タタカウユウキ

子どもをみてもらっていると、保育園の先生や、学校の先生や、ともすると医療機関の専門スタッフさんに「さすがにそれは違うんじゃないでしょうか。。」と言いたくなる時がある。

自分の子が他の子のようにおぎょうぎ良くふるまえないこと、
親である自分自身が、アポイントメントギリギリにかけこんだり、提出プリントをしめきりまでに間に合わせられなかったりすること、

たくさんひけ目に感じることがあって、こんな自分が先生方や専門機関のスタッフさんに物申すなんてとても無理、、と思うのだけれど、

それでも
「なんて理不尽な」とか
「たしかにわたしは未熟な親だけれど、保育園(または支援機関、学校)ですすめられているこの方法や対応では、絶対にこの子は良くならないって気がする」とか
ここはどうしてもゆずりたくない、と「分かる」時がある。

そんな時の自分に「闘う勇気」をくれた本を紹介します。

『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』
クリスティン・バーネット
永峯涼=訳
(株式会社KADOKAWA  2014年)

以下、引用です。
ちょっと長いですが良かったら読んでみてくださいね。

「以前より進歩した自閉症児を見るたび、わたしはこの子のために激しく闘ったであろう誰かのことを思います。成果が何であれー一人でトイレに行けるようになったとか、中学校に入れたとか、やっと言葉を話すようになったとか、仕事が見つかったとかーその背後にはかならず、その子を信じ、その子のために闘った誰かがいるのです。
 自閉症児や発達障害を持った子だけでなく、子を持つ親なら誰でも、わが子のためには闘う人でなければなりません。どの親も、子どもが成長するにつれ、(わたしほど過酷ではないにしても)(*注)難しい選択をせまられる場面にぶつかることがあるはずです。子どもの病気や障害、いじめや仲間はずれ、野球チームのメンバー選びや一流大学入学をめぐる親同士の確執。親には、子どものために闘わねばならないときがあるのです。誰だって闘うのは怖いし、痛みも伴う。でも勇気を奮い起こさなければいけません。こどものために闘うのは、愛しているからこそできることです。子どものために闘おうという意志こそが、わたしたちを親にしてくれるのだと思います。
 専門家からあれこれ言われると(そして今の時代、親でいることは大勢の専門家と接することでもあります)、親としては「わたしは子どもの世話をしているだけで、専門的なことは分からないから、専門家の意見に従います」と言ってしまいがちです。しかしわたし(*注)の例を見ることによって、「リトル・ライト」(*注)の親たち(特にお母さんたち)は、自分の声に従ってもいいんだ、と背中を押された気持ちになったのではないかと思います。」

*注・・・こっと記入。
この本の筆者クリスティン・バーネットさんは、自閉症児の長男とRSDをもって生まれた次男、それから三男を育てながら保育所を開き、それと並行して週に2回「リトル・ライト」という自閉症児のためのプログラムを行なっていました。

 この本を読みながら、わたしは「筆者のクリスティンさんは、なんてバイタリティのある人なんだ(汗)」っと感じました。
 お母さんにこれだけのパワーがあったから、長男のジェイク君は自分の能力を花開かせられたんだな、、逆にそれくらいパワーがないと、やっぱり自閉症児の未来は切り開かれないのかしら(涙)っと、かえって不安や焦りもしました!

 でもそれをさしひいても、やっぱりこの本からもらったものは大きかったと思っています。

 自閉症児をとりまく情報や、支援の内容は、今、本当にいろいろですね。
 わたしも「この人は信頼できる」「この方法は長男に良さそうだ」と思える人やものに出会えるまで、何度もトライアンドエラーを繰り返しました、、「何かちがう」と感じる毎日からぬけられなくて、毎日泣いてしまっていたこともあります。そして今も試行錯誤の毎日です。
 
 ただ、長男の発達について悩んだ初期に、この本に出会えていて本当に良かったです。

 最初は半信半疑ながら、でもそのうちに確信をもって、子どものために「闘う」うちに、子どもに必要な支援を得られるようになり、子ども自身は整ったサポート体制の中で活動をすることができるようになりました。
 そうすると、子どもは成功体験を積み上げることができるようになっていきます。

 今はほんの少しですが、「闘い方」のコツも分かってきました。わたしが考える「子どもを進歩させるための親の闘い方」については、また別の機会に書いていきたいです。

 同じように悩んでいるお母さんたち、子どものためにがんばっている自分をどうぞ責めないで、「がんばってくれてありがとう」って、お子さんだけでなく、ご自分にも言ってあげながら、すごしていきましょうね!

 


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