見出し画像

肥沃な土壌 地力の本姓 腐植の意味

肥沃な土壌こそが、健康な農作物、健康な家畜そして最も重要な健康な人間の土台である。肥沃な土壌とは、それに還元の自然法則が確実に適用されていて、植物質および動物質の廃物による堆肥からできる、新鮮な腐植を適量に含んでいる土壌のことを意味する。

人間はこれらの上で微生物と太陽光線のエネルギーの力によって選択し改良した品種の農作物を生産することができる。土壌の肥沃度を常に前進させなければならない。

土壌生物の多くは葉緑素を持たず、しかも暗黒のうちに活動せねばならないので、エネルギーの補給を必要とし、それは腐植の酸化によって得られる。腐植というのは部分的に酸化された動物物質の入り混じった残渣から、このような廃棄物を分解する菌類とバクテリアによって合成された複合物質のことである。この腐植はまた微細な鉱物性の土粒を大きい結合物質とする膠結性を備えているので、孔隙を維持する役にも立つ

土壌に腐植が不足すれば、孔隙量は減少し、土壌の通気が阻害され、土壌棲息物には有機物が不足し、土壌機構が劣変し、根毛の必要とする酸素、水、溶解塩類の供給が減少し、緑葉中の炭水化物とタンパク質との合成のテンポが緩慢になり、生長に悪影響を及ぼすことになる。したがって腐植は生命循環の第一段階に作用している場合には、土壌にとって欠くべからずものである。

腐植がなぜ重要かについては他にも理由がある。土壌中の腐植の存在は土壌と植物との第二次的接触という本来の機能ー菌根の関係ーにとって欠くべからず条件である。この依存関係を通じて腐植によって生存しているある種の土壌菌類が幼根の活性細胞に侵入し、植物と密接な関係を結びうるが、その共生に関する細目は研究中であり、検討されている。土壌菌類と植物細胞とは、地衣類と藻類・菌類とが構成している共棲関係より親密な共棲を営む。菌類がどんな恩恵にあずかるか、植物がどのような利益を受けるかは容易に理解されるのである。

農業聖典はインドール式堆肥の製造が書かれているが、これは日本古来の畑の隅で有機物とその土地の土壌をサンドイッチに積み重ねる積み肥と対応している。
この場合の有機物残渣の処置であるが、有機物をどのような処理をしたら腐植が早いかが古今東西での関心事であったようで、先ず一般では細切断である、又木質分のオガコ化であるが、オガコはあまり腐食がは早くない。

農業聖典中に農作物の残渣を道路に敷き詰めてその上を馬車で轢く記述がある。これは木質を構成するセルロース、ヘミセルロース、リグニンを少しでも乖離させる効果から見れば有効であり、これが植繊機の開発につながった。

現在の有機農業は即堆肥農業(しかも完熟堆肥)であり、ハワードの有機農業の意図とは違うところである

ここから先は

0字

・農家さん、新規就農者、家庭菜園を実施している方を対象に、バイケミ農法の理論修得から実践までを指導、…

家庭菜園プラン

¥300 / 月

Natural Agriculture pro famers

¥800 / 月

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?