(3/4)書評: 『あなたと原爆 オーウェル評論集』 ジョージ・オーウェル 光文社古典新訳文庫
タイトル: 『あなたと原爆 オーウェル評論集』
著者: ジョージ・オーウェル
訳者: 秋元考文
光文社古典新訳文庫
「象を撃つ」
本論は回顧録として扱うべきであろう。
ジョージ・オーウェルは、インド帝国警察官として南ビルマで自身が帝国主義を憎むことに明確な理由が分からず、四苦八苦した陰鬱な日々を振り返っている。ただひとつ彼の中でわかっていたことは、侮辱的な態度でヨーロッパ人に接するビルマ人ではなく、彼らを抑圧するイギリス人を憎んでいたことだった。当時の彼は、若さゆえに無