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『マティス 自由なフォルム』国立新美術館/ミニマリスト

フランスの画家 アンリ・マティスが特集された展覧会へ行ってきました。
子供の頃に誰もが遊んだ切り絵。
誰もが慣れ親しんだ切り絵ですが、マティスの作品を見ていると
何だか切り絵が動いているように見えてくるのです。


| 開催場所

■国立新美術館
黒川紀章が設計したガラス張りのウネウネと言えばココ。
そして最近ではあのジョン・ウィックが宿泊に来た
”オオサカ・コンチネンタルホテル”として撮影もされました。
キアヌ・リーブスのせいで美術館が血まみれになっていましたね。

| 会期

2024.2.14~5.27
冬場から初夏まで。
完全に主観ですがカラフルなマティスの切り絵作品を見るのは春先が丁度気分も上がるかも知れません。

| 混雑状況

日曜日の午前中に尋ねました。
乗車率は65%程度といったところでしょうか。
国立新美術館で開催されている大型美術展ということを考えると
比較的空いているように感じます。
また大型絵画展と違って小学生のようなお子様連れも目立っていました。
これもマティスのキャッチーさでしょう。

| 特徴

最近の美術館の潮流なのか、ほぼすべての作品が写真撮影OKです。
前半の絵画展示を除くと、衣装、ブロンズ像、大型の切り絵作品、祭壇
のような一目で理解できる作品が続きます。
まるでポップミュージック・チューンが流れているかのように
軽快で心地よく鑑賞できます。
小難しいことを考えずに、サクサクと楽しく見れることから
アート初心者にも敷居が低いと思います。

| マティスは請負職人である

フォービズムの画家であるマティスは大胆な色彩に目がいく個性派の様な
印象を持たれますが、実際の所は請け負った仕事に対するパフォーマンスは
最大限にこなす職人だったのではないかと思います。

豪邸の壁画用作品、舞台衣装のデザイン、極めつけはロザリオ礼拝堂のデザインです。

”マティス”ブランドに期待されている事に対して最大限に結果で返す。
礼拝堂なんて抽象化した母子像の壁画にステンドグラスの位置まで計算して設計しています。しかも祭服のデザインまでこなし正にトータルでの空間設計をしています。

こんなにもマティス色があるのに、くどさを感じないのは
マティスのデザインがシンプルでミニマムだからです。

今回の展示内にもありましたが
文芸春秋の表紙にマティスの切り絵作品が使われても
不思議と違和感がないのはその簡素化されたデザインにあるためです。

この美術展ではロザリオ礼拝堂を再現していて
マティスが実現した事を体感できますので、会期中に是非とも体験してください。


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