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羽鳥さんのモーニングショーで紹介された「マスクマナー」を、新時代のマナー(ミニマムマナー)で考えてみた!

自己紹介


記事を読んでいただきありがとうございます。私は昭和から平成に替わる時期にANAに入社し10年余り国内線~国際線CA~本部勤務を行い退職。その後結婚、出産を経て、みずほ証券で秘書勤務。JAL系の研修会社で講師業の経験を積み、研修会社FINEST株式会社を設立しました。皆様のお悩みを聞きながら伝えたい思いや、離婚経験や子育ての事などHPや研修では伝えきれないことをnoteに書かせていただいております。

マナー講師がマスクのマナーを考案したところ、物議が醸し出された!

「羽鳥慎一モーニングショー」は、私もよく見る番組の一つですが、昨日は祝日ということで休日のような朝を迎え、すっかり見逃してしまいました。すると今朝こんな記事を目にしたのです。

河野太郎大臣「ヤメレ」乙武洋匡さん「マナー講師に勝手な線引きなどしてほしくない」モーニングショーで放送された「マスクマナー」が物議

マナー講師考案の『マスクマナー』 玉川徹が番組内でピシャリ!

番組を見ていないので記事を読む限りの理解ですが、マスクの色や柄、声掛けについて、ビジネスシーンでのマナーのアドバイスがあったようです。

旧来のマナーではそぐわなくなった今こそ、新時代のマナーを!

弊社FINESTでは、新時代のビジネスマナーを「ミニマムマナー」と呼んで、これまでのマナーをそぎ落とし、新時代に合わせたマナーを提案していくコンテンツ作りをしています。

今回、番組内での「マスクのマナー」が物議を醸しだしたとのことですが、このマナーも旧来のビジネスシーンでは受け入れられていたかもしれません。しかし新時代にFINESTが考える「ミニマムマナー」としては、最低限「マスクを正しく着用しましょう」ということで良いと考えます。鼻出しマスクの事例もありましたが、マスクの正しい着用がミニマムに大切なことだと思います。

マナーとは「相手を不快にさせないこと」と考えています。そしてその「相手を不快にさせない」と思う真摯な「心(気持ち)」を、相手に伝わるように最適な「形」で表現することが必要です。しかし、この「相手を不快にさせないこと」の基準が、時代と共に変化してきています。旧来の考え方や方法では、せっかくの「心」が正しい「形」として伝わらなくなってきているように感じます。

いわゆる昭和時代のマナーを平成時代にそのまま引き継いできたものの、令和の時代になって歪みが生じてきました。我々がすべきことは、今の時代に必要なことと古い時代の中でも守るべきこと、その中から良い塩梅を見つけて、マナーをアップデートしていくことだと思います。

マスクのマナーの「平時」と「有事」の違い

今回の「マスクのマナー」については、加味すべきポイントが2点あります。1つ目は「平時」と「有事」の違いについて。2つ目は企業理念に基づく「服務規程」についてです。

1つ目の「平時」と「有事」においては、コロナ禍の今はまさに「有事」でしょう。「有事」において最も優先すべき点が、番組で玉川さんがおっしゃっていた「相手に感染させないこと」になるかと思います。更には自分自身も感染から守ることにもなります。

今回取り上げられたマスクの色や柄については、ファッションという観点になり、もう少し気持ちや状況に余裕がある「平時」の議論だったのかと思います。

もし「平時」であれば、記事にもあったような、

変わったマスクを着用していた場合は「話題に出すことで仕事が円滑にいくこともある」

ということも、「相手が敢えて変わったマスクを着けているんだから、話題にして欲しいのかも、訊いてみようかな」と、思えるかもしれません。今回は、「有事」という点を加味したアドバイスがあると良かったのかもしれません。

ちなみに余談ではありますが、色には色彩心理というものがあり、身につける色によって、自分のモチベーションになったり、相手が受け取る印象が変わったりという効果を狙うこともできます。よく見かけるマスクの色で例を挙げますと、下記の色彩心理があります。

・白:清潔感、潔さ、リセット

・黒:カリスマ性、高級感、近寄りがたい

・グレー:白黒はっきりさせなくていい、他の(色の)邪魔をしない、存在を消す

・ピンク:他人への愛情、自己愛、依存心

・水色:優しさ、受容、相手次第

「有事」の中で心のケアが必要な方も増えたというお話も聞きます。色彩心理を意識してマスクを使用してみると、新たな発見があるかもしれません。

マスクのマナーにおける企業理念と服務規程

2つ目の企業理念に基づく「服務規程」については、まさに企業の「心」の部分です。企業が掲げる企業理念は、企業の「思い」や「宣言」が詰まっています。その「思い」や「宣言」という「心」を「形」で表しているものの一つに「服務規程」があります。

これはその企業が大切にしていることを表現する際に、最適だと判断し規定されているものです。各社の「服務規定」が新時代にアップデートされているかどうかはまた別議論になりますので、ここではこの「形」の部分の「服務規程」に従うことが、企業のブランドイメージにつながるという点を伝えたいと思います。

企業の理念に基づいて判断した時に、もしかしたら今回の番組内で紹介されたマスクのマナーを守った方が「相手(お客様)を不快にさせない」かもしれません。そうすると今回の番組での解説は大変役に立ったということになるでしょう。

マスク一つとっても企業の考えや立場、イメージが伝わってくるものです。いつも経営者の方々のお悩みを伺い、外部からの意見を伝えさせていただいております。今回「有事」においての規定を別枠で設定する企業もありました。この規定が社員に受け入れられる企業は、社員にキチンと経緯と思いを説明し納得してもらっていると感じます。その先に、理念に通じる結果があると信じます。

今回の2つのポイント「平時」と「有事」、そして「服務規程」を鑑み、最適な「マスクのマナー」をお選びいただければと思います。

≪補足≫多様性の時代のミニマムマナー

「相手を不快にさせない」という観点からすると、同じやり方でも納得する人や怒り出す人もいて、本当に様々な価値観ばかりで、こんな多様性の時代に誰に合わせれば良いんだ!と感じる方も多いと思います。

この多様性の時代に大切なことは、「柔軟に対応できる人間力」です。多様な価値観はもはや計り知れません。プライベートでは同じ価値観の人と集まることが出来ても、ビジネスでは価値界の合わない人ともお付き合いがあります。

そうなると「柔軟に対応できる人間力」とは、「訊く」ことだと考えます。これで良かったのか?別の方が良かったのか?何が良かったのか?を訊ける対話力です。この訊き方にも、人柄を含めた人間力が醸し出されます。ミニマムマナーではこの部分を大切にしています。

ミニマムマナーは旧来のマナーをそぎ落とし、「形」はシンプルですが実はとても高度なスキルが必要です。相手に興味を持ち、相手の希望を叶え、応えること。これができる人が、新時代に求められる人になると思います。

4月から新入社員研修が始まりますが、毎年彼らは社会人になって不安や疑問を抱えています。是非勇気をもってそれらを「訊きにきて」くれることを期待しております。私共も新時代に合うマナーを考え、お伝えしていきたいと思います。

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