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【箱庭(連作)】 #140字 《完結済》

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一話あたり140字。電車の待ち時間をつぶしたい方に、激推し!
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#幹事長

【権力闘争狂想曲】 第11話「常識」

店を出た。 見送る女性店員の笑顔が胸に刺さる。 先刻、座敷で政調会長は言った。 …常識を利…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第10話「策士」

政調会長は腕組みをしていた。 国会では舌鋒鋭く、政権与党を追い詰めていた。 獲った大臣の首…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第9話「黄金」

都内、高級焼肉店。 その座敷、三人の男が黄金を囲み沈黙していた。 大皿に載せたそれは、牢名…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第8話「季節外れの秋桜」

幹事長は、穴と対面した。 コスモスに見えた。放射状の皺が花弁なのだ。 丁寧に拭った。 触れ…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第7話「盟友」

党首は朦朧としていた。 遠ざかる総理の椅子…。 唇を噛んだその時であった。 幹事長がその肩…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第2話「刻は来た」

…なあ、二人とも。 政調会長が言った。 彼らは、互いに三十年ほどの付き合い、当選同期である…

箱庭師の部屋
9か月前
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【権力闘争狂想曲】 第1話「霜月の夜更け」

都内、高級焼肉店。 その座敷、三人の男が鉄板を囲み談笑していた。 彼らは野党の幹部であった。 それぞれ党首、幹事長、政調会長の要職にある。 …いつもすまんな。 党首は労った。 …なに。尻拭いは俺の仕事さ。 幹事長は言った。 ここ数日、党員による失言の後始末に追われていた。 霜月の夜更け、午後八時。