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スポットライト効果


自分のことを他の人が気にしていると、過剰に気にすることである。

自分がどのような存在であるかは、自分が属する社会の中での立ち位置で決まるから、他の人の評価が重要になってくる。

社会的存在であるために、他人の目が気になるのは仕方ない部分もある。

それでも、こういった効果があるらしい。

この効果はどれほど信憑性があるのだろうか。

街を歩いてるときや電車に乗っているとき、我々は見るともなく他の人を見ている。

ここが重要である。見るともなくである。

大抵は、目に入るがすこぶる目を引く見た目か行動ではない限り、それきりである。

そう考えると、本当に他の人は自分を気にしていない。

それは、「ふつうの」格好をしているからである。

髪を整えていて、髭も剃っている。衣類も清潔であり、目立った行動をしていない。

こういった気遣いは、人に見られることを気にして行うことであり、人目を気にして行うからこそ人目につかなくなるという逆説的な理屈がそこにあると思う。

ヨレヨレの服であれば、より目立つだろうけれど、それは人に見られているという意識がないからこそヨレヨレの服を選んでいるのであって、その人の中に他者がいない。

頭の中に他者がいないからこそ、現実の他者に意識されてしまう。

ある程度自分の中に他者を住まわせて、(その他者も現実の他者に沿っている必要があるが)自分を社会に適合させていくという作業が必要なのではないだろうか。

スポットライト効果までいかなくても、やんわり自分あたりに光が当たっている感覚を持っていると、社会で生きていくために必要な身なりや行動や言動を行おうという気になる。

気にするからふつうになれるという部分もあるのではないかと思う。

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