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鹿


きのうイカ焼きを食べていて思い出したこと。

去年の11月。急に思いつき山口県の角島へドライブした時の出来事。
自宅からある程度(山口までは300km)の距離を走る場合、たいてい夜出発して途中、道の駅などで休憩を挟めつつ進む。
その日も高速のparkingで休憩しいしい早朝の到着を目指した。
高速をおり山口県に入っていただろうか、国道とは表示されているが、右手の民家は忘れたころに現れる間隔で、左手はずっと田んぼが広がる一本道を走っていた。

すると運転席の真横に突然鹿が現れた。

雌鹿 

ライトに写し出された鹿の上半身

なんと、一頭の雌鹿が並走してきたのだ。

固まりつつ
脇汗つつ
速度を上げることも緩めることも出来ず
どっちが正解かもわからず

たぶん時間にするなら「秒」だが、「分」に感じる長さで、スローモーションにフィルターがかかったような不思議な光景。

ひえ
あわわ
となりながらも、睫毛の茶色がライトに照らされた美しい横顔が、今もまぶたに焼き付いている。

雌鹿は速度を緩め(力尽きたのか)、車の後ろに抜け、一旦、サイドミラーに追い付き、左側の田んぼの方へ消えていった。

しばらく興奮が止まらず、途中のコンビニでファンタ(オレンジ)を買ってイッキ飲みした。
コンビニを出て走りだすと、道の駅までの間に「鹿注意」の標識をいくつか見かけた。
野生の鹿が身近な地域もあるのだな。
世界(日本)は、小さそうで大きい。

道の駅の自販機でお茶を買った。喉の渇きがおさまらないようす。
隣の自販機で水を買うZ世代(たぶん)の男性に、さっきの鹿の件を話すと「スゲー」と驚かれ、「ケガなくて良かったすね」と労りの言葉をかけてくれた。
聞けば東北から鹿児島を目指して旅の途中と言う。

若かろうが、若くなかろうが、旅をしたらいい。
こんな面白くてスリリングな体験も、旅ならではだ。

今後の予定
鹿に会いにいく


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