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【権力闘争狂想曲】 第8話「季節外れの秋桜」

幹事長は、穴と対面した。
コスモスに見えた。放射状の皺が花弁なのだ。
丁寧に拭った。
触れるたび、穴はぱくぱくと喋り出す。
無論、声は発しない。
だが、確かに聞こえるのだ。
…いつもすまんな。
それは盟友の口癖であった。
…水臭いことを言うな。
コスモスに呟く。
幹事長は、文字どおり尻を拭いていた。

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