹きますが、シンナーなので次の日には揮発して結構ヒケます、ラッカー系なのでまた上から吹いてください。

  4. 蛍光レツドなどはオートクリアーといえどもイッキに吹きつけると溶けてきます、蛍光レッドの上に貼ってある白いデカールなどはピンクになってしまえので、気をつけて吹くか、デカールを二重にするのも手です。

ウレタンクリアーの場合

1.ウレタンクリアーにはGP1とGP2の2種類あります、

  • GP1
    クリアー10対硬化剤1の割合での混合、硬化剤の分量はシッカリと量ってください。
    ビンにマジックなどで10の目盛りをつけても良いです、混合後は良く攪拌して、濃くてガンより出ない場合は、専用のシンナー(必ず専用シンナー)で薄めてください、20%以上薄めると硬化不良の原因となりますので注意してください。
    ガンに移し、いつもラッカー系クリアーを吹く感じでサッとなじみ吹きをして全体をウレタンクリアーで包むようにしてください、長くても30分ほどで乾燥(硬化)しますので、今度はイッキに厚吹きして下さい、ラッカーと違って一回吹いて硬化すると次に吹いても下に浸透しません。自然硬化だと1週間、乾燥器だと3日ほどで完全硬化します、硬化後研ぎ出し、コンパウンドがけ出来ます。

  • GP2
    クリアー10に対し硬化剤5の割合で混合、GP2の方が硬化剤の分量がアバ ウトです、4、6でもしっかり硬化します。シンナーの希釈具合、吹き方、硬化時間は上記と同じです、GP2の場合吹きっぱなし専用なので硬化後の研ぎ出し、コンパウンドがけには適しません、表面の固さが硬くなるのが早く、キズをつける(研ぎ出しなど)となかなか取れません。
    ですから逆算的に下地や塗装面からツルツルの状態にしておいた方が良いです。

2.ウレタンクリアーの特性

GP1もGP2も同じですが、ラッカーと違い引けません(乾燥、揮発、でなく化学変化の硬化なので)ですから吹いたままの状態で固まります、厚吹きの場合とても透明感があり、硬質なクリアーの感じが出ます、あやまって指で触って指紋がついても、次の日にはきれいになくなります(硬化は表面ではなく内部からなので)ラッカーでは得られないうつくしさです。

ただしシルバー、ゴールドなどの塗料はメタリックの粒子が硬化の最中動きますので(内部から硬化するため)ある部分のみ紋様のようになるときがあります、シルバーは目立ちますので、全体がシルバー塗装(ベンツなど)にはお進めできません。

24時間いないであれば重ね吹きが出来ます、24時間以上(2日後など)経過後の重ね吹きは出来ません、硬化速度の違いによりヒビワレしますので注意して下さい、3日から1週間ほど経過後重ね吹き出来るウレタンクリアーも実車補修用で出ていますが、透明度がやや落ちます、このウレタンクリアーはウレタンバンパーや小さい面積の補修(ガリバーなど下取りの店にたかーく売れるように簡単に補修します、それ専用です)のためで複合素材にクイツクように作られていますためどうしても透明度が落ちるのです。

模型雑誌ではウレタンクリアーの毒性などについてイロイロ書かれていますが基本的にはラッカー系塗料とあまり変わりません。もちろん毒性はありますが、ポリパテの粉などに比べたら安全な部類ではないでしょうか、塗装時に簡単なものでも良いので、マスクをつけることをオススメします。