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【温故知新】創業者の遺した言葉を咀嚼・吸収してみる♪(14/30)

縁あってこの会社に入って、創業者が遺した多くの(多すぎるかも 🤔)言葉に触れた。私自身はそうでもないが、社員の多くの方はその言葉に心から共感していて驚いた。
折角なので、これらの言葉を私なりに&今の時代に照らすとどういう事なのかを考えてみる。それは私がずっと日系企業かついわゆる大企業と仕事をしている理由かも知れないが、日本はもともと創業者含めイノベーティブな起業家や企業が多く存在し、世界の生活を豊かにすることでさらに成長してきたのに今はそうできていないのはなぜか?もっとできるのではないか?に挑戦し続けているから。

ネタはここから。では、14個目。

「共存共栄」
企業が事業活動をしていくについては、いろいろな関係先がある。仕人先、得意先、需要者、あるいは資金を提供してくれる株主とか銀行、さらには地域社会など、多くの相手とさまざまなかたちで関係を保ちつつ、企業の経営が行われているわけである。そうした関係先の犠牲においてみずからの発展をはかるようなことは許されないことであり、それは結局、自分をも損なうことになる。やはり、すべての関係先との共存共栄を考えていくことが大切で、それが企業自体を長きにわたって発展させる唯一の道であるといってもいい。

松下幸之助 30の言葉

これは多くの人が首肯する言葉ですよね。いかなる事業・企業活動もお客様や取引先、資本の提供者がいて成り立つのであり、それらのうちの1つでも犠牲にして自らの事業や企業の成長を果たす事は継続性を持ち得ない。でも、日々の事業活動において本当にこの意識を強く持てているか?というと少し不安な部分も出てきますね。

簡単な例だと、部材・部品の購入ですよね。自社事業の為には同性能・同機能・同品質のものであれば安い方がいいわけで相見積もりしたり、価格交渉したりして自社にとって好条件を引き出す努力をするわけです。ただ、これは当然裏を返すと相手側は利益が減る話に直結するので、トレードオフの関係になりますね。さて、どう共存共栄するべきか?1つの例は、単位部品当たりの利益は減るけど、量を多く買うので利益の総量は大きくなりますよ、みたいな話。また、支払い条件を相手に対して良くする(例えば現金で一括即時払い)なんていうのもありますね。今回、安くしてくれれば今の引き合いに勝てて、大きな顧客が獲得できるので、今後の事業拡大の恩恵にあずかれるとかもそうですかね。

私はここ10年ほどスタートアップとのパートナーシップに従事しているので、その点での「共存共栄」について少し話してみます。多くのビジネスシーンでパートナーシップは日常的に使われていますが、私は
パートナーシップは1+1>2になる関係である
とよく言ってます。まさに「共存共栄」であり、とかく多くの取引きがトレードオフ関係のゼロサムになり、それをパートナーシップと呼んでしまう事を忌避する為です。よく事業会社がスタートアップへの投資ファンドを組んで(CVCファンド)、戦略的リターンの獲得を狙うという話がありますが、私も数件に携わりましたが(※1※2)、ここはまさに「共存共栄」をどう実現するか?という話です。

投資という行為は資本の提供の見返りとして相手の会社の一部=株式を得る事であり、この資本関係がある事で「共存共栄」を実現しやすくなります。例えば、投資先と何らかの事業的協力を行うプロジェクトを組成する時、資本関係がなければ先に例示したように自身にとって良い条件は相手にとって悪い条件というトレードオフの関係になる事が多く、交渉や譲歩などに時間と労力を要し、残念ながらそれでも結果としてゼロサムで終わる事が多くあります。ここで資本関係があると、そのプロジェクト単体で仮に損をしてもその結果として投資先が事業成長でき、保有株式の潜在価値が上がるのであれば、長期的なリターンは大きくなるかも考えられます。もちろん、今のプロジェクトにおける損益は直近の実現価値の話であり、保有株式の価値上昇はあくまでも未来の未実現価値の話なので、単純な算数で判断することはできませんが、少なくとももう1つの調整レバーがあるという事なので、特に不確実な新事業領域でのパートナーシップ=共存共栄においては有効な手段になります。

日本の製造業の”系列”はとかく古き悪しき慣習のように言われますが、実は日本なりの共存共栄を促すシステムだったんではないですかね?上で言ったような資本関係など持たずとも日々の事業の中で互いの継続的繁栄を狙った関係づくりができていたとすると本当に素晴らしいことではないかと思います。

次回は、「自修自得」を消化してみます♪
では、また~

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