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人のセックスを笑うな

人生で5度目のプレーオフ敗退が決まった。自分の頭の整理と切り替えと備忘のために初めてnoteを書こうと思う。

J1昇格プレーオフ。贔屓クラブで経験したサポーターはわかると思うが、煽りPVの言うとおり、まさに「天国か地獄か」である。

負けたチームはただJ2に残留するだけではない。有望選手はJ1チームに引き抜かれる。紆余曲折あったけど、成長してまとまって、良いチームになった。来年このチームをベースにJ1で躍動したい。でも負ければ、今年作ったチームを柱から根こそぎ奪い取られる。そんな背水の4チームが鎬を削り闘い、1チームだけが報われる。それが昇格プレーオフである。J1のカップ戦決勝とも違う異様な空間。マンガだと、ブルーロックやジャイキリよりも賭博黙示録カイジに近い。

たまに「J2が地獄とは失礼だろ」みたいなクソリプがついているが、地獄なのはお前の国語力である。毎回素晴らしい煽り動画を制作して下さっているshindowsさん、いつか言い放って欲しい。

プレーオフはサポーターも狂わせる。私のX(旧Twitter)フォロワーはジェフサポが6割くらい、実は次に多いのがヴェルディサポで1割くらいなのだが、TLでは醜い争いが繰り広げられていた。屋根が壊れ、席が分断されたことを発端に、2階席のチケットをさっさと開放しろだ、シート貼りがどうだなどなど。正直その内容はどっちもどっちというか、どうでも良いことばかり。被害者ぶってるジェフサポもほとんどクレーマーに近かった。たまに正真正銘のキ◯ガイもいて面白かった(もちろんヴェルディサポにも香ばしいのがチラホラいた)。

要はお互いを明確に敵と認識した世界なのだ。何をされても粗が見えるし難癖もつけたくなる。ヴェルディには申し訳なかったがしょうがないとも感じる。

そもそも元から相容れない敵のはずなのだが、リーグ戦はライバルが21チームもいるので薄まる。だからその中でもなんとなくの好き嫌いがあったりする。ジェフとヴェルディはオリ10でなかなか上がれないチーム同士、どちらかというと「近い」チームだった。共感できる点もあった。傷の舐め合いと言われればそれまでだが。だから私もヴェルディサポのフォロワーが多いのだろうし、個人的に好きな人も多くいた。

それがプレーオフで、明確に目の前で倒さなければならない唯一の敵とお互いが認識したのである。両チームにとって良いことかもしれない。だから場外戦も含めて楽しむのもいい。ただ個人的にはあんまり向かないしちょっと疲れた。

あと「ジェフサポ」「ヴェルディサポ」と主語を大きくしてはいけないな。とも改めて感じた。括るのは楽だが、訳のわからんヤツと括られるのは不快。自分も気をつけないといけないと思った。まぁたまに本当にみんなキモいケースもあるけど。

とまぁこのようにプレーオフを通じて、一種の宗教戦争を見たと思う。本家の場合、一神教は昇格枠が1しかないわけだから、より激しいプレーオフみたいなもんである。世界から宗教戦争がなくなるわけもないわね。とも思った。

さて、ジェフ千葉とプレーオフ
過去14年のJ2生活で5度目の出場(そして5度目の失敗)。今回は失うものもない6位からの挑戦だったし、シーズン中に素晴らしいサッカーも見れた。正直負けることにも慣れてしまったのかもしれないが、敗戦後の自分自身は2012年と比べると随分、2014年と比べると幾分かマシな状態だったと思う。選手が挨拶に来た時に少し涙がこぼれてしまったのと、帰りの新幹線のチケットを発着駅を逆にして購入してしまったのと、昼間mahanaのカレー食べたのに、夜、何も考えずカレー屋に入ってしまったのと、最後乗り換えの十三駅のベンチでしばらく立てなかったくらいである。昇格出来なかった事よりも、どこまでも連れて行ってくれそうな期待感のあるいいチームが終わってしまうのが残念だった。サポーターも良かった。場外戦ではやや狂ってたが、ゴール裏の迫力や試合後に選手を讃えている姿は素晴らしかった。

だから、これを勝ち抜いて昇格したら本当めちゃくちゃ嬉しかったんだろうなとも思う。そう聞いているし、そんな気もする。童貞の頃、セックスに対する期待感もこんな感じだった。ただやはりセックスの前に好きがないといけないと思うし、今年のチームは本当に好きだった。それで終わらせてはいけないかもしれないが、大事なことだと思う。


さてプレーオフ決勝は
12/2(土)東京ヴェルディvs清水エスパルス

国立だしプレーオフを知らないJサポも足を運んでみてはいかがでしょうか。サッカー的な1番の見どころは稲見森田vs乾貴士の中盤でどっちが勝るかだと思います。そしてたった3,000円くらいで本気の闘い。他人の地獄、人のセックスが観られますよ。

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