なにも始まっていない日。
2023.2.17
10日ぶりの庭は、
雪が降って積もったこと、を
あまり、気にしていないような顔で、
植えて間もない、
ジュリアンとキンセンカだけが
花びらを縮こませて、
雪は冷たかったよ、と
伝えてきた。
見回せば、椿が咲いていた。
駆け寄るようにして、喜ぶ。
庭のある町は、
アパートの町より寒い筈だが
今年はなんだか、ここのほうが
あたたかい気がする。
風が無い、からかもしれない。
着る筈だった上着を脱いで
まずは、紫陽花やアナベルの根元へ
(すこし離して)
発酵油粕を、埋めていく。
薔薇の根元(すこし離して)にも。
株分けした、まだ小さな
クリスマスローズの近くにも。
それから、日が暮れるまでは
枝垂れ梅とモッコウバラの間の
硬い、雑草も生えない
縮こまった土を、耕した。
わたしは、だんだんと
土を耕さない、
雑草を抜かず、茎や葉を切って
一緒に、土へと置いていく、
いわゆる《草マルチ》な庭へ、
と、思っていて、
そのためにも、耕した。
雑草さんが
生えてきてくれなければ
その土は、カナシイほど
貧しくなっている。
無論、花などは、養えない。
※肥料も入れなくて良い庭に
いつかはしたい。
思えば《庭》の知識が
あまりにも無いなかで、
突然、
庭しごとが始まったので
去年はひたすら、
右往左往していた。
抜いても抜いても
生えてくる《雑草》や
病気になっている
庭の西側の垣根《マサキ》や
葉を虫に食い尽くされた薔薇や
そんなものばかり、目についつ
時折、悲しい気持ちにもなっていた。
しかし、今年は
まだ、何も始まっていないのだ
と、お腹の辺りに
良い《諦念》がどっしりと
根を生やしており、
働きものの呑気さ、で
お日さまや月や雨に、委ねながら
いろいろやってみたい、と
わくわくしている。
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