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お姉ちゃんの国際交流の話②

ラボには「国際交流プログラム」というものがありす。
中学生や高校生がたった一人で北米、ニュージーランド、中国、韓国などに行くプログラムです。ホームスティ、留学、キャンプなど、目的もいろいろ。今回娘は北米のホームステイに参加しました。

このプログラムに参加したいと言い出したのは、入会してまもなくの頃。ちょうどその年に参加したお姉ちゃんからアルバムを見せてもらったり、これまで参加してきた大学生や高校生の話を聞いて「面白そう!」と思ったのだそう。様々な理由から中学2年生で渡米する子が多いようですが、娘も「中学2年生になったら行く!」と言い出しました。

とはいえ、娘は小学4年生。まだまだずっと先のことなど、どうなるかわからない…そう思いながら流して聞いていたというのが正直なところ。その後も毎年国際交流に参加して帰ってくるお兄さん、お姉さんの話を聞きながら、最初は興味本位で「行きたい」と話していた娘も、次第に気持ちが固まってくるのを感じました。中学1年生になっても「来年行く」という言葉は変わらず、その頃から「本当に行く気なんだな〜」と、私も本気で捉えるようになりました。


小学校中学年・高学年以降は、親の「ああしなさい」「こうしなさい」「これがあなたのためだ」という言葉より、周囲の環境に影響されます。娘は同じラボのお兄さん、お姉さんたちを慕い、憧れ、そういう存在の人たちの「絶対参加したほうがいいよ!」という言葉に影響されたのだと思います。私自身も、自分の古い価値観や親としての立場で話す言葉より、今輝いている若者たちの言葉の方が、ずっと生き生きしているし、説得力があるし、頼もしいと感じていました。

入会当初、異年齢の魅力を感じていたわけですが、その素晴らしさは入会してから強く実感する場面が多かったように思います。国際交流だけでなく、普段の練習やイベントを通して年上の子達から「取り組む姿勢」や「人と人が関わってものづくりすること」「企画力や実行力」「まとめる力」など、学ぶことや影響されることがたくさんありました。ラボでは、英語力よりも(英語力だけでなく)非認知能力が身に付くと言われることがありますが、それは本当に実感します。


国際交流に参加できることが決まってからも、ここに至るまでたくさんのことがありました。それは「事前活動」と呼ばれる活動です。
一人で外国に行き、一人で初めましての人の家にステイするのですから、学ばなくてはいけないこと・心得ておくべきことがたくさんあります。


それは海外の文化やルールだけでなく

身の回りのことは自分ですること、家事に協力すること、助けてほしい時に「助けて」という力、まったく違う文化を受け入れること(国と国の違いだけでなく、宗教・家庭のルール・ジェンダー・家族のかたち(シングルマザー、ステップファミリー、ママが二人いる家族、パパが二人いる家族、養子など)、異なる言葉・異なる国・異なる文化のコミュニケーションについて、ホストファミリーに用意するっプレゼント(手作りのもの、料理、素語り(物語を英語で話すこと))などなど、たくさんの課題と学びがありました。


素語りは、スケッチブックに絵を描いて、物語を英語で覚えます。それをホストファミリーの前で発表します。これもホストファミリーとのコミュニケーションのひとつ。
娘が選んだのは大好きな「がまんくんとかえるくん」の「なくしたボタン」。私もこの物語、大好き!



学校、部活、家庭教師、通常のラボ に加えての国際交流事前活動。
「やりたくない」と言ったことは一度もありませんが、「終わらないかもしれない」と涙を浮かべたり、疲れ切って朝までソファーで眠ってしまったりすることはありました。定期テストの時期などは横で見ていてもしんどそうで…
それでも親にできることはほとんどなくて。私にできるのは「うん、うん」と話を聞いてあげること。娘が好きなご飯をつくってあげることくらいでした。
出発前の5ヶ月間。大変だったけれど、だからこそ成長したと思うし、最後まで一人でやりきった娘を誇らしく思いました。


今年度国際交流に参加する地区メンバーと決意表明をして、パーティーでも素晴らしい壮行会を開いていただき、いよいよ出発の日が近づいてきても、娘の様子は普段とまったく変わらず。夏休みは丸々一ヶ月間不在になるので、夏休みの宿題に取り組んだり、現地で使う英会話メモを作ったり、相変わらず忙しく過ごしていました。


そして当日、「いってきます」「いってらっしゃい」の瞬間。涙を浮かべて初めて心細そうな表情をしている娘を見て、私も胸が熱くなりました。国際交流は事前活動を含め、携帯は持たない約束です。このときを最後に、一ヶ月間娘と連絡が取れなくなります。問題があった時や緊急時にはラボから連絡がくる約束になっているものの、心細いのは私も一緒。

子どもが自分のやりたい道に進んでいる途中で不安になって立ち止まっている時、どうにかしてあげたい気持ちでいっぱいだけれど、親にできることは「あなたなら大丈夫!」と子どもを信じて見守ることだけです。それを感じることも、乗り越えることも、親が代わってあげることはできません。子どもの生きる力を信じると同時に、「ダメになったら、いつでも帰っておいで」と帰ってくる場所を用意してあげること。それくらいしか、できないんですよね。


娘が出発して2週間が経ちます。
私は寂しくて、寂しくて、仕方がありません。何をしていても心が晴れなくて、ずっとぼんやり霧がかかったような心の状態。我ながら子離れできてない自分に笑wってしまいます。今回の国際交流は、娘の学びでもあるけれど、私の学びでもある。帰ってきたとき、どんな顔をしているだろう?なんのご飯を用意しよう?そんなことばかり考えています。


ということで。随分長くなってしまった国際交流のお話。
今回SNSでつぶいやいたら「私も中学生の時に一人で海外に行きました!」という方がたくさん声をかけてくれました。その誰もがキラキラ輝いて今を生きている人たちなので、なんだか嬉しくなりました。


英語に触れる、海外に行く、いろんな経験をする
その道筋は千差万別。これが「正解」というものはありません。それを正解にしていくかどうかさえ、自分次第ですね。我が家の現在は、意図せずこんなかたちで進んでいます。

お姉ちゃんが帰ってくるまであと2週間。
もし興味ある方がいたら、帰国後の様子をまたレポートしますね。


最近、本が出たようです(私も読みました)
興味がある方は、こちらも読んでみてくださいね。





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