シェア
「あんたたちが、鬼ヶ島まで連れて行ってくれるんだな?」 「左様です。私どもが水先をご案内…
「いたい、いたいよう……!」 「こら! 観念せい!」 エテ吉は盗人を取り押さえた。 見…
——俺、鬼退治に行く…… そう桃太郎が言って五日経つ。 熊一もヨネも厳しく反対し、…
「なぁ、桃」 「なんだ」 「帰った時、なんで小屋の外から爺さんたちを呼ぶねん? 中に入って…
「でっ、でかいっ……!」 桃太郎たちの前に立ちはだかったのは、雲をつくほどの巨体を揺ら…
「どうした? 桃太郎」 「……」 柿珍念は、桃太郎と離れで布団を並べていた。 この日の…
「いけっ! シロ!」 「はいっ!」 桃太郎は、愛犬のシロに叫んだ。 獲物の鹿は、桃太郎に胸元を深々と射られ、這々の体で逃げ惑っていた。 猛然と駆ける、シロ。 すぐに鹿に追いつくと、飛び上がって、その首元に、がぶりと噛み付いた。 たまらず鹿は、どおっと倒れ込む。 「でかした! シロ!」 追いついた桃太郎が、刃でトドメを刺し、シロの頭を撫でた。 嬉しそうなシロ……。 今朝、首を捻りながら熊一が、腰が痛むという。 その熊一は、いい機会だから一人で狩りに行ってこい
太陽が真上に来ていた。 夫婦は、十数年ぶりにまぐわっている。 自分たちに子供ができ…