音楽と人類進化
つれづれ人類進化考 第6回
自分は音楽が大好きだ
すごく感情に訴える力がある。
何故だろうか?
人類進化にとって音楽に何の意味があるのか
音楽に関連した遺伝的基盤
類人猿が音楽に対して興味を示す反応をする
という話は聞いたことが無い
でも、人間の赤ちゃんは、すでに音楽に反応する。
だから遺伝的な基盤があるのは間違いない
すでに多数の関連遺伝子は特定されている。
2023年にはベートーヴェンの遺髪からDNAも読み取られた
既にネアンデルタール人のDNAも読み取られている
近い将来、考古遺跡等からの人骨のDNA解析によって
人間が音楽に関連する遺伝的な基盤を獲得していく
経過が細かく判明するにちがいない。
後天的な学習や経験により
スイチがオン・オフになるエピジェネティックな変化もあるから
親からの遺伝ですべての才能が決まる訳でもないけど
音高の連続的変化認識の進化
救急車が近づいている、逆に離れているは
誰でも感じるに違いない
音のドップラー効果だ
音の周波数の高低の連続的な変化を識別する能力は
人間以外の動物でも生存に役立つので
進化に合理的な理由があることはすぐに思いつく
多分、音高の相対的な変化は
生物の生存にとって重要な情報
だったと考えられる。
ほ乳類は2色色覚に退化し夜間視認の能力を向上させたけど
聴覚も発達したようだ。(嗅覚も発達した)
コウモリやクジラ類等は超音波を生存に活用する。
人間でも視覚障碍者は
エコロケーション的な能力を発現させるらしい。
人間を含む霊長類は
樹上生活への適応として
3色色覚を始めとして様々な視覚が発達したけど
人間が言語を発達させ始めたとき
前適応として眠っていた聴覚関連の遺伝子が復活した可能性を感じる。
音楽は言語進化の副産物?
人間が言葉を話始めた時
言葉を聞き取るための重要な能力として聴覚が磨かれたと思う
その進化が他の類人猿とは比較にならないほど
相対的な音の高低の知覚に対する能力を進化させたと考えられる。
その副産物が音程に対して引き起こされる感情の起源かもしれない
言葉は人間の進化にとって超重要だと思う
それ以前の身体的(生物的)な進化も重要だけど
言葉によって文化が累積的に進化することができたから
言葉は社会的な絆の形成にも超重要で
毛づくろい(グルーミング)よりも効率的・効果的に
社会的な絆を形成保持できるとの論を読んだ。
それが人間の形成しうる社会の規模を飛躍させたのだろう。
あと、ほら貝を吹いたり、錫杖を使用して、蛇や猛獣を追い払った
などの実用的なものも
楽器の起源につながるようです。
そして、おそらくは農業すら開始されていない時期
例えばギョベクリ・テペのような場所でも
宗教的な儀式において、
楽器の音響的効果によって、
集まった人々が音楽の原初的なものを感じたと思う
(発見済みの考古遺物としては3万6千年前の骨製の笛が最古管楽器)
音程の認識はデジタル
私はリズム音痴なので
音程や和音に強く音楽的な力を感じるけど
その場合、音程が非常に原点のような気がする
和音に感じる感情的なものは
音程から受ける感情が基礎にあるだろう。
単音ではあまり強い感情も起きないけど
音程(インターバル)は間違いなく感情を引き起こす。
短三度と長三度は異なる感情を引き起こす。
人間は音程を等比数列として認識しているようだから
音の高さの絶対値には何も意味を感じないけど
相対的な変化には敏感に感受する。
恐らく生物的、遺伝的な基盤により、
オクターブの知覚は非常に最初から在ったと思うけど
完全5度とかその他の音律などは
楽器の出現と関係して
発見されたものと思う
でも、前提として
すでに生物的、遺伝的に獲得されていた能力の再発見だけど
今の12音はすべて完全5度の延長ともいえるから
なぜそもそも完全5度を調和したと感じるか が不思議だ
反作用的に、それ未満の音程か行き過ぎた音程には
不協和や不安を感じるのだろう。
そして、驚くべきは
音程を等比数列のデジタルとして離散的に認識することだ
だから、数学と音楽は親和性が高いのかもしれない。
これが人間だけが音楽に感動する理由だろう。
(人間の言葉がデジタル的なのも関連しているかもしれない。)
いずれにしても
色々な進化の副産物が統合された結果として
音楽は人間の心を強く捉えるようになったのだろう。
あとがき
相変わらず、ただの人類学好きの
気ままで、無責任な論考です。
あしからず、
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