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免疫①


★免疫

生物は恒常性、特に体液を維持する仕組みを発達させ不安定な環境に適応していった。しかし、その一方で他の生物の作り出した、安定で栄養分に富む体内環境を利用するように進化したものもある。ウイルス細菌、および真菌寄生虫である。これらは、体内に侵入し、宿主の資源を奪う。そのため、宿主にとってはこれらから身を守ることが重要となる。これが生体防御と呼ばれる作用である。

●生体防御は「水際対策+撲滅作戦」である。

1.物理的防御・化学的防御・微生物学的防御

関係する細胞は主に上皮細胞である

物理的障壁:

皮膚(上皮細胞の密着結合、汗や角質層の死細胞の脱落)   
粘膜(粘液の分泌、繊毛) ⇒ ウイルスは増殖できない

化学的障壁:

胃酸、皮脂の含む酸やリゾチーム、粘液の含む酸性物質や消化酵素

微生物学的障壁: 常在細菌による病原細菌の抑制

2.免疫

: 白血球自己・非自己認識し、病原体などの抗原を有するもの攻撃

白血球?
好中球、単球(マクロファージになる)、樹状細胞、リンパ球
リンパ球とは?
T細胞、 B細胞、NK細胞等

●免疫は、大きく2つのシステムに区別できる

(Ⅰ)自然免疫

素早いが特異性が低い、補体の作用や炎症反応も含むが、基本は食作用
⇒ 微生物の多くに見られる特徴を受容体で認識し攻撃するが、
 取りこぼしも多い
⇒ 細菌の細胞壁やリポ多糖、鞭毛(フラジェリン)、ウイルス由来の
 核酸を認識、これはレクチンやToll様受容体(TLR:Toll-like receptor)
 で感知される

(Ⅱ)適応(獲得)免疫

遅いが特異性が高い、主にB細胞やT細胞等のリンパ球が働く
⇒ 感染した病原体に特異的に攻撃
 B細胞受容体を利用した食作用もあるが、基本は抗原抗体反応
 T細胞受容体を利用した感染細胞の破壊なども可能   

・ 適応免疫はさらに2つに分けられる。

体液性免疫

B細胞の放出する抗体が関与。
抗原抗体反応で抗原を中和し、補体や食作用の促進。
抗体(受容体)と反応する物質を抗原という。

細胞性免疫

キラーT細胞等が感染細胞(細胞内の病原体由来の抗原が目印)を攻撃。
臓器移植での拒絶反応にも関与。
MHCが自己・非自己の目印でもあるため)。

●自然免疫に働くリンパ球

NK細胞が活躍 (NKリンパ球)

●免疫応答

抗原の認識から免疫反応が生じるまでの過程を免疫応答という。
体内に初めて侵入する抗原に対して免疫系が活性化するまでを
特に一次応答という。

免疫応答(一次応答)

⑴ 自然免疫の活性化(樹状細胞等の活性化)
⑵ T細胞(おもにヘルパーT細胞)への抗原提示
⑶ キラーT細胞やB細胞の活性化
 ・ 細胞膜(受容体など)を利用した情報伝達
 ・ サイトカインという物質による情報伝達
⑷ 適応免疫の活性化
  ⇒体液性免疫(液性免疫)と細胞性免疫


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