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「他山の石」崩れたケーキ

「他山の石」崩れたケーキ

2023年のクリスマスのSNSに、高島屋のケーキの写真が多く掲載されました。
 SNSの投稿は、美味しかった、いいところだったと言う投稿と、なんて酷いんだと言う投稿があるのですが、ケーキの投稿は、崩れて、そのままゴミ箱に入れたと言う、怒りの投稿が多く掲載されていたのです。
 このケーキは、2900個製造され、900件以上の苦情が寄せられていると報道されています。
 報道によると、ケーキは横浜市のフランス料理店が監修し、埼玉県羽生市の菓子メーカーが製造し、高島屋のネット通販限定商品として、税込み5400円で約2900個を予約販売され、メーカーが梱包(こんぽう)し、高島屋が委託したヤマト運輸が今月22~25日に冷凍した状態で購入者に届けた。とされています。
 また、監修した方が「24時間以上凍結している」と、インタビューに答えていました。
 すべて、報道通りとすると、流通上で、振動、衝撃があったとしても、欠ける、割れると言った物理的な破損があっても、崩れると言うことは考えられ無いはずです。
 可能性があるのは、菓子メーカーで製造されてから凍結するまでに、すでに崩れていたと考えられます。
 もしくは、凍結保存中に解凍され、衝撃があって崩れ、再度、凍結されたとも考えられます。
 問題のケーキの一括表示上の保存温度が確認出来ていませんが、もし、冷凍で保存表示であれば、崩れたケーキは、製造後から凍結までの間の問題、保存中の問題になります。
 届けられたときに、自然解凍される設計で、一括表示上の保存温度が、冷蔵保存であれば、配送中に崩れた可能性があります。この場合は、完全な設計ミスになります。
 クリスマス、誕生日、結婚式などのイベントに使用するケーキは、ケーキが食べ物以上の価値があります。崩れたケーキが与える、お客様への精神的ショックは大きな物になってしまいます。
 私が、商品設計を行っていたときには、必ず配送テスト、物流テストを行っていました。
 今回のケーキを設計していたとしたら、設計時に各保存温度を確認し、自宅まで、ケーキを運ばせて状況を確認していたはずです。もちろん、ケーキの中には、温度計を入れ、ケーキの箱の中の温度、ケーキの中心温度、また、振動計なども入れ、状況を確認していたはずです。
 大切な日のメイン食材を開発するときには、届いた箱を開けて、喜ぶお客様の顔を思い浮かべる事が大切です。
 おせち料理を正月までに届ける事が出来ない、重箱を開けると中身が残飯のようだった。
 2万円も出したのに、がっかりした。毎年、イベントの料理を購入し、がっかりしたと言う報道がありますが、大切な事は、お客様が箱を開けて、口にして、喜ぶ姿を常に考え、行動、作業、開発することです。
 あなたの作業は、お客様の喜ぶ顔を考えていますか。


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