船舶職員及び小型船舶操縦者法の改正による「特定操縦免許制度の変更」について。
船舶職員及び小型船舶操縦者法の改正により、令和6年4月から特定操縦免許制度が一部変更になりました。
船舶職員及び小型船舶操縦者法とは?
船舶職員及び小型船舶操縦者法は、船舶職員として船舶に乗り組ませるべき者の資格や小型船舶操縦者の資格・遵守事項等を定めた法律で、船舶の航行の安全を図ることを目的として昭和26年法律第149号として制定されました。
特定操縦免許とは?
小型船舶操縦免許は、1級小型船舶操縦免許・2級小型船舶操縦免許と水上バイクに乗るための特殊小型船舶操縦免許に区分されています。
特定操縦免許は、遊覧船などの小型旅客船や釣り船などの遊漁船など人を乗せて船舶を運行する場合に必要な免許で、1級小型船舶操縦免許・2級小型船舶操縦免許を取得し、特定操縦免許講習(旧小型旅客安全講習)を修了することで取得することができる免許です。
変更点
これまでは小型旅客安全講習で、海難発生時における処置や救命設備に関する内容の講義を7時間以上受講することで取得することができました。
履歴限定制度の導入
令和6年4月の改正により履歴限定制度が導入されました。履歴限定制度では、特定操縦免許の取得に乗船履歴が必要になりました。必要な乗船履歴がない場合、航行区域が平水区域に限定されるのが履歴限定制度です。
履歴限定は、講習を受講することで後から解除することができます。
必要な乗船履歴
特定操縦免許を受講するために必要な乗船履歴は、沿海区域以遠を航行する総トン数200トン未満の船舶において、船長、航海士または甲板部員として1年以上乗り組んだ履歴です。
特定操縦免許講習の創設
法改正にともない、特定操縦免許を取得するための講習が小型旅客安全講習から特定操縦免許講習になりました。
特定操縦免許講習は従来の救命に関する内容7時間に学科4時間以上、実技4時間以上を追加した合計15時間以上の講習課程です。
修了試験の合格者には修了証が交付されます。
既に特定操縦免許を受けている場合
既に特定操縦免許を受けている場合は、経過措置として令和8年3月31日までは特別な手続きをすることなく特定操縦免許を取得することができます。
移行講習
既に特定操縦免許を受けている場合は、特定操縦免許講習のうち新たに追加された学科4時間以上、実技4時間以上の移行講習を修了することで新しい特定操縦免許を取得することができます。
履歴限定
既に特定操縦免許を受けている場合でも新しい免許に切り替えた時点で、経過措置期間中であっても、履歴限定制度の対象となりますので、沿海区域以遠で船長として業務を行う場合には、必要な乗船履歴を満たした上で限定解除の申請を行う必要があります。
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