ただ好きな作品を書き記すだけ

個人的に好きな作品と一言コメントを載せていこうと思います。
きっと今後気が向いたら更新していくことになると思います。
ネタバレになるところは念のため伏字にしています。
伏字の中身は最後にまとめて書いています。

横溝正史
『迷路荘の惨劇』
　キャラクターが多彩で楽しく、金田一先生と一緒に冒険している気分になれます。陽子さんが健やかでチャーミング。等々力、磯川両警部と同じかそれ以上にキャラが立ってる井川老刑事も読んでて元気になる。ラストのある登場人物の独白の迫力もいい。全体的に比較的健全な気がする。
『夜歩く』
　何を書いてもネタバレになりそうなので何も書けない。登場人物はみんな哀れだけれど自業自得な人間も多いような。
『獄門島』
　○○（※１）の字が（おそらく変体仮名）読めなくてそのままにしちゃった金田一先生に「絶！対！に！それ！今後！鍵になるやつ！！読め！！今すぐに！！」と悶えたのがいい思い出です。「志村うしろ！！」って気持ち。

アガサ・クリスティー
ミス・マープルもの
『復讐の女神』
　解決すべき事件が何かというところから推理しなければならないのが斬新な気がして、『迷路荘の惨劇』と被りますが、ミス・マープルと一緒に謎を追っていく気分でワクワクしました。このころにもいわゆる〇〇（※２）っていたんだな、そりゃそうかとも思いましたね。
『ポケットにライ麦を』
　グラディスが哀れでかなしい。ミス・マープルが義憤に耐えかねて登場してくるあたりは本当にかっこいい。さすがネメシス。ラストの勝利！！って感覚はなかなか小説読んでて味わえない感覚だと思います。
『予告殺人』
　ミス・マープルって当時で考えるとかなりのお年なのに結構活動的で、おとり捜査して真犯人をとっつかまえる印象が強いです。そこが好きです。この作品が一番ミス・マープルが「してやったり！」って感じになってた気がして好きなので。なんたって○○○○○○(※３)から出てくるんですよ！
　ミス・マープルについてはアマプラでたまたまドラマも見つけて少しずつ鑑賞しています。最近スラック警部が出てきたら一周回って「ヨッ！スラック大先生！今日も元気に無神経！」って思うようになってきました。はじめは鬱陶しかったのに。

　ポアロもの
『アクロイド殺し』
　言うまでもない名作ですよね。初読の時点で違和感に気づけたのがうれしいので。犯人というか真相までは気づいてなかったんですけどね。
『エッジウェア卿の死』
　ポアロがヘイスティングスのことをディスりながら褒めてる感じがふふってなります。ヘイスティングスの人格の健全さは得難いですよね。第二の被害者の亡くなったときのお顔の描写「遊び疲れた幼児の寝顔に似た安らかさ」が事件の背景と合わさり何とも言えずしんみりします。真犯人の罪悪感のなさと自己顕示欲が強烈でインパクトに残っています。
『ナイルに死す』
　人間ドラマがいいですね。事件が発生するまでもずっと不穏で緊張感に満ちているのにすいすい読んでしまう。健全な精神のコーディリアが本当にかわいい。
ノンシリーズ
『なぜエヴァンズに頼まなかったのか？』
　後述しますが『愚者のエンドロール』好きなので。それにしてもやや無鉄砲なわんぱくお嬢様ってキュートですよね。
トミー＆タペンスシリーズは未読です。

米澤穂信
『愚者のエンドロール』
　いつも謎を解いてもあんまり報われない奉太郎が歴代で一番かわいそうな目に遭ってませんか？ひとつの事件にいろいろな回答がつけられるのが面白かったです。一緒に考えてる感じがして。それにしても天文部のパイセンマジパネェっすよね！（無理をしている。）女帝入須冬美先輩のあだ名を「テレジア」って予測する場面、中高生の頃は頭いいなって思ってましたが、大人になってみるとこまっしゃくれてんなこんにゃろと思っちゃいますね。
『儚い羊たちの祝宴』
　特に「身内に不幸がありまして」「玉野五十鈴の誉れ」の印象が強いですね。お嬢様の隠し本棚の中身の共通点に気づいたときぞっとしました。それから○○○○〇〇(※４)をあんな呪いの歌にしないでもらえますか？次点で「儚い羊たちの晩餐」。身内がさらけ出す愚かさって辛いんですよ。アミルスタン羊？……さぁ、聞いたことありませんね……。
『満願』
　「夜警」がいいです。そういうやついるよねぇって気持ちです。ほんともうやりきれなくなります。

岡本綺堂
『半七捕物帳』より
「津の国屋」
　怪談話がどんどん現実に絡んでくるのが怖い。犯罪の手が込んでる。文字春さんが教え子のことが他人事ながら心配だけど自分に累が及ぶのが怖くて無暗に何かするのも躊躇する気持ち、すごくわかります。
「三つの声」
　本当にシンプル。「あっほんとだ……。」って目から鱗が落ちる気分を味わえたので。

伏字の中身
※１○○→屏風
※２○○→毒親
※３○○○○○○→掃除用具入れ
※４○○○○○○→ご飯を炊く歌