二次創作のキャラとファッション 記号から実在の架け橋 衣食足りて“人間”になる

noteを初めてみる

 そのまんまです。
 noteを初めます。
 初めるからには、本業の百合の二次創作とは、また違う書きたいことがあるわけです。お察しの通り、ここではキャラクターとファッションについて語っていこうと思います。
 あたしは小説を書いていますが、その中で1番の自分の持ち味はキャラクターのファッション描写だと勝手に思っています。その子が作中でどんな服を着ているのか。これが描写されてる作品が思いの外、少ないのです。あたしはさりげなく、けれどわかりやすく、それを書くように心がけています。ここがあたしの個性だと感じているわけです。
 小説というのは、まぁ便利な表現技法です。よく、「文章を読んでいると頭の中に映像が浮かぶ」という話があります。そりゃ、その文章の出来が良いというのが第一前提ですが、読者の感性に依存しているとも言えます。勝手に頭の中で補完してくださってるわけですから。
 この「勝手に頭の中で補完してくれる」という小説が持つ特異性のおかげで、極端なことを言えば、キャラの服について描写せずとも、お話は問題なく進みます。  
 これが漫画やイラストならどうでしょう。
 漫画なら服を描かなければキャラは全員全裸です。これは大事ですよ。全員全裸の漫画では、見たくない権利を行使されて作家生命が終わります。服を考えるのが大変。絵描きさんがそう言っておられるのを、よく見ます。
 あたしは、まだまだ駆け出しですが一応、ファッションの専門家の仕事をやっております。そんなわけで、キャラに着せる服についてちょくちょく相談を頂きます。 
 これは非常に楽しい。あたしは服について考えている時が一番楽しい。
 ただ、この楽しさを独り占めするのはどうかと思うのです。もっとみんな気軽に楽しく服について考察して欲しい。そう考えるようになりました。
 ファッションはよく感性とセンスの世界と言われています。確かに、デザイナーなどクリエイションの前線に立つ人たちは感性とセンスの塊です。けれど、日常的に服を選んで装うという行為については、殆どが知識とロジックだと、あたしは考えています。
 つまるところ、知識の集め方とロジックの組み立て方を覚えてしまえば、あたしがやってることは誰にでもできるわけです。それをnoteで共有しよう。
 そんなことをやってみようと思います。

服を着るということ

 まず、根源的な話をしていきましょう。
 人間は多分ウホウホ言ってる原始人の頃から、動物の毛皮を着るなりして寒さを凌いできました。何万年前とかは知りません。それがいつしか、裸は恥との感覚が生まれ初め、服は恥部を隠す意味合いも持ち初めます。何千年前とかは知りません。
 そのうち、狩猟から農耕が生きる糧となり都市が生まれると権力格差が生まれます。そうすると、装いの豪華さが人間の立場を示すツールの意味も持つようになるわけです。よく知りませんが何千年も前です。 
 ファッションが生まれたのはこの瞬間だと思います。ファッションとは装いで「俺はこういう人だよ」と示すものなのです。
 前置きが長くなりましたが、言いたいことはここにあります。
 キャラに服を着せるとは、「このキャラはこういうキャラですよ」と示すことというわけです。

記号から“人間”へ


 あたしは小学生の頃から『キノの旅』というライトノベルが大好きです。その作者は、彼は書いている時は頭の中でキャラの名前が顔に書いてある棒人間が話してる感じだと話していました。 
 この話に象徴される事実は、キャラは記号の集合体ということです。
 例を挙げましょう。
 「金髪、ツインテール、お嬢様、小柄

 ここに羅列した記号を見た瞬間、アラサーの方は「ツンデレキャラ」を頭の中に作り上げたでしょう。
 つまり、そんな感じです。
 そして、きっとその頭の中のツンデレさんは、どっかで見たようなレースやらなんやらついてるいかにも貴族なドレスかワンピースでも着ていると思います。
 これを着せ替えていくわけです。
 その子の家は成金なのか?由緒正しいのか?
 田舎の家?都会の家?
 そんなことを考えながら、その子が着そうなブランドや買い物しそうなお店を推定していきます。
 そうすると、自然と着る服が決まっていくのです。
 どうでしょう。
 服を決めるまでの流れで記号の塊だった子が人間味を帯びてきたと思いませんか?
 これこそが、キャラに服を着せることの意味だと思います。これは食べ物の嗜好なんかも当てはまる話です。
 「衣食足りて“人間”になる」
 あたしの二次創作の座右の銘です。

次回予告

 そうは言っても服のブランドとかお店とかわかんねえから困ってんだよ

 おっしゃる通りです
 次回は、その問題を解決するための技をお伝えします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?